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弥生は銅鐸の時代【臼田篤伸の弥生時代論】(下)
http://www.asyura2.com/0510/bd42/msg/577.html
投稿者 姫子音 日時 2006 年 1 月 04 日 11:31:22: ufZh96zaorBXw
 

(回答先: 弥生は銅鐸の時代【臼田篤伸の弥生時代論】(上)改訂版 投稿者 姫子音 日時 2006 年 1 月 04 日 11:18:41)

『弥生は銅鐸の時代』 より抜粋引用



(4) 多数出土地は製造地

☆製造地近辺を示す数々の事実


加茂岩倉遺跡付近
(前方斜面中腹)

 24個出土した滋賀県野洲町の大岩山遺跡と39個出土の加茂岩倉遺跡では、 入れ子という大小あるいは大中小という銅鐸の重ね入れが多く見られていること、 それと形と文様が明確なものがほとんどであること、 出土環境が類似していることが特徴である。 つまり、1〜2個といった通常の場合のように集落に面した側に近い山腹などに多く出るのとは違って、 山道を少し入った、やや奥まったところから出ている。 加茂岩倉を前方に見て坂道を登りながら撮影したのが右の写真である。

 道の片側に水田が拓かれてはいるが、平地に広々と拓かれたものではなく、 後々の時代に、山地の開墾によって造営された棚田で、立地条件の悪い水田である。 今日でさえ集落からは相当に離れた山中である(下図)。


加茂岩倉付近鳥瞰図

 それと花崗岩質の砂地が主体で両地とも赤松林である。 山の斜面に対して格納場所の底面が水平になるような窪地あるいは横穴のようなものを掘って、 水や土砂が流れ込まないような工夫をし、底面に木材や竹、熊笹あるいは稲藁などを敷き詰め囲いを作り、 その上に銅鐸を入れ子などにして並べ置いたと推定される。 簡単な覆い屋根も設けたと思われる。 「埋納」論の根拠とされる縞状の土層や銅鐸周囲の土質変化は、 自然地層のできるプロセスや銅イオンによる土質変化を埋土と錯覚したことによる。



(5) 埋めた証拠は何も無かった

☆「埋納」論が考古学を狂わせている→他の考古遺物とどこが違う?


埴輪の出土状況

 山の中腹から数多く出土している銅鐸だが、人為的に埋めたという証拠が実は何も出てこない。 この貴重な青銅器を埋納したにも関わらず遺構らしきものが全く見当らないからだ。 「埋納」当初はそれなりの囲いや覆いといったものがあった可能性はあるが、そんなものは10年もすれば朽ち果ててしまう。 しっかりした柱の跡やそれを支えるための礎石の類は全く検出されていない。

 上図の古墳墳丘表面の埴輪埋没の例から推定すると、銅鐸「埋納」の姿とは実に根拠の怪しいものと言わざるを得ない。 「埋納」ではなく必要に応じて使用するための「隠匿」あるいは「設置」の色彩が濃厚なのである。 下図に2000年の歳月の流れによる埋没をシェーマで示した。@では木や草を利用した簡単な覆い屋根のあった可能性がある。


銅鐸の設置経年図(イメージ)




(6) 「埋納」論から生まれた珍説

☆根拠のない銅鐸礼拝図


銅鐸に祈りを捧げる人々

 銅鐸の資料館等へ行くと必ず展示されている一つの絵が右図に示すような、 机の上に置かれた銅鐸を前に人々が膝まづいて祈りを捧げる場面である。 それが済むと、その銅鐸を木枠や稲藁に丁重に包んで人々が行列し、 山の斜面に埋めに行くというものだ。 このような主観的銅鐸論が専門家から一方的に広められている状況を残念に思う。

 世の中にはいろんなことを考える人がいるものだとつくづく考えさせられる。 主な珍説を拾うと次のようなものがある。

△銅鐸ご神体説
銅鐸の下方に開放した穴(空洞)を神=大国主命(もとは大穴持命)のご神体と考えた。

△祖霊祭器説
銅鐸を神山の方に向けて埋め、その大穴に神山に宿る祖先の霊魂を呼び込んで祭ったのだという。

△タイムカプセル説
現代人が未来人のためにタイムカプセルを遺そうとしているように、銅鐸の文様は彼等の史書であり、 生活記録であり、タイムカプセルだったのではないかという。

△銅鐸インゴット説
銅鐸は銅剣を作るためのインゴットという。 弥生時代の銅剣の品質管理法は破壊試験法しかなかった。 銅剣を曲げたり叩いたりして強度を調べる方法を避けるために中間製造物として銅鐸を作り、 その音の周波数を耳で感知して青銅成分の妥当性を判断したというのだ。 物事をシンプルに捉えることの大切さを度忘れすると、こういう珍説となる。 銅剣を鋳造するより遥かに高難度の銅鐸を、しかも大小様々、 複雑な文様のものをインゴットとして作るとの主客転倒の論理を受け入れろと言われても、 無理な注文ではないか。原材料の一部から銅剣一本をサンプルとして作って製品テストをすればよい話だ。

△彼岸の中日測定器説
前後左右の4つの身の双孔からのぞいて夏至・冬至に合わせて銅鐸を固定しておけば、彼岸の中日が自動的に測定できる原理だという。 この青銅器鋳造の高度なノウハウの孔をのぞき穴にされてはたまらない。

△湯沸器説
湯を沸かすためなら簡単な方法がたくさんある。 超難度のテクニックが効率の悪い湯沸器に転用された理由が示されていない。

この他に、銅鐸は第五世代のコンピュータ説などがある。


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