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(回答先: 共産党の大会議案に一言 投稿者 有島実篤 日時 2005 年 12 月 19 日 13:32:02)
下のレスにも書きましたが、それは、ベトナム共産党政府との関係を強化することです。
貴兄もご存知とは思いますが、民主党の前原代表が中国の軍事的脅威に関する発言を行った事に対して、中国政府は「外国に軍隊を出した事は無い」と反論していました。
しかし実際には1979年にカンボジア―ベトナム間で紛争が起きた時に、中国はカンボジア救援の為「魏を囲んで趙を救う」の戦略でベトナムに侵攻しています。
アセアン諸国にとって中国の軍事的脅威は現実の問題なのです。
また軍隊はともかく、中国製の安価な商品が大量に流れ込んでおり、せっかく育てた自国の産業を中国の経済攻勢から如何にして守るか、経済の面で中国の支配を受けない為にはどうすれば良いか、各国は対策に頭を痛めています。
そこでアセアンは日本を引っ張り込む事で中国とお互いを牽制させ、バランスを取ろうとしました。それが表面に現れたのが先日の「アセアン+3」会議でした。
この傾向は、これから先十年ほど続くでしょう。当然、日本政府はアセアン諸国と出来るだけ多くの外交チャンネルを確保したいと考えているはずです。
そこで、日本共産党がベトナム共産党のパイプ、窓口になるのです。
自民党の使い走りになるのではありませんよ。これを間違えないで下さい。
あくまで日本共産党は独自の立場で、共産主義の理念を掲げながら、大国の干渉を退け、アセアンひいてはアジアの平和・安定・発展の為に行動するのです。
東シナ海の一角に位置する軍事的要衝であり、経済成長を誇るベトナム政府を指導する共産党と提携する日本共産党は、日本政府や自民党にとって無視出来ない存在になるでしょう。
ベトナム共産党との関係を強化するもう一つのポイントは、沖縄問題です。
かつて琉球王国の姫君がベトナムの王室にお嫁入りした事もあるほど、沖縄とベトナムとは海上交易を通じて経済的・文化的・歴史的に親密な関係を保っていました。
また沖縄は日本の南の玄関であり、アセアン諸国や台湾等との海上交易路を結ぶ中継地として昔も今も重要な位置にあります。。
しかし日本政府も国民も沖縄に対して余りにも無関心過ぎる。大変残念なことですし、日本政府がアセアンとの関係を強化したいのなら、その中継点である沖縄の重要性を理解し、その地位をもっと引き上げるべきなのです。
ただアメリカ軍基地に反対しているだけでは何の解決にもならない。しかし、ベトナムとの関係を強化することは沖縄の地位向上にも繋がります。
その橋渡し役に日本共産党がなるべきではないでしょうか。
かつての日本共産党・社会党の基本方針は、米ソ対立と言う冷戦構造の中で立てられたものでした。
しかし現在、ソ連崩壊、中国の台頭、EUや東アジア共同体の構築、と21世紀になって国際社会の構造は大きく変化しているのに、日本の共産党も社民党も冷戦構造時代の方針を引きずったままで21世紀のビジョンを描けないでいる。
もっと言えば、日本共産党は昔のソ連があった「北」の方向ばかり見ているのです。
しかし、今の日本政府は、太平洋からアセアン諸国を経由してインド洋を通過し、石油資源のある中東地域や鉱物資源の宝庫であるアフリカ大陸までの、南半球での経済・安全保障圏を確保する為の行動に出ています。
日本共産党が21世紀を生き延びたいなら、「北」ではなく「南」を目指すべきでしょう。