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(回答先: 消費者か労働者かの二項対立では問題は解決しない。 投稿者 ワヤクチャ 日時 2005 年 12 月 11 日 14:02:01)
ワヤクチャさんへ
ありがとうございます。
>消費者か労働者かという二項対立図式では問題は解決しない
>消費こそが肝心の問題である
【heart】
そうですね、私もその考え方がいいと思います。
>資本家の所有から労働組合の所有に転換し、最終的には生活協同組合の所有にする
【heart】
それも一つの妙案だとは思いますが、資本家が労働組合に所有権を委譲することに同意するかが問題だと思います。最終的にやはり生活協同組合にするのであれば、最初から生活協同組合を作ってしまう方がやりやすい気がします。しかし、ここらへんのことは協同組合の仕組みについて勉強してからでないと何とも言えないので、また今度。
>消費者と労働者に対する環境教育が必要
>資本家の環境破壊に対抗しつつ消費者と労働者に対する啓蒙も必要
>資本家の権力を打倒して消費者や労働者の権力を作っただけではいい経済になっている保障はありません。
【heart】
そうですね。対話していて、環境教育、本当に必要だと感じました。
今の大人の啓蒙もさることながら、これから育ってくる世代への環境教育もしないといけませんね。私は教育に携わる身ではないので身の回りの子供を教育することしかできませんが。
小さい頃から、自然環境の温かみを感じさせ、生物に対して愛情をもって接するように教え、ものを大切にする、「もったいない」概念を身に付けさせる。ある程度分別がつくようになってきたら、地域規模から地球規模で起こっている環境問題を教える。考えさせる。
経済学を学ばせるとしたら、その後ですね。でないと、経済優先の頭が出来上がってしまう気がします。
それから、ワヤクチャさんが「環境派の消費者が連携して市場を管理していく」という分野での第一人者としてご紹介くださった枝廣淳子さんの著書の紹介のページ
http://www.es-inc.jp/books/index.html
で、
《「子どもたちに問題を説明するだけでは十分ではない」と、ずっと思っていました。環境問題の現状や原因だけではなく、「まだ手遅れじゃない。こんな新しい取り組みが広がっている。こんなステキな未来だって可能なんだ」ということを伝えたい。》
と書いてありました。私自身の関心が、どちらかというと環境問題の現状や原因の方に偏ってきたため、取り組み事例について教える、という点には思いあたりませんでした。これも、環境教育の中で忘れてはいけない点ですね。もちろん、子供たちには大人には及ばないような想像力があるでしょうから、安易に解決方法を教えてしまわない方がいい面もあるでしょうが。
【heart】
消費者は環境に配慮した商品を購入したからといって必ずしも環境から直接の恩恵を被れるわけではありません。
【ワヤクチャさん】
まさにこの認識こそが重要なポイントです。本当は消費者は恩恵を受けているのですが、恩恵を受けている事が分からない事こそが問題です。どんなに些細に見える環境破壊も全ての生命体に被害を及ぼしているのです。
【heart】
これに関連して、私がよく農業について思うことがあります。
できるだけ日本で食料を自給すべき、と言っても、わからずやの経済界の人たちや一部の消費者は、自由貿易で日本は海外から安い農産物を買えるのだからいいではないか、と言う。食料を他国に頼るということは、他国の環境を消費していることに他なりません(また、相手国の環境破壊型農業を誘発・促進することもあるでしょう)。農産物だけでなく、土壌(窒素)、水をその国からもらうことになるのです。
また、農業には多面的機能
(国土の保全、水源の涵養、自然環境の保全、良好な景観の形成、文化の伝承等農村で農業生産活動が行われることにより生ずる食料その他の農産物の供給の機能以外の多面にわたる機能)(農林水産省HPより。また、
http://www.pref.yamagata.jp/ns/tamen/
が絵入りでわかりやすいです)
がありますが、多面的機能は輸入できません。
農産物を始めとして、あらゆるモノを、カネをもたらすものとしか見ていないんでしょうね、経済至上主義者たちは。こういう考え方の人たちをもうこれ以上生み出さないようにするためにも、環境教育が必要です。
>車に乗る事自体が環境破壊であるという認識が必要です。私も車を乗っておりますが罪を犯しているんだという事を常に意識しております。
【heart】
そこまでの罪悪感は持っておりませんでした。反省。
>車に乗らなくてもいい生活を実現したいと思います。
【heart】
そうですね。そのためには、以前の投稿でも書いたように、車がなくても日常生活が行えるような町づくりをし(車が必要なら、環境に全く悪影響を与えない動力を用いる公共バスを導入する、あるいはチンチン電車なんてのもいいかもしれません)、町と町との間は鉄道で結ぶ、といったことが必要です。
