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大手商業メディアが小泉政権に魂を売り渡した真相  『マスコミが死んだ日』
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投稿者 World Watcher 日時 2005 年 11 月 26 日 07:32:06: DdDUJ9jrxQIPs
 

私は、今まで小泉がなぜ、高い支持率を誇りここまで”ラッキーな男”なのか?を考えていた。(我々の国に”マスメディアが存在すれば”小泉はとっくの昔に退陣している)
そのヒントとなりそうな情報が【別冊BUBKA 1月号】にありましたので紹介します。

■転載はじめ

小泉政権と民放キー局の悪魔の契約
〜魂を売り渡したメディアの功罪〜

自民党の圧勝で終わった衆議院選挙。
国民は小泉政権の推し進める改革の具体的内容を理解しないまま、テレビが垂れ流す自民党候補者を支持した。
しかし、テレビ局はなぜ自民党を肩入れするような報道姿勢をとったのか?
本来ならメディアは権力の敵側となってもおかしくない立場のはず。だが、そこにはどす黒い、私利私欲にまみれた利害関係が存在した。

P-49

まず、シンプルな問いを設定したい。

「なぜ、テレビはあれほど小泉政権が好きなのだろうか?」

今回の衆議院選挙で296議席という自民党の歴史的な大勝利は「女刺客」「くのいち」がもたらしたわけではない。
最大の功労者は明らかに「テレビ」であろう。
朝から晩まで「小泉劇場」を垂れ流し続け、煽るだけ煽り、あからさまな「偏向報道」で小泉に勝利をもたらしたのである。
事実、選挙後の調査によれば【一日あたりのテレビ視聴時間が長い層ほど、小泉政権を支持する傾向がある】(読売新聞)と判明。関連
多くの有権者も「特定の候補ばかり報道して、政策が分りにくかった」(共同通信)と回答している。

「いや、テレビと小泉政権の癒着ぶりは、今回の選挙に限ったことじゃないですよ。そもそも2001年、小泉が首相になれたのも『自民党をぶっ潰す』という彼の言葉を繰り返し報道してくれたからですし、それ以降もテレビは『サプライズ人事だ』『北朝鮮訪問だ』と、小泉がやることなすことをメディアが大騒ぎしてくれるから小泉は高い支持率を保ち、政権を運営できたのです。その意味で言えば小泉にとってテレビこそが最大の支持基盤。両者の癒着の証拠は、小泉政権下のとき、あれだけ持ち上げてきた田中真紀子の扱いを見れば分る。今回の選挙で彼女の語る小泉批判を、マスコミはまったく取り上げようとしなかったでしょ」(政治評論家)

いやはや大した癒着ぶりであろう。

原則論で言えば、そもそも「メディア」とは、時の政権と対立すべきで、それが権力のチェック機関という民主国家におけるメディアの役割といっていい。
事実、英国のBBCは『アルカイダは存在しなかった』と、テロを理由にイラク戦争に突き進んだブレア政権を追求。
米マスコミも、『イラクの刑務所における米兵の不祥事を暴く』など、最近はブッシュに批判的になっている。

それがまっとうなジャーナリズムというものだ。

付け加えれば、米英マスコミが比較的、政権寄りになったのはテロや戦争があったからだ。が、日本はテロにもあったことがないし、戦争状態でもない。にもかかわらず、ここまで露骨に政権に寄り添っているのは、明らかに異常である。
とはいえ日本のメディアも『えひめ丸沈没事件』で森善朗を退陣に追い込んだように、かつては政権と一定の距離を置いていた。
つまり、日本のメディア(テレビ)が甘いのは、小泉政権にだけなのである。もう一度問いたい。

「なぜ、テレビは、これほどまで小泉政権に肩入れするのか?」

その答えは意外なところから出てきた...【地上波デジタル放送】である。

「あまり知られていませんが、小泉政権となって、一番、最初に手をつけた重要法案こそ、この地上波デジタルの導入だったんです」(メディア事情に詳しいジャーナリスト)


