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(回答先: 両陛下、遺族や元日本兵の体験談聞く サイパン島 投稿者 ワヤクチャ 日時 2005 年 6 月 27 日 21:55:21)
■ 天皇・皇后のサイパン訪問
天皇・皇后がサイパンを訪れたことが大々的に報じられています。
この訪問は、4月26日の、次の「閣議決定」によるものでした。
「戦後60年に当たり,戦争により亡くなられた人々を慰霊し,平和を祈念するため,天皇皇后両陛下に,アメリカ合衆国自治領北マリアナ諸島サイパン島を御訪問願うことといたしたい。」
しかし、この頃「サイパン島をご訪問」願わなければならない理由も経緯も見当たりません。
6月27〜28日という日程は何の記念日でもありませんし、先方から招待があった訳でもありません。招待もない状態で「慰霊」だけのための海外訪問というのは極めて異例なことです。
この、余りにも唐突で不自然な「閣議決定」は、一体どういう意味を持つものなのでしょうか。
■ 「閣議決定」があった今年4月
この「閣議決定」がなされた頃、どんなことがあったか考えてみたいと思います。
まず、小泉首相の靖国参拝などをめぐって、中国など近隣諸国との関係が悪化し、各地でデモが起こっていたのが、この時期でした。
日中首脳会談も行なわれましたが、関係修復には程遠い有り様でした。
今や中国を抜きにして日本経済は語れないほど密接な関わりを持つ「経済界」からも、小泉首相に対して批判が出始めていました。
加えて、与党内は郵政問題で混乱し、当初は3月までには国会に提出するはずだった「郵政民営化関連法案」が、この時点ではまだ提出されていません。
自民党内の反対派からは、「小泉−竹中ライン」への反発が相次いでいました。
これまで小泉首相は、いわゆる「サプライズ外交」で内政の行き詰まりをごまかしてきましたが、この4月は外交・内政の両面で行き詰まっていた時期と言えるでしょう。
■ 「皇室カード」という「切り札」
その状況にあって小泉内閣が、「切り札」として使ったのが、今回の「皇室カード」です。
私は、彼らの思惑について、次のように見ています。
「靖国参拝を行なえば近隣諸国から反発を買う。
しかし参拝をやめれば、党内タカ派や、東京都知事の石原氏からも突き上げをくらう。
郵政問題で自民党内がバラバラなのは広く知られているが
もし東京都議選で大敗すれば、総裁の責任問題にも発展する。
ここは
@皇室を利用することによって『慰霊』のイメージを上げ、国内の靖国参拝批判をかわすため
A自民党内での小泉首相の孤立を防ぐため
B総裁の責任を問われないよう、東京都議選で面目を保つため
都議選の序盤戦に天皇を、どこかへ『慰霊』に行かせることにしよう」
天皇は、「内閣の助言と承認」によって行動します。
こうして「天皇皇后両陛下に,…サイパン島を御訪問願うことといたしたい」という、唐突な「助言」の閣議決定があり、昨日27日からの「訪問」があるのです。
■ 当たった「思惑」
メディアの報道を見る限りでは、小泉内閣の「思惑」は今のところ当たっているようです。
天皇・皇后への現地の歓迎ムードを伝え、「バンザイクリフ」の映像を流し、旧日本兵やご遺族の方々との対面を報じ、長閑な南国の風景を映し出しています。
そして靖国参拝の話は、影を潜めています。
一見、メディアは誰もこの「思惑」に気付いていないかのようです。
もちろん気付いている人々もいるのでしょうが、メディアは語りません。天皇・皇后が絡めば、メディアは「自主規制」によって沈黙するしかないのです。
当然この「自主規制」も、小泉首相等の想定の範囲内でしょう。
しかしメディアが口を閉ざしても、騙される国民ばかりではありません。
小泉首相が「天皇・皇后」、そして「戦没者の御霊」さえも「政治利用」したということを、強い批判を込めて書き記しておきたいと思います。
日本政府が行うべきは、このような小細工で「慰霊」を取り繕
うことではなく、もう二度と「慰霊」の対象となる「戦没者」
を出さないことにあるはずです。
戦後「わずか」60年、何としても平和憲法を守り抜き、1年ずつ「平和」を積み重ねて行かなければならないと思います。
http://01.members.goo.ne.jp/www/goo/g/o/goo-needs/diary.html