国鉄の民営化にしろ何にしろ、政府がやっていることはまるで逆です。過疎地ではローカル線が廃止され、バスも一日に数本か全くない。車がなくては生活できないようにしてしまったのです。名神高速道路もアメリカの車を売るために建設されたということですから(経済学者の宇沢弘文氏がラジオで言っていました)、国鉄の民営化も自動車業界が主張したことかもしれませんね。
>オーガニックの輸入農産物ですね。
>単に「安全な食べ物」というだけなら輸送の為に環境を破壊していても平気という事になります。
>「安全かつ環境に配慮した商品」を消費者は買うべきです。
>「安全な食べ物」も金儲けの手段になってしまっております。この点は改善課題です。
【heart】
私が上で述べたことと合わせて、いくらオーガニックであっても、食料を輸出入することは、循環を不可能にします。
国内、地域内で作ることのできるものは、輸入に頼るべきではありません。
食料の輸出入は、どうしても地域内で作ることができず、しかもそれがなくては健康な食生活が送れない、というものに限るべきだと思っています。これは自由貿易を否定し、一種の管理貿易を求めるものですから、WTOから脱退しない限り無理ですけどね。
あるいは、WTOを変えるかです。そもそも、WTOのせいで各国の政策が縛られること自体おかしいとも言えますが、そういうWTOに加盟しているのですからしょうがないですね。
>一人の人間が分裂しているのです。我々は一人の人間の消費者としてのあり方と労働者としてのあり方の両方を分析しなければなりません。
>そして、それぞれの場合のあるべき姿を提示しなければなりません。環境配慮という点は共通ですが。
>一人の人間でも消費者と労働者の二重の人格を持っているのです。だから分けて考えざるを得ません。
【heart】
そうですね。私は消費者と生産者を分けて考えることにずっと反発を抱いてきたのですが、ワヤクチャさんに、上のように言っていただいたことで、やっと分けて考えるのを受け入れられるようになりました。
>消費者は自分が最低限必要なものは何か?環境を破壊しないどのような商品開発が可能か?という点について労働者に提示するべきです。
>労働者はそういった環境配慮派の消費者の要求に応える労働をしなければなりません。
【heart】
商品開発については、技術的知識も必要となってきます。今の議論では「官」の果たす役割は定かではありませんが、「産学官」ならぬ、「消産学官」のような連携も視野に入れるべきでしょう。
>消費者は消費の為に購入し、労働者は生活費を稼ぐ為に労働をする
>労働者にとっては商品として成り立っていさえすればいいのであって消費の実相には関心が消費者ほどはないという事です。
>そこで消費の分析は消費者の方ができるという事です。
【heart】
そうですね、基本的にその構図は変わらないでしょうね。
>使用価値を生み出さなくても金儲けができるという経済システムはおかしいです。
>今はまさにそんなシステムですが、これを改める必要があります。
>その上で使用価値の中身について問うていかなければなりません。
【heart】
そうですね、今の経済のシステムは異常ですね。
>例えばワザと耐用年数が短くなるような設計をするという事が問題です。
>これは売る事が目的になっている為に長持ちしては困るからです。
【heart】
よいものを使ってもらいたい、という意識ではなく、どんどん買ってもらいたい、という意識なんでしょうね。これは、人々の中の「もったいない精神」が失われたことにも起因すると思います。
>こういった点は消費者によって監視していかなければならないでしょう。
>昔「暮らしの手帳」という婦人向け雑誌で各社の製品を比較する取り組みなどやっておりましたがああいう事が必要ですね。
>商品監査機関を消費者が持つべきなのです。生協にはそのような部署が必ずありますが。
【heart】
暮らしの手帳のその取り組みは知りませんでした。
行政の監査機関は専門家の立場から基本的な安全性などを点検しているものと思いますが(ものによっては。)(それも事後規制でなく事前規制!)、それだけでなく、消費者が消費する立場から監査する(安全性も監査項目に入ってくるでしょうが)商品監査機関、おっしゃるとおり、必要ですね。生協にそのような部署があることは知りませんでした。
>「いい資本主義」などはありません。資本主義は金が人の命よりも大事だという事です。打倒すべき対象です。
【heart】
全くそのとおりですね。
>資本家の御用聞きの政治家を打倒する事によって資本主義を打倒しましょう。
【heart】
御用聞きは政治家に限りません、政府お抱えの御用学者もそうです。
学者は直接には資本家から利益を得るわけではないかもしれませんが、その時々の政権に擦り寄っていくような学者は、良心のかけらもない。そういう学者も打倒すべき対象です。
>1つの地域に複数の生協があるのが普通です。消費者にも様々な傾向があり、自分にあった生協を選択しているのです。
