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(回答先: ロンドンのテロ、東京なら乗客3倍「ぞっとする」 【朝日新聞】 投稿者 愚民党 日時 2005 年 7 月 09 日 06:53:46)
テロ、冷静保つ市場 9・11経験も下支え、拡大なら変調懸念
7日のニューヨーク商業取引所の原油市場では、ロンドンでのテロを受け、原油の先物価格が乱高下した=AP
ダウ平均株価の推移
ロンドンでの同時爆破テロに対し、ニューヨーク、東京などの各市場は落ち着いた動きを見せた。ロンドンの金融市場や生産設備への打撃は小さく、より大きな被害を受けた米国の9・11テロの際も世界経済は早期に立ち直った経験があるためとみられる。ただ、今後もテロ拡大の不安は消えず、微妙なバランスの上にある世界経済を変調させる可能性も否定できない。
7日のニューヨーク市場は朝方、株安、ドル安に振れたが、反転。株価は結局前日より値上がりし、ドルも下げ渋った。
8日の東京株式市場は小幅に値下がりしたが、ロンドンのテロはほとんど材料にならなかった。東京外国為替市場でも円がドルに対して売られる展開。世界経済への影響は軽微との見方から、事件から一夜明けた同日のロンドン、パリなど欧州各市場は軒並み前日を上回る取引になっている。
01年9月の米国での同時多発テロ事件の際は、世界貿易センタービルの倒壊など米経済の中枢が大打撃を受け、ニューヨーク証券取引所が閉鎖。再開後もダウ工業株平均は5日間下げ続けた。日米欧の金融当局は、協調して金融緩和に踏み切って支えたが、しばらくは不透明感が残った。
●小さい経済規模
今回のテロ直後、欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は、イングランド銀行のキング総裁、米連邦準備制度理事会(FRB)のグリーンスパン議長らと電話で協議。状況を点検した結果、「現時点で行動が求められるような情報はない」として市場への資金供給は不要と判断。スノー米財務長官も「米財務省は世界の市場を点検している」と述べる一方、異変は起きていないとの見方も示した。
市場関係者の間では、世界的な金融街シティーが直接被害を受けなかったことや、米国に比べ英国の経済規模が小さいことなどが冷静さの要因として挙げられている。
背景となる経済状況も9・11の時とは違う。当時の米国は10年間続いた景気拡大が01年3月に山を越え、後退期だった。現在は今年1〜3月期まで8四半期連続で年率3%を上回る成長を維持。「経済の基礎的条件が最終的にはテロの恐怖の影を薄くする」(プルデンシャル・ファイナンシャルのエド・キオン主任投資ストラテジスト)というわけだ。
「9・11テロでさえも、経済への影響は一時的だった」(UFJ総合研究所・鈴木明彦主席研究員)ことも、市場を落ち着かせている。
●消費冷える恐れ
とはいえ、国内の輸出産業やエネルギー業界などからは、今後の世界経済への影響を懸念する声も出始めている。英国は生産拠点としての比重は低いが、消費活動への悪影響は気がかりだ。米同時多発テロの際は、商店街が閑散となり、売り上げが減った。ソニーは「英国の消費動向はもう少し判断に時間がかかる」と慎重に見極める考えだ。
自動車業界では、「消費者心理にはマイナスにはたらき、高額な自動車を買う気にならなくなる」(大手幹部)と心配する声もある。欧州市場は世界戦略上これから力を入れようとしている地域だ。
原油高騰が続く石油業界では、中東情勢の流動化が心配の種だ。出光興産の須田善一海外部長は「国際指標の米国産WTI原油はすでに60ドル台が定着する方向。イラク情勢の緊迫化で地政学的リスクが再び高まれば、原油高をさらに押し上げかねない」と懸念する。
9・11後、いったん回復した世界経済も、米国の対イラク戦争の動きが強まるにつれ、「地政学的リスク」に揺さぶられ、米国の株価が低迷した時期もあった。
最も懸念されるのは、テロが続き、地域的にも拡大した場合だ。テロ警戒のためにヒトや物の流れに制約が加われば、経済活動の足かせになる。
テロの矛先が再度米国に向くことへの懸念も強い。「双子の赤字を抱える米国への資金流入が止まれば、株価、金利、為替とも混乱し、世界経済にも打撃になりかねない」(ニッセイ基礎研究所・櫨浩一チーフエコノミスト)との見方だ。
http://www.asahi.com/paper/business.html