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(回答先: カミソリ後藤田氏逝く ひっそり密葬─「スポニチ」 投稿者 天木ファン 日時 2005 年 9 月 22 日 10:02:38)
後藤田正晴さんが逝去 2005/09/21 『JANJAN』
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政界の最長老で「ご意見番」といわれてきた後藤田正晴氏が亡くなりました。8月初めに『JanJan』の企画で「戦後60年を語る」というインタビューをお願いし、こちらの質問に笑みを絶やさず終始丁寧に答えていただいたばかりでした。91歳の誕生日を迎えてますますお元気そうだっただけに突然の訃報に驚き、深い悲しみを禁じ得ません。ご冥福を心からお祈り申し上げます。
インタビューは戦後60年、私たちは今なにを考え、心すべきかというテーマで日本や世界の今日の姿について課題や問題点を率直にうかがいました。収録は7月末と8月初めの2回にわたって行いました。『JanJan』としてもビデオカメラを使っての本格的なインタビューは初めて経験でした。後藤田さんは『JanJan』について「市民の、市民による、市民のためのメディア」という説明に少し質問をさしはさみながらも、うなずいてこちらの素朴な質問にも快く答えてくださいました。
「ぼくはしょっちゅう言うんです。なにかが流れ出したときに、おいちょっと待てよという空気が生まれない。一瀉千里に流れてしまう。異議申し立てをすると、変わり者だとか、けしからんとなる。これはおかしいと思っても、反対だといわない。いまの日本の空気のなかにそれがある。非常に心配な傾向になってきたと思っている。日本の国民性の一番の欠点は付和雷同だ」
「21世紀に入って世界は大きく変わりつつあるんですよ。しかもスピードが非常に速いんですが残念ながら日本は立ち後れてしまっている。世界の先行きをどう見るか。日本をどのような国につくっていくか。国のかたちの基本が定まっていない。だからいろんな混乱が起きている」
インタビューはちょうど衆院の解散・総選挙が決まった時をはさんだ時期でした。突然の総選挙について「日本の将来を分ける重要な選挙」と繰り返し指摘し、その選挙の争点をも含めて、日本の国のあり方や生き方から政治家の基本的な心構えまで、問題を正面から見据え、掘り下げ、論じることの大事さを繰り返し強調されたことが今改めて印象深く思い起こされます。
内外に直面する問題はともに、構造改革を必要としていることはもちろんではあるが、それが競争原理を大義名分として、「強者の論理一本槍」に陥っているのではないかとの警告も繰り返し発せられた点でした。
「競争についていけない落ちこぼれの人をどう手当てするのか。格差が広がる社会への不満はうっかりすると爆発する危険性がある。弱者を切り捨てるような社会ではあってほしくない」
「強大な軍事力や経済力を持っている国がしからざる国を思い通りについて来させようとし、自分の国の価値観を認めない国は排除するといった行き方は行き過ぎではないのか。互いに生き方を認め合い助け合っていく国際秩序をつくることが一番大事ではないか」
笑みを絶やさず語られた言葉は日本の世界の状況に対する厳しい危機意識に貫かれていたように思います。
そして、戦後日本が保ち続けた平和の大事さについても幾度も強調されました。「戦(いくさ)をすれば勝者も敗者もない。廃墟だけが残る。核兵器や生物兵器など大量破壊兵器を駆使するような争いは絶対やめなくてはいけない。話し合い、相互の共通点を発見して妥協する以外には解決の方法はないのではないか」と。
日本が目指すべき国のあり方として3つのキーワードを上げられました。
「第一に平和の国 日本」「第二は自主の国 日本」「第三に共生の国 日本」。
それぞれの国々や民族が歴史なり文化なり伝統なりを持っている。それらを尊重し合い支え合って共に生きていくことが最も大事だ。戦前から戦後にかけての激動の歴史を見続けてきた後藤田さんは、ご自身の体験を踏まえて、今後の日本がそういう世界の実現に向けて少しずつでも前進するようリードしていってほしいという願