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(回答先: 炭疽菌研究の人体実験と731部隊そして米軍 投稿者 匿名取締役 日時 2005 年 7 月 25 日 12:04:45)
http://www31.ocn.ne.jp/~hinode_kogei/antigo_lie.html
南京事件と対比して持ち出されることの多い「通州事件」について
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小林よしのり『戦争論・第10章 他国の軍との残虐度を比較する』より
「渡部昇一氏の本に 支那との戦争の原因になった 「通州事件」について 朝日新聞法廷記者団の 東京裁判での証言が 載っている」
「守備隊の東門を出ると 数間ごとに居留民男女の 死体が横たわっていた。 某飲食店では ことごとく首と両手を 切断され、婦人は十四,五歳 以上は全部 強姦されていた。」
(中略)
「結局 自分たちが やっていた残虐行為を 日本軍に押しつけて 語っていたのだ!」
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ちょっと文章がおかしいので補足する。上記証言とは朝日新聞東京裁判記者団による「東京裁判」という本に所収されている証言のことである。読み方によっては朝日新聞の記者が証言したようにも読めるので注意(どうも小林は東京裁判で朝日新聞の記者が証言したように思ってたような気がする)。
この通州事件なのだが、通州というのは当時日本の傀儡政権である冀東防共自治政府の支配下にあったところだ。すなわち、日本軍の支配下にあった土地である。日本軍はここをアヘン・麻薬密売の拠点とし、中国に害毒を垂れ流していたため、中国民衆の恨みを買っていたのであった。
そもそもの事件の発端は、日中戦争の発端となった盧溝橋事件に関連して、自治政府保安隊の兵舎を日本軍が誤爆したことに始まる。以前よりナショナリズムの高揚に伴い、抗日決起の呼びかけが保安隊に対してなされていたこともあり、前記の鬱憤が、日本軍による誤爆をきっかけとして一気に爆発した結果、288人の日本人居留民が惨殺されたという(ただし多くは日本人に随行してきた朝鮮人だったともいう)。つまり、日本側に全く非がなかったわけではないのだ。
だが、この事件は当時の政府により、日本国民の中国に対する敵愾心を煽るために利用され、そのためか未だに南京大虐殺と対比しようとする人がいるのだから始末に負えない。頭の中が戦時中で止まったままなんだろうな。
通州事件が中国との戦争の原因になったという話は全くの荒唐無稽である。むしろ日本は事件を利用して中国出兵を正当化しようとしたのであり、実際1937年7月7日に起きた廬溝橋事件の後、7月29日に通州事件は起きている。その間、7月25日には朗坊で日中両軍の衝突が起こり、7月27日には3個師団の動員、ならびに、支那駐屯軍による北京・天津方面への中国軍に対する攻撃が起こっている。
知らない人は引っ掛かりやすいのだけど、通州はあくまでも日本の傀儡政権である冀東防共自治政府の支配下で起きた事件であり、日中戦争の相手である、中国国民党政府との戦争理由にはなるはずもない。
どこをどう押せば通州事件が戦争の原因になったなどという話が導き出されるのか、馬鹿馬鹿しい限りである。ちょっと年表を見ればわかりそうなものなんだけど。