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P.J.プルードンが展望したこと。[heartさん&ワヤクチャさんへ]
http://www.asyura2.com/0510/idletalk16/msg/316.html
投稿者 如往 日時 2005 年 12 月 07 日 23:30:27: yYpAQC0AqSUqI
 

(回答先: 交換銀行 投稿者 heart 日時 2005 年 12 月 07 日 07:24:14)

 
 heartさん、こんにちは、レスをありがとうございます。
 雑考・雑感にも拘わらず深く読み込んでいただき、大へん恐縮しております。


 >共同体とコミュニティを同一視してはいけないかもしれませんが、私はまだコミュニティにこだわっています。しかし、コミュニティを作るためには、その手段として協同とか協働といった具体的なあり方を模索しないといけないですよね。私もそろそろ抽象的世界から脱皮しようと思います。(共同、協同、協働の使い方を間違っていたらご指導ください)

 “共同体”に関する様々な取り組みがなされていることは承知しています。しかし、そうしたチャレンジの拡大が何れは国家(体制)という枠組みとの相剋に直面せざるを得ないと想っています。私が“協同”もしくは“協働”の有り様に拘るのは、超克の現出とは何らかのシステムの変更をもたらすことに外ならず、変革の駆動力を形成・準備しておかねばそれは現実化し得ないと推察するからです。何故なら、現行の国民国家(体制側)の方からシステム変更のための条件整備を自ら進んで開始するとは到底考えられないからです。

 >交換銀行は、「加入者の『受領ないし販売した生産物、また引き渡された、あるいは近日引き渡され得る生産物の価値を表すあらゆる商業手形と交換に』、『交換券』と名づけられた一種の銀行券を発行し、それを受け取った人はそれと引き換えに、この銀行に参加する別の人の持つ商品サービスを手に入れることができる。その逆も可能。」というものであるということです。

 「地域通貨」の可能性は、「政府紙幣」との関係性を含めてまだまだ未知であり、さらに「交換銀行」は提唱者のプルードンが素描した社会主義社会に準えなくては幻想の域に留まってしまうと考えています。つまり、→

 >・いまの言葉で言う「地域通貨」を発行する銀行 ・加入者の意思によって運営される ・国家から完全に独立した自立的組織 ・資本金を持たない ・営利を目的としない ・交換券に法貨との交換性は付与しない ☆交換券を発行する場合、原則として市場によって決められた価格に従うが、参加者はそれらの商品の原価(材料費、賃金一般的費用、保険費などの総額)についての正確な情報を提示することが義務付けられている ・市場で買い手が見つからない余剰となった生産物を購入する(原価の80%で)ことで、農工業者を救済する。 ・商工業経営者や農民に長期の資本貸付や不動産を抵当とした貸し付けも行う、(貸し付けはいずれも交換券で行われる。利子は極めて低く設定。)

 →上記の「交換銀行」(システム)の構成要件に関し、現行政府(国家)に認めさせるといった少なからぬ能動的な働きかけを必要とするのですが、消費者(利用者)であることによる匿名性の限界や生産者でもあることによる利己性の垣根を越えて、地域の構成員のどんなクラスターが主導していったらそれが可能でしょうか。即答が難しいものと諦めずに、様々な試行を粘り強く繰り返していかなければならないと思っています。

 ところで、プルードンが展望した“協同体”(社会)とマルクスが点描した“共同体”(社会)とを対照しながら論じたものとしては、本山美彦編著『「帝国」と破綻国家』(2005ナカニシヤ出版)に収蔵の、「第七章communismが陥った罠(鈴木啓史)」が、普遍的・理想的な社会システムを探究していこうとする上で非常に示唆に富んでいると思います。素朴な環境主義に留まることなく、また単なる集産主義や消費者協同組合主義の限界を超えて、問題解決の当事者意識(主体性)の自覚へと導くベクトルを十分視野に入れたものになっています。そこでは、労働者(生活者)の主体性回復のためには生産手段の共同所有が要諦になること、またそれよって隷属状態を起因とする諸問題の解決への途が拓かれるものと確信しています。

 また、会いましょう。

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