■”地上波デジタル”は完全な時代に逆行するシステム

地上波デジタルを導入した小泉。
これこそが両者の”共存関係”を裏付ける何よりの証拠というのだ。
地上波デジタル放送は、2002年7月、小泉政権下で正式に導入が決定した。そのウリは、デジタル化による双方向化、ハイビジョンによる高品質化、マルチチャンネル化で、日本が『世界』に誇る次世代テレビ放送システムという触れ込みで、2011年から本放送を開始する予定になっている。ところがである。

「地上波デジタルは、世界に誇る新技術なんてとんでもない嘘ですよ」そう語るのは元博報堂社員でテレビプロデューサーを務めてきたメディア評論家の谷村智康氏だ。
10月に出版した『CM化するニッポン―なぜテレビが面白くなくなったのか
でも、地上波デジタル放送がいかに”パチモン”(インチキ)であるか。厳しく批判している。
まず、地上波デジタルはデジタルと言いながらネットと融合はできないという。これはホームページの記述用語であるHTML(ハイパーテキスト・マークアップ・ランゲージ)を採用せず、拡張性や表現力を劣化させて、”わざわざ互換性をなくした”BML(ブロードキャスト・マークアップ・ランゲージ)で規格統一したためで、最初からネットと接続できないようにしているのだ。
さらにウリの双方向性も「Tコマース(ネットバンキング)やEコマース(ネット取引)は、個人情報保護の観点からやらないと思うよ」(民放関係者)
自慢のデーター放送は、野球選手の打率とかアンケート調査程度だというのだ。

地上波デジタルのマルチチャンネルは、キー局につき2CH程度増えるだけで。
専門チャンネル化するわけでもない。ネット融合はない。映像も現在のハイビジョンと同じ。双方向性も多チャンネルにならない。せいぜい今のBSデジタルに毛が生えた程度なのだ。
しかも、そんな”パチモン”を導入するための莫大なコストを国民に押し付けようとしているから呆れ果てる。

「民放はいいですよ。1800億円もの”税金”を投入してもらい、その施設を導入できますからね。ところが一般大衆は、本放送が始まれば、現在のモニター(受信機)が使えないので新しいモニターを買い換えないといけない。それだけではなく、現在使っているビデオやDVD,HDD(ハードディスクレコーダー)といったAV機器もデジタル対応になっていないため、【すべて使えなくなります】。アンテナだって取り替える必要がある。
日本中の各エリア中継局は全部、立て替えですが、それは地方自治体の負担。いったいどれだけの金が動くことになるか、想像がつきません」(前出・谷村氏)

問題は、わざわざ「地上波デジタル」システムを導入せずとも、新世代のテレビシステムは【今すぐコストゼロで出来る】ということなのである。
谷村氏が解説する。
「次世代型のテレビシステムは今のCS(通信衛星)で十分だったんですよ。CSは双方向性で、ネットとも簡単に融合できるうえ、300のマルチチャンネルです。ハイビジョンにしてもハード(モニター)にHDDを内臓させれば対応できる。アンテナの問題も光ファイバーと組み合わせればOKです」
実際、世界のメディアは、CSと光ファイバーの組み合わせが進んでいる。
別のメディア評論家も呆れながらこう続ける。
「CSと光ファイバーのシステムにすれば、例えば見たい番組を視聴者がセレクトして配信させたり、映画やスポーツ、ゲームなどもダウンロードしたり、そうしたソフトを携帯電話と互換できるようになるんです。要は今のインターネットとスカパーのペイパービューをセットにした感じで、こちらの方が全然、未来型っぽいでしょ。でも”地上波デジタル”では【何も出来ない】んです。完全に時代に逆行するシステムで、世界中のメディア関係者から物笑いの種になっていますよ。」
とまあ、調べれば調べるほど、地上波デジタルの欠陥が浮き彫りになってくるのだ。

なぜ、こんな”パチモン”が、兆単位の莫大な国費と国民負担を強いて導入されたのか、疑問になってこよう。
「今の地上波テレビは、【民放キー局に莫大な利益をもたらすシステム】だからです。それを守るため大手メディアグループは、必死になって地上波デジタルをごり押ししてきたのです」(前出・メディアジャーナリスト)