>生協は最初は問屋を通さず生産者から直接仕入れる為に価格が下げられるという事が大きな魅力でした。
>次の時代は安全性を追求してきました。
>そして、今「環境配慮型で生活全般を見直す」というタイプの生協が台頭してきております。
【heart】
私は二つの地域に住んだことがあり、その地域それぞれに一つあった生協しか知らないのですが、そんなにいろいろあるのですか。私の認識不足ですね。近くにどのような生協があるか調べてみます。
>ポリシーをめぐって複数の生協が競合しております。その競争は健全な事です。
>最終的には環境配慮型の生協が勝利を収めて市場を独占するでしょう。
【heart】
競争は競争でもそういう競争は健全ですね。また、独占というとイメージがよくありませんが、生協は消費者が経営する主体ですから、独占状態になっても不当な価格のつり上げといったことは起こらないわけですよね?(cf.一般の経済学では、独占市場において、供給者はプライス・テイカーでなくプライス・メイカーになり、価格を自由に設定できます)(また、そういった問題がもし起こってきたとしても、それはその時に解決すればよいことであって、現段階で考慮すべき優先課題ではありませんね)
>可能な限り注文後生産をする事によってよけいな物を作らない体制を作っていきたいです。
>また、オーダーメード化によって消費者の満足度も上がります。
【heart】
売れ残りはもったいないですしね。
>総代会は総代に立候補しなければなりません。是非是非、立候補されて選出され総代会で議論に参加して下さい。もっと環境に配慮した商品群に切り替えるべきと問題提起をされてはいかがでしょうか?いい議論ができるでしょう。又、ここにご報告いただけましたら幸いです。理事会も理事に選ばれる必要がありますので立候補されてはいかがでしょうか?
【heart】
立候補しないといけないのですか。自由参加かと思いました。いま、近所にある生協のホームページを調べてみましたが、理事への立候補の仕方などは書いていないようです。総代については、記述そのものが見当たりません。なんか、すでに壁に直面した気が・・・。お店で聞けばいいのでしょうが、なんか聞きにくそうです。このコープだけがこうなのかもしれませんが、もうちょっとオープンでないといけないと思います。組合員であれば自由に参加できる形式の方が、消費者の声をより反映した経営にすることができるのではないかと思います。
また、要望を設置箱に投書するということは行われていると思いますが、それだけでは、消費者には経営に参加しているという意識は芽生えにくいと思います(それにそういうことは普通の店でもやっています)。単なる、他の店に比べ安全性や環境に配慮したものを売ってくれる、ちょっと割高な店、というイメージしか持てず、協同組合であるということを自覚しにくいのではないでしょうか。意識のある人はちゃんと自覚しているのかもしれませんが、少なくとも私は子供の頃行っていた生協について上のようなイメージを持っていました。今は意識改革中ですが。また、これまでのような受動的な消費者でなく能動的な消費者になりたいと思います。
可能なるコミュニズム、入手しました。これから読みます。
>あの本をネタにしてここで議論するのも1つの手ですね。
【heart】
是非、そうしましょう。しかし師走でいろいろ忙しいので、しばらく時間をください。
>同組合についてもいい本が色々とあります。又どれがいいか検討しておきます。
【heart】
ありがとうございます、よろしくお願いいたします。
>生活協同組合は・・・地域経済に寄与する
>消費者一人一人に対する啓蒙活動も生協ほど適した組織はありません。
>消費者同士が学び合う組織なのです。
【heart】
生協がそういう理想的な組織であるということは知りませんでした。
生協のそうした存在意義も、もっとアピールしていく必要があると思います。
私は、最近、私が最も尊敬している内橋克人氏のことをグーグルで検索していて偶然以下の記事に行き当たり、協同組合というもののもつ価値を知りました。
http://www.jacom.or.jp/tokusyu/toku174/toku174s05102001.html
http://www.jacom.or.jp/tokusyu/toku174/toku174s05102101.html
http://www.jacom.or.jp/tokusyu/toku174/toku174s05102406.html
←これは農業協同組合に関するものですが、協同組合に対する関心を掘り起こしてくれたものです。そして、それからしばらくしてワヤクチャさんとここで対話できたことで、協同組合についてより具体的な関心を持つことができるようになりました。
このことに限らず、今回の一連の対話で、随分いろいろと学ぶことができました。
ありがとうございました。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
heart