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Re: 医療とは?? の自己レス(具体例)
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投稿者 町医者 日時 2005 年 10 月 04 日 16:25:33: Jlt0pjLrwYKl6
 

(回答先: 医療とは?? の自己レス(具体例) 投稿者 膝枕 日時 2005 年 10 月 04 日 00:05:04)

国家財政の善し悪しで医療財政を云々されるのは、どうかなと思います。もう、当たり前前のようになってしまいましたが、近年、精神的にも、肉体的にも日本人の健康が増進してきたとは全然思えません。更に、お年寄りの割合が多くなり、医療・介護面では更なる資金が必要となってきています。お金だけで解決できる問題ではありませんし、国家財政も無視できない問題ですから、能率化・効率化は問題である事は言うまでもありませんが、されど、「お金」です。日本の医療は費用対効果はむしろ世界に冠たるレベルです。

いろいろ見てますが、少なくとも医療業界は能率化・効率化、やりたくないけど、やむを得ずリストラなんかを、公務員やお役所なんか比べ者にならない位やってると思います。が、しわ寄せはまず医療機関にくるのです。

もちろん、医者だからと言われるかもしれませんが、誰でも病気になり得ます。少なくとも、老人になるし、いつかは死亡する。そんな人たちを迎える立場も私たちは、いつもベストな状態で迎えたいと考えているのです。

極論と言われるかもしれませんが、勤務医時代、日中働き、当直をして、更に日中外来をして、、、。眠い目で急患室で生死をさまよう患者を診て、36時間連続労働を余儀なくされてました。今は看護婦さんも大抵はギリギリの人数で3交代をこなしていて、そのうち誰かが病気になったり、産休に入ったりで、深夜勤につぐ深夜勤でクタクタにもなります。研修医の過剰労働も問題になっています。既に、患者の前でベストコンディッションで患者を診れる余裕がない場合がでてきています(小生も過労でミスをした覚えがあります、覚えて・自覚してないだけで、結構してるかも)。

医療現場の危機を訴えるのは意味がないとおっしゃいますが、私はそうは考えません。理解して頂くことはかなり困難だとは思いますが、(狭い世界しか知らない小生ですが、少なくとも医療現場の窮状を知るひとりとして)、誰かが訴えなければ、医療従事者の仲間も、我々が診療する患者も、更に悲惨になっていく様な気がしてならないからです。
また、レスを頂き、勉強にもなり、いろいろ考えさせられます。

自分が被害者になって初めて訴えると言う話ですが、小生の見るところ、現政権の舵取りに医療業界からみて懸念される事が多すぎるからです。マスコミも正当に取り上げてくれていない気がして、誤解を解いて置きたいという思いもあります。
誰しも意見を申し上げる権利は有すると思います。

自然治癒力の話はごもっともです。
「医療は患者の自然治癒力を助ける」
のが目的だと、ヒポクラテスも言っています(と、記憶しています)。

小生も、薬を処方するだけが能だとは思っておりません。
おっしゃるとおり、薬の濫用。例えば、必要以上の抗生物質を投与してると、菌のほうが抵抗力が出て、効きにくくなり、結果として、患者の自然治癒力は弱まってしまう。しまいには抗生物質を投与しても治りにくくなったり、そのせいでむしろ悪化したり。

膝枕さんの娘さんが丈夫だったのは、そういう事もあったのだろうと思います。
残念ながら、抗生物質などの投与に関しては、慎重なお医者さんと、そうでないお医者さんが居ます。
ただ、患者サイドから三日で直せとか、子育てで安静にできないとか、ひどい時はすぐ治る薬をくれと言われ、渋々処方する場合があります。近年、そういう患者さんが増加してる気もします。
また、発症して数日間市販薬を飲んで、治らないから診てくれという方も増えました。自己負担が1.5倍になった為もあり、理解できます。そういう時もすぐなおして差し上げたいので、抗生物質を処方します。

ただ、本当は恐い家庭医学じゃないですが、かぜの様に見えているだけで、何か進行性の病気でないとは、医師が診察してもいいきれない場合もあります。
ただ、真に「かぜ」で、本人に自然治癒力があり、社会的にも安静がゆるされ、本人も安静を守れれば、自然治癒力で治す病気であると小生も考えます。

自分や周囲の人の医学情報をネットで調べて来院する方も増えてきています。
残念ながら、小生も含めて、町医者は広く浅くの学問になりがちで、本気で自分の症状に対峙して調べた人にはかなわず、逆にやりこめられてしまう事もありますが、小生は恥とは思いません。いい傾向だと思います。
また、治って、健康になって頂ければ、べつに保険診療にこだわりはありません。
ただ、そういうのはむしろ稀で、まだ、大抵は指導が必要の様です。

植物状態の方の延命は医療とは別とおっしゃいますが、言い切ってほしくはないです。家族に取っては、生きていてくれさえすればいいというケースもあります。

以上の大部分のレスは膝枕さんにもご理解して頂けるものと信じております。目指すところは同じで表現の違いだけなのかも。

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