■地上波デジタルをごり押しする目的で”小泉を首相にするように裏工作”した民法

売り上げ4767億円、純利益229億円。
売り上げ3576億円、純利益168億円。

それがフジテレビと日本テレビの2004年度の儲けである。
テレビマンの年収が軽く1000万円を超えるのも頷ける額である。
そもそも地上波放送は、キー局の制作した番組(ニュース)を地方ローカル局を通じて全国に放送するシステムである。
つまり民放キー局は、制作機能を独占することで地方ローカル局を支配し、全国放送という【情報を独占する】ことでスポンサー(CM)からたっぷり金をせしめてきた。
「実際、全国販売を考える大企業は東京キー局にしかCMを出稿しません。東京でCMを流せば、東京にいるバイヤーが見て全国に販売してくれるからです。結果、高額なCMほどキー局が独占するため、地方局には優良なCMがまったく入らず、経営難が続いてるぐらいです。」(前出・ジャーナリスト)
ところがCSで規格が統一されると、300チャンネルを越えることになる。つまりキー局とローカル局はライバル化し、縦から横の関係になるのだ。地方ローカル局は生き残りをかけて地域密着型の放送局になって独立すれば、いくらキー局といえども、地元情報で太刀打ちができなくなる。
結果、キー局に集中していた優良スポンサー(CM)は各ローカル局に流れる。
また、スポーツ、ドラマ、映画、ニュースなどの専門チャンネルも登場するはずで、例えば吉本興業やホリプロは自社チャンネルで番組制作に乗り出し、民放キー局から”独立”しても不思議ではない。
当然、キー局の視聴率や影響力は下がり、それがスポンサー離れを引き起こし、”売り上げは大幅に減少”する。
さらにCSはネットと融合するから、そこで商売しようとする企業のホームページやそれこそ楽天やライブドアにリンクされるだけで敵に塩を送るようなものになる。
「今、スポンサーの企業の多くは【知らせる】だけのCMより、【買わせる】【体験させる】ことのできる双方向なネットや携帯電話のほうがCM効果が高いと考えています。テレビとネットが融合すれば、テレビから一気にスポンサーが離れる可能性は高いですよ。」(前出・谷村氏)

いうなればCSシステムが実現すると民法キー局(その親会社である新聞社)が独占してきた【情報】と【金】を奪われ、”情報貴族”という特権階級の地位から転落するという”アンシャンレジーム”(下克上)になりかねなかったのである。
だからこそ大手メディアグループは、猛然と”CS案に反対”し、地上波デジタルという”パチモン”をごり押しをしてきたわけだ。が、前述したようにメディアと政権は対立関係にある。
CS案で一本化されようとした矢先は特に森政権で時代で、さんざん、政権を叩いてきた。
そのお返しに政府もCS案でメディアグループにプレッシャーをかける。なにせ利はCS案にあるのだから、大手メディアグループはいかにも分が悪い。


■情報が処理しきれなくなり流行と煽るだけで扇動できる大衆

そこで小泉政権の誕生である。
メディアはこぞって、この露出狂の政治家に肩入れをし、首相になるように後押しした。
小泉もまた、あれだけの逆境をメディアが引っ繰り返してくれたことで、メディアによる【大衆コントロール】のパワーを肌で感じたことだろう。
そして両者は結託する。いや共犯となる。
2002年7月19日、政府は【地上波デジタル放送】を正式に認可した。
その時、日本のメディアは、地上波デジタルと引き換えに、小泉純一郎にジャーナリズムの魂を売り渡しのである。
ここで最後の質問を設定しよう。

