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Re:松橋忠光元警視監からきいた「秘密」
http://www.asyura2.com/0505/senkyo14/msg/1164.html
投稿者 World Watcher 日時 2005 年 9 月 26 日 02:08:32: DdDUJ9jrxQIPs
 

(回答先: Re: 天下の悪法「共謀罪」とは何だ 記事の追加訂正です 投稿者 World Watcher 日時 2005 年 9 月 26 日 02:06:10)

1984年、『わが罪はつねにわが前にあり』(松橋忠光著・オリジン出版センター刊)が出版されると、警察庁は大騒ぎとなった。そこには、警察組織が秘匿し続けてきた裏ガネづくりが暴露されていたからだ。

 松橋氏は1948年に警察庁入りしたキャリア。福岡県警察本部警備部長、内閣調査室(当時・現在、内閣情報調査室)勤務などを経て、1975年12月31日、退官。最後は「警視監」という「警視総監」に次ぐ階級であった。

 ちなみに、警察組織では、「警察庁長官」がトップだが、これは階級制度から除かれている。階級でいえば、上から「警視総監」(警視庁=東京都警察本部の長)「警視監」「警視長」「警視正」「警視」「警部」「警部補」「巡査部長」「巡査」という順番になる。「巡査長」も階級ではなく、「勤務成績が優良であり、かつ、実務経験が豊富な巡査(中略)から選考して充てる」(巡査長に関する規則第4条)とされる。

 では、松橋氏はどのような暴露を行ったのであろうか。

 警察社会における不義の実態は簡単なことである。いわゆる「二重帳簿」方式の予算経理による裏ガネづくりが、中央からすべての都道府県にわたる全警察組織において行なわれていることである。そこでは最低限、公文書の偽造と印章の虚偽使用がなされ、外部には絶対に秘匿しなければならない秘密であることが大前提である。つくり出された裏ガネの使い方は、権限のある人々の人格と識見によって相違はあるであろうが、不正な金が正しい金に変わることはありえない。裏ガネが人の手に渡るたびに、秘密保持の網にまきこまれる人の数がふえてゆく。客観的に見るならば、裏ガネに関するかぎり、関与する個々の人間の人格いかんはもはや問題でなくなってしまうのである。

 国民の税金によってまかなわれている警察の本来の責務(個人の権利と自由を保障し、公共の安全と秩序を維持すること)の遂行というおもての行動と裏腹に、ぴったりと寄りそって、予算の不正経理とそれによって絞り出された金銭の恣意的な使用が行なわれていることが明るみに出た場合、主権者たる国民がどう反応するか考えられたことがあるだろうか。

 某県警察本部でノンキャリア警察官の最高ポストまでのぼりつめた人物がふり返る。

「松橋さんはウチの県警に赴任したことがありました。『わが罪はつねにわが前にあり』が出版されたとき、私は地方の警察署長をしていましたが、県警本部から『そちらの管内に松橋氏の元部下(OB)が住んでいる。松橋氏の人となりを署長が自らきいてきてほしい』と指示されました」

 キャリア警察官に対するノンキャリア警察官の「思い」(辞書には「うらみ」という意味も記載されている)は似かよっている。

「私が1人で元部下の自宅へ行くと、その人は『ほかの警察庁キャリアと同様、松橋さんも偉そうで好きになれなかった』と話していました」

 松橋氏の暴露は国会やマスコミでも取り上げられたが、警察庁は「独自の思い込みと妄想としか言いようがない」(1984年7月12日、参議院地方行政委員会における山田英雄警備局長〈後の警察庁長官〉の答弁)などと全面否定し、マスコミも追及しきれなかった。

 1998年12月、松橋氏は74歳で病没した。もう少し長生きしていれば、次々と「警察社会における不義の実態」が明らかとなり、「(私が)『一粒の麦』としての役割を果たし得たことになる」(『わが罪はつねにわが前にあり』の「はじめに」より)と実感できたのに、大変、残念である。なお、「はじめに」の直前のページには、聖書からの言葉が掲載されている。

 われはわが愆(とが)を知る、わが罪はつねにわが前にあり
 なんじの救(すくひ)のよろこびを我にかへし自由の霊(みたま)をあたへて我をたもちたまへ

 一粒の麦は、地に落ちて死ななければ、いつまでも一粒のままである。しかし、死ねば、多くの実を結ぶ。自分の命を愛する者はそれを失うが、この世で自分の命を顧みない人は、それを保って永遠の生命に至る。

 ところで、筆者は初めて『わが罪はつねにわが前にあり』を読んだときから、ずっと気になっていた記述がある。

 私は愛知県警備第一課長になって、第四係の活動を知り、あまりに“すばらしい工作ぶり”に感心するとともに、肌寒さを覚えた。

 秘密は人と場所と物件に関することである。いくら二十五、六年前の古い話でも、元警察官であった私は、工作活動そのものの具体的内容を書くつもりはない。

 ここで登場する「第四係」というのは、「サクラ」「チヨダ」などとも呼ばれ、戦後、警察組織が抱え続けてきた非公然かつ非合法部隊だ。

 筆者は生前の松橋氏に「秘密」の内容をきいたことがある。松橋氏は次のように話していた。

「ある地主がアパートをつくり、そこへ共産党幹部が入居するよう誘導します。ところが、その地主は警察のスパイで、共産党幹部が留守にしている間に、警察官が部屋から資料をごっそり持ち出します。たくさん手に入りすぎて、警察庁が『毎月、資料を送ってこないで、ちょっとため込んでおいてくれないか。そうでないと、愛知県警ばかり表彰しなければならない』と言ってきたぐらいです」

 2005年9月11日投開票の衆議院議員選挙で自民党が圧勝し、「共謀罪」の早期成立は間違いないと思われる。そうなれば、「共謀」を立証する手段として、「盗聴」や「スパイ」「おとり捜査」がますます拡大運用されていく。我々が「肌寒さを覚え」る日も近いのである。

http://incidents.cocolog-nifty.com/the_incidents/2005/09/post_07c0.html

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