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(回答先: 村主章枝、すべての壁を乗り越えて 【梅田香子 】 投稿者 愚民党 日時 2006 年 2 月 24 日 08:42:11)
苦難を乗り越え、金メダル
フィギュア女子シングル 日本人初の金メダルの快挙を成し遂げた荒川(中央)。2位はコーエン(左)、3位はスルツカヤ【(C)Getty Images/AFLO】
荒川静香(プリンスホテル)の胸で輝きを放つ金メダル。2004年に世界王者に輝いた後、一度は引退を考えた。新採点法に悩まされた。だが、荒川はスケートを「楽しむ」と心に誓って苦難を乗り越えた。荒川の言葉を振り返る。
「クール・ビューティー」
2004年、荒川はミシェル・クワン(米国)やサーシャ・コーエン(米国)らを破って世界王者に輝いた。フリープログラム(FP)では、今回のトリノ五輪でも使用した「トゥーランドット」で、3回転−3回転−2回転の連続ジャンプを披露。166センチの長身を生かしたダイナミックなジャンプと高難度の技をいとも簡単に繰り出す姿から、海外メディアからは「クール・ビューティー」と称された。
「ほとんど失敗をしない練習をして、試合に入れたので、演技直前は変な緊張や不安もなかったですし、『楽しみ』という気持ちの方が大きかったです。あんなに気持ちよく入れる試合ってめったにないので、滑りながら自分でも感動していましたね」(04年5月)
世界選手権後の引退を決意していた。このシーズンが始まる前から決めていたことだった。だが、世界チャンピオンになったことでトリノ五輪へに向けての期待は、いやが応でも高まる。引退か、現役続行か、自問自答を繰り返して05年シーズンを迎えた。
「(04年の)世界選手権は、そのシーズンに入る前から引退を決めていて、それで気持ちよく滑れて、いい結果につながりました。日本に帰国したら『トリノに向けて』と自分の気持ちと違う言葉が聞こえるようになって、どうしようかと悩みながら進んでしまいました」(06年2月19日)
決意、そして苦悩
05年のシーズンは惨敗だった。ディフェンディングチャンピオンとして迎えた世界選手権も9位に終わった。だが荒川は、このシーズンの途中でトリノ五輪に向かう決心を固める。そして迎えた今シーズン。荒川を苦しめたものは? 日本での開幕戦となった「ジャパン・インターナショナル・チャレンジ」で本音を口にした。
「新採点法は、一つ一つエレメンツをきっちりこなさなきゃいけないことを意識させてくれるんですが、あまりにこだわり過ぎて、曲を感じられないまま、というところがある。私的には難しいです。曲を聞いて感じたとおりに動ければいい。音楽を聞き込んで、カウントをしなくても、スパイラルやスピンが出るようにしたい」(05年10月1日)
五輪の日本代表選考の対象となるグランプリ(GP)シリーズでは、結果が出せずにランキング8位。GPファイナルの出場を逃した。中野由香里(早大)の急成長もあり、3人の代表枠争いは混とんとしていた。最終選考会となる全日本選手権直前に、荒川はロシア人コーチのタチアナ・タラソワとの師弟関係を解消する。新採点法の考え方の違いだった。国内では佐藤久美子コーチの指導を受けることにした荒川は、全日本選手権のショートプログラムで伸び伸びと演技する。
「今シーズンはミスが続きましたが、今回はノーミスで良かったです。今までと違うところは練習のときから楽しく滑ることができているところです。(佐藤)久美子先生のおかげです。落ち着かせて、勢いよく送り出してくれました」(05年12月24日)
しなやかにダイナミックに
全日本選手権は3位となり、代表には選出された。だが、FPの演技には課題が残った。やはり、新採点法を意識するあまりの失敗だった。
プログラムの途中でパニックになって、フライングスピンを入れたか、分からなくなってしまいました。(構成が足りないと思って)試合でやったことのないスピンもやりました(05年12月25日)
失敗を受け、FPの曲を「トゥーランドット」に変更した。これに伴いSPは、今季FPで使用していた「幻想即興曲」に。五輪直前の危険な賭けに見えたが……。
ショートはプログラム自体は(フリーをうまく転用して)変わっていないので。フリー(の「トゥーランドット」)は、音楽自体が好きで滑っているのでほとんど問題ありません。変えて良かったなと思います(06年2月19日)
この言葉どおりに、2月21日のSPでは伸びやかにダイナミックな演技ができた。得点は自己ベストの66.02点。3回転−3回転を狙った最初の連続ジャンプの1回目で、バランスを崩したことが分かった荒川は、「ダブルに切り替えよう」と空中で方針転換するなど、落ち着きも目立った。
「ここまでパーソナルベストを更新できずに来ていたので、更新することができて、ホッとしたのとビックリした。そこまで基礎力が上がったのかな、とうれしかった。フリーは余計なことを考えずに、本来の力を出せるように」(06年2月21日)
迎えた決戦の日。メダルを目前にしたプレッシャーに押しつぶされることもなく、荒川はスケートを楽しんだ。構成に気をとられるあまりに動きがギクシャクするようなところはまったくない。体に染み付いた「トゥーランドット」をしなやかに、そしてダイナミックに踊った。会場中が荒川の世界に染まった。
「いまだに信じられません。まさかメダルが取れるとは思っていませんでした。今回のオリンピックは精いっぱい楽しめればいいと思っていたので、ただビックリです。パーソナルベストを2年ぶりに更新しましたし。一つミスがあったんですけど、今回楽しく滑ることができたので、それがすごく良かった。オリンピックの雰囲気を味わえればいいと思って入ってきて、結構冷静にショートプログラムから臨むことができました。自分の演技ができればいいと、それだけ思っていました。まだ信じられなくて、日が経つにつれて実感が出てくると思います」(06年2月23日)
<了>
(スポーツナビ 向吉三郎)
http://torino.yahoo.co.jp/voice/column/at00008092.html
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