「なぜ、大衆はこうも簡単にコントロールされるのか?」

小泉がテレビを優遇し、地上波デジタルを与えたのは、あくまでテレビが【大衆コントロール】の力があると認めたからである。
確かにその力は存在する。が、一方で90年代後半、ネットと携帯電話が高機能化する中で、テレビの影響力は下がると考えられていた。
テレビ局も危機感を募らせ、慌てふためいていた。
そのテレビが、ネットや携帯電話が広がった21世紀になって、突如、これほどまでの【大衆コントロール】のパワーを身につけたのだろうか?
「逆説的ですが、ネットと携帯が普及したからなんですよ」
そう解説するのは、某大学でメディア研究をする助教授である。

「日本人は週平均で26時間、テレビを見ています。1日4時間弱。この数値は、この20年さほど変化はありません。ところが、パソコンや携帯電話の端末等を含めると8時間近くとなり、この数年、劇的に上昇したんです。つまり、起きている時間の半分を何らかの【情報】に接しているわけで明らかに情報過剰、情報過多の状態です。あまりにもたくさんの情報に触れると、たいていの人間は、情報が処理できなくなるんです。特にネットや携帯の情報は、虚実がないまぜでメディアリテラシー(情報読解力)が問われる。
そんな面倒なことをしたくない【大半の人は、結局、概存のメディア、ブランド力のあるテレビの情報を一番、信用する。】テレビは嘘つかないだろう、テレビでやっているなら本当だろう、とね」

実際、自民党の大勝に限らず、この数年、地崩れ的なブームが次々に起こった。
小説では【セカチュー】の大ヒット。映画ではテレビドラマの【踊る大捜査線】が顧客動員を塗り替えた。
ラーメンブームや格闘技ブームを見るまでもなく、テレビが『行列ができる』『ヒットしている』『流行中』と煽るだけで簡単に人が集まる。

「ネットの世界で莫大な情報が行き交うため一般人の手に負えなくなった。そこで大衆は、テレビの情報を【ネットや携帯の情報を精査し、分析して一番、良い情報を提供している】と思い込み、莫大な情報処理機能を大マスコミに依存するようになったわけです」(前出・助教授)

問題は、テレビが情報処理の役割を果たすどころか、それを利用して”大衆コントロールに目覚めた”ところにあろう。

「テレビで煽れば人が集まる。物が売れる。それを利用しようと考え出したのは、フジテレビ(本社産経新聞社)の【お台場冒険王】がきっかけ。
テレビに写るかも、テレビでやっているというだけであんな子供だましのイベントに、連日、何十万人も集まり、莫大な金を落としてくれるんです」(テレビ制作ディレクター)

...きっかけはフジテレビ(本社フジ・サンケイグループ)

そのキャッチは、文字通り、大衆コントロールのキーワードとなる。踊る大捜査線風に言えば「ブームは現場で起こってるんじゃない、”会議室で起こっている”のだ」
そう、ブーム(ニュース)をテレビが報道するのではなく、”テレビが放送したものがブーム(ニュース)になる”のだ。
そのテレビが持つ【大衆コントロール】を知らしめたのが、今回の9.11「自民党の歴史的大勝利」だった。
それは小泉純一郎の勝利にとどまらず、テレビメディアの勝利といっていいだろう。
一部の民放キー局が【情報】を独占し、それを地方ローカル局を通じて、全国あまねく伝え広める。その力を証明したことで大手メディアグループは【情報貴族】の地位を小泉政権下で認められたのだから。

昨今、ライブドアや楽天による民放キー局の買収劇が世間を騒がしている。構造は単純なのだ。
小泉純一郎は【メディア】業界の勝ち組を【テレビ】(地上波キー局)と決め、ネットは”負け組”にしたからである。
ホリエモンやミキタニにすれば、テレビを買収するしか生き残る道が無かった。
もし、CS案が採用されていれば、彼らは概存のテレビ局を買収せずともCS局を立ち上げ、そこで新ビジネスを展開していたことだろう。
が、小泉政権ができなければ、彼らのようなネット長者も生まれなかったのもまた事実だが....

【テレビはメッセージである。】
そう語ったのは、メディア学者のマクルーハンであった。
テレビが伝えるメッセージは”単純かつ明快”だ。
”何も考えるな”
ただそれだけである。
メディア型ファシズム時代が今、幕を開けようとしている。

転載以上

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