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あなたの「同根論」なら、古典派とマルクスも同根であり、新古典派もマルクスと同根です。
http://www.asyura2.com/0510/dispute22/msg/253.html
投稿者 あっしら 日時 2005 年 10 月 28 日 02:40:56: Mo7ApAlflbQ6s
 

(回答先: マルクスとケインズが同根とする認識は、現代経済学では常識的な見解です。 投稿者 ODA ウォッチャーズ 日時 2005 年 10 月 27 日 21:49:01)


あなたの同根論なら、古典派とマルクスも同根になり、新古典派もマルクスと同根になります。
(念のため、マルクスの労働価値説が古典派に由来するものであることからも、それを否定しているわけではありません。あなたが、ことさらケインズとマルクスの同根論を持ち出し、古典派や新古典派はそれらの外にあるように言っているが故の揶揄です)

>マルクスとケインズが同根とする認識は、現代経済学では常識的な見解です。当然、
>ODA ウォッチャーズも、同じ認識を持っています。

ただでさえ誤りだらけの現代経済学の常識的な見解が「マルクスとケインズが同根」というのものなら悲劇を通り越して喜劇です。
(マルクスとケインズの考え方がともに、政治的“左派”に好まれているという意味でなら否定はしませんが..)


ケインズが、マルクス資本論とリカードやピグーらの古典派理論のどちらを継承しているかと言えば、間違いなく古典派理論になります。

ケインズと古典派は、ともに市場経済であることを前提にその変動論理を解明しようとしたものです。
古典派とケインズの違いは、価格(金利)を中心とする市場の変動が経済社会の自律的及び持続的な成長(回復)をもたらすかどうかについての見解の差でしかありません。

古典派もケインズも、マルクスとは違って、剰余価値説は採らず、資本制経済の変動論理そのものが資本制経済の崩壊をもたらすという見解も持っていません。
(マルクス資本論の“崩壊論”は剰余価値説がコアになっているので、それを認めなければ、資本論全体は否定すべき対象になります)


古典派は、経済主体の判断と行動に委ねれば、景気に波動はあっても経済社会(国民経済)全体はうまく動いていくという考えが基本ですから、経済社会への介入はしないほうがいい国家(政府部門)の経済政策が研究テーマになることもありません。
ケインズは、市場の変動だけでは景気が自律的に回復しないと判断するなかで理論を提示したのですから、考察対象のメインは経済主体ではなくその関係的総和である国民経済に向けられ、“外部”から持ち込まれる需要の増加が供給活動にどのような変化をもたらすかを説明しています。

そのような同根性と差異性だからこそ、経済主体の変動論理を説明するミクロ経済学は古典派に依拠し、国民経済の変動論理を説明するマクロ経済学はケインズ(ヒックス)理論に依拠することで「近代経済学」の骨格が出来上がっているのです。


>ケインズ理論は、マルクスの経済学批判体系全体の中ではこの不均衡論を扱う理論、
>とりわけて不況局面を扱う理論だとみなすことができる。


「用語解説:ケインズの経済理論」からの引用をもって、「マルクスとケインズが同根とする認識は、現代経済学では常識的な見解」の“傍証”とされているのに笑ってしまいます。

同じ事象を考察の対象にしているからと言って同根だと認識する(主張する)のなら、価格・需要・供給・利潤などはあらゆる経済学に共通するものですから、すべてが同根と認識しなければなりません。


反資本制経済の立場で資本制経済の終焉を“予言”したマルクスは、不況局面を打開する論を提示したわけではありません。
彼の“不均衡論”の究極は、資本に占める不変資本の比率が高まっていくなかで利潤率が逓減していくことにあります。
(マルクスは、不況から恐慌へという過程を通じて頻発する倒産が不変資本(機械設備など)の比率を高める契機となると考えている)


マルクスは、可変資本である労働力の価値(労賃)と生産された財の労働価値(とりあえず付加価値をイメージしてください)の差(不払い労働)を利潤の源泉と考えていますから、機械化が進み投下される資本の多くが不変資本(利潤を生まない)になり可変資本(利潤を生む)が小さくなれば、使用資本に対する利潤率が下がっていくと説いています。

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