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思想としての多神教的天皇論は、国民主権を支える文化論だと考えています。
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投稿者 張良 日時 2006 年 1 月 27 日 12:56:25: YeLj0JQdWAK.A
 

(回答先: それは単なる回帰志向の、しかも逆立した発想ではないでしょうか。 投稿者 如往 日時 2006 年 1 月 26 日 22:08:56)

如往さん、こんにちわ。「どうも【天皇】の二文字が如往さんの何かを刺激してしまうのか、誤解が解けないようですね。」と再度繰り返さざるを得ません。


“………上からの号令に関し【天皇】がその隠されたキー・ワードであることは、戦前では北一輝の思想や皇道派の想い、戦後では小室直樹等に代表される思潮を一瞥すれば明らかです。それへの言及を張良さんが意識的に迂回されているとしたら、それは如何なる理由なのか、疑念が尽きることがありません。………”

迂回も何も、そうした思潮に関心が無いからです。所謂天皇主義者が戦後、亡霊の如く立ち現われるのは、其の背後にUSの支援があると見ています。占領期、戦前の非国民たる共産党を擁護したのもUSなら、戦争協力者の右翼を養って反共主義の行動隊としたのもUSです。左右の対立を演出しつつ、自らの必要とする事柄を着実に推し進めてきたのがUSの狡猾なところです。

戦後左翼の運動において、共産党の果たした役割の犯罪性はもっと強調されて良いと思います。労働運動の主流が共産党の影響を離れ、社会党総評ブロックとして拡大していったのは幸いでもあり、当然でもあります。

戦後の政治史において、USによる直接のコントロールを受けなかった勢力は、おそらく社会党総評ブロックのみでしょう。土台、寄せ集めの勢力でしたからコントロールの仕様も無かったのです。その代わり、自社の馴れ合いと取引がありました。しかし、それは構わないのです。真の権力者たるUSに対抗する上での知恵だったからです。

お気付きと思いますが、二重権力論は、55年体制と呼ばれた戦後政治の枠組みに倣ったものです。社会党総評ブロックに代わるものとしての市民運動ブロックを構築しようとするものです。簡単に言えば、かつての労働者達がプチブル化してしまったので、労働運動から市民運動に切り替えようということです。


“………その対案が「我々が天皇になること」に集約されるとしたら、プロセス論を全く無視した唐突な帰結だと謂わざるを得ません。………”

もちろん唐突です。プロセス論を無視しています。何故なら、天皇云々は政治論ではないからです。憲法上、天皇は象徴でしかありません。国事行為は全て、内閣の助言と承認によります。主権が国民に在ることも明記されています。思想としての多神教的天皇論は、国民主権を支える文化論だと考えています。


“………張良さんの初期のスレッドを拝読しながら、日本におけるベーシックインカム制の導入のための要件を模索していくと、究極的には上からの号令が必須になるのではないかとの想いに至ります。………”

そんな事はないでしょう。もちろん、単なる政策論として導入可能だとは思っていません。ベーシックインカムの必要性を認めざるを得ない経済状況が前提とならざるを得ないでしょう。近頃巷に反乱する近未来予想たる日本破産状況です。取り沙汰される内容の正誤は別にして、それに近い状況は充分起こり得る事だと思います。


“………市民による妥当な要求や穏健な働きかけだけでそうした施策を現国家から引き出せるだろうと真顔で張良さんが考えているとしたら、多くの犠牲を払いながらも数々の福祉政策を勝ち取ってきた労働者の運動史を知らないことによる、おそらく錯誤に近いものと謂えるでしょう。………”

労働者の運動史を知っていると言える立場でない事は認めます。ただ、「穏健な」というのは、「革命」への修飾語として用いている積りです。権力奪取を直接に目指すことがないという意味で「穏健」なのです。其の運動形態が穏健な段階に止まるという意味ではありません。

では、何故権力を目指さないのか。USの巨大な軍事力に対抗する術が無いからです。また、権力を手にしたとしてもグローバル化の時代に出来る事は限られています。権力維持の為に知恵やエネルギーを注ぎ込むより、社会の実質的変化を作り出す事の方が大切です。政治権力はそのための条件整備に役立てば良いと思っています。

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