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【転載】「同じ資本主義でもEU、ヨーロッパ諸国は、アメリカや日本とは違う道を模索している」
http://www.asyura2.com/0510/dispute22/msg/706.html
投稿者 heart 日時 2006 年 1 月 31 日 21:33:38: QS3iy8SiOaheU
 

(回答先: 【転載】マネー資本主義はどうなるか(内橋克人氏) 投稿者 heart 日時 2006 年 1 月 31 日 21:32:28)

皆さん、アメリカ発のグローバル化を追っかけるのはもうやめましょう。

以下、
「日本の資本主義はこれでいいのか―數土社長の講演に思う―」
2002年8月31日  日本共産党川鉄委員会委員長  野村 裕
より、「資本主義の未来を考える」と題した部分から一部抜粋

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「グローバル化」の問題を考えるとき、同じ資本主義でもEU、ヨーロッパ諸国は、アメリカや日本とは違う道を模索している、その現実を見ることが大切だと思います。

EUの取り組みについては後で詳しくふれますが、數土社長は、アメリカ発の「グローバル化」を前提に、企業の枠の中から世界を見ているように思えます。しかし、世界から日本やアメリカを見ると別の世界が見えてきます。

資本主義の見本のように言われ、小泉内閣をはじめ、財界が頼みにしているアメリカはどうなっているか――。アメリカの首都、ワシントンの周辺から、製造業や農業など、生産に密着した企業や労働者者ほとんど消えたそうですが、金融技術だけが膨れあがるなかで、エンロンという巨大エネルギー企業の粉飾決算が明るみに出、ワールドコムという資産規模ではエンロンをしのぐ電話会社も粉飾決算でつぶれました。

それを監視していたアンダーセンという世界でも5指にはいる会計監査会社もグルになってやっていた。そればかりでなく、ほとんどの上場会社が多かれ少なかれインサイダー取引にかかわっていた。公正な企業動向分析を提供するはずのアナリストが経営者と結託して投資家をだまし、正副大統領がこれにからんでいたことも問題になっています。アメリカ型資本主義が「公正」でもなければ「透明」でもない、株価をどうつりあげるかだけに動かされる、不正と腐敗にまみれた寄生的なシステムだということが世界に暴露されました。

90年代の世界は、通貨・金融危機の頻発が最大の特徴でした(92年欧州 94年メキシコ 97年東アジア 98年ロシア・中南米)。小泉首相や竹中大臣は、市場原理万能主義の立場からアメリカを賛美しますが、毎年毎年数千億ドルの貿易赤字を出しているアメリカは、世界一の対外債務国でありながら、国内通貨であるドルが対外支払い手段になっているという特権の上にあぐらをかいて経済を維持してきました。ドル特権は軍事力の支配がなければ持たないところまできていると言われますが、アメリカ経済は根底から市場原理に基づいていないのが現実の姿です。

90年代になってアメリカの景気をよくしたのは「マネー資本主義」ですが、95年以降やってきたドル高戦略も限界に達し、実体経済面でもバブルがはじけて信用が低下し、巨額のドル売り、株式相場の急落が進んでいます。21世紀にはいって破綻したのは、まぎれもなくアメリカ型の「株主重視」の資本主義です。

経済評論家の内橋克人さんによると、世界に通用しているドルは300兆ドル、世界のGDPの合計は30兆ドル、貿易の決済に必要なドルは8兆ドルだそうです。慶応義塾大学の木地助教授は、国際市場では貿易の決済に必要なお金の100倍ちかいカネが動いていると言っていますが、カネの流通量が実体経済を上回って世界中をはいかいしている。「不要な」マネーがあらゆる格差を突いて利益を手にしている。そういう現実が目にみえるようになり、このままでは資本主義そのものがつぶれるという批判が当事者からも高まっています。

「マネー資本主義」に警鐘を鳴らしてきた内橋さんは、これからの資本主義を展望して、「(弱肉強食ではない)抑制された市場経済へと進化すると思う。逆にいえば資本主義そのものをより人間化するという方向に進むのではないか」と述べ、「市民参加型の資本主義へ向けて変わらざるを得なくなる。競争セクターと共生セクターが並び立つ多元的経済社会です」と強調して、食料(food)エネルギー(energy)人間のケア(care)の地域自給自足圏、生命活動に直接ふれる部分は市場原理に委ねないという「FEC共同体づくり」を提唱しています。北欧など多くの地域で取り組みが始まっているそうですが、とても大切な意見だと思います。

「アメリカ経済あっての日本経済」という神話を信じ、何でもアメリカ頼みの日本はどうか。小泉首相は「構造改革なくして成長なし」と呪文のように繰り返していますが、「不良債権処理」のかけ声で倒産に追い込まれた中小企業は1万以上、つぶされた信金・信組は61、この一年間でGDPは1.6%低下し、不良債権は1年前18兆円だったものが景気の悪化によって26.8兆円に増えています。失業は戦後最悪、財政も最悪で長期債務残高は693兆円。アメリカ言いなりの「改革」が破綻したことについてはこれ以上ふれることもないと思います。

日本経済は景気の悪化を輸出で穴埋めする外需依存型ですが、貿易収支は2、3年後には赤字になると言われています。いまアメリカ経済の現状から学ぶべきことが2つあると思います。

1つは、いまこそアメリカ頼みの輸出から脱却をして内需を重視する。なかでも家計消費を活発にし、国民の暮らしに軸足をおいた経済にきりかえること。
もう1つは、株価のつりあげに熱中する「カジノ資本主義」の猿真似をやめ、「企業の社会的責任」を重視する経済にきりかえることです。

言葉を変えて言えば、地球を駄目にするアメリカ発の「グローバル化」ではなく、日本経済の自立を確立してアジア全体との調和をはかることです。
国内問題では、バランスのとれた産業構造を確立する、空洞化対策をすすめる、食糧の自給をはかる、雇用の安定と国民生活の擁護など、経済の民主主義を確立していくことです。

ルールある資本主義をつくるための国際協力も必要です。フランスやカナダでは、投機的な国際為替取引に税金をかける原則を国会で採択したそうですが、こういう取り組みにも学んで、国民的討論をすすめることで21世紀の明るい展望が開けると思います。

http://www3.ocn.ne.jp/~jcp-kc/pages/pol5.html#anchor1

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同じページの、
日本共産党の「改革」の提案
という項より、関連記述は以下↓

やはり「アメリカ経済あっての日本経済」という神話から抜け出さなければいけないと思います。この点では、自民・公明の政治に日本経済を担う資格はないということを強調したいと思います。アメリカ追随の金融政策、通貨政策、貿易政策から脱却することは、21世紀の日本経済の民主的再建にとって、きわめて重要な課題だと考えます。

http://www3.ocn.ne.jp/~jcp-kc/pages/pol5.html#anchor1

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