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(回答先: 米ハリケーン:ブッシュ政権、苦境に イラク、ガソリン 批判に追い打ち─「毎日新聞」 投稿者 天木ファン 日時 2005 年 9 月 03 日 22:03:35)
首まで海水、5時間耐えた…「ツナミ」の恐怖語る住民
【ビロクシー(米ミシシッピ州)=白川義和】水上カジノが建物ごと浜辺に打ち上げられ、美しい海に面したホテルや家々は暴風と高潮で跡形もなくなった――。
2日、超大型ハリケーン「カトリーナ」が直撃した米ミシシッピ州ビロクシーに入った。今回のハリケーンで最悪の被害を受けた町の一つ。電気も水も断たれた人々は、ハリケーンによる高潮を「ツナミ」と呼びながら、恐怖の瞬間を語り、一刻も早い救援を求めていた。
「あっという間に家の中に海水が入ってきて、首まで達した。死ぬかと思いながら5時間じっと耐えた」
海岸から約300メートルの平屋建てに住むウォレス・ジョンソンさん(55)は、いまだに信じられないといった表情だった。
8月29日朝。カトリーナの進路が当初の予報から変わり、ビロクシーに向かって直進すると知った時はもう遅かった。車がなく、なすすべもなく家に閉じこもっているうちに、濁った水が周辺に満ち始めた。
「命が残ったのは幸い」だったが、家財道具一切が流された。海岸に保管してある水上スキーの道具を監視する仕事も、自動的に失われた。「最後の給料もまだもらっていない。親類の支援だけが頼りだ」
海岸に面して立つ2階建てアパートの管理人、エレン・ローゼンさん(56)はベッドのシーツで夫と体を結びあい、台所の片隅に座り込んで嵐が過ぎるのをじっと待った。
耳をふさぎたくなるほどの暴風と雨音。屋根が破れて吹き込んだ雨水で足首までつかった。窓ガラスの向こうに高さ3メートルの「ツナミ」が押し寄せるのが見えた。海水が目の前で「ゴーゴー」と打ち寄せては押し戻す。「避難すればよかった」と後悔しているうちに、数時間後に水は引いていった。
ビロクシーは人口5万5000人。カジノと基地の街だ。ブッシュ大統領もこの日、視察に訪れた。
「海岸沿いの20マイル(約30キロ)に13軒ある」(ジョンソンさん)というカジノはほぼ壊滅。舟形の水上カジノが打ち上げられた海岸沿いの道路は、地震にあったかのように所々陥没していた。水浸しになった家々からは、すえたにおいが立ちこめる。
州からは水の支給があっただけで、ジョンソンさんは買いためていた缶詰で何とかしのいでいる。ガソリンや食料を買うには10キロ以上離れた隣町に行くしかない。
「私たちには支援が必要だ」。ローゼンさんはニューオーリンズにばかり関心が集まる状況にいらだつように語った。ビロクシーの人々はインド洋大津波と今回の事態を重ね合わせている。ローゼンさんは記者の目をのぞきこみながら、真剣な表情でこう尋ねた。
「アジアの国々は、私たちを助けてくれるでしょうか」
(読売新聞) - 9月3日14時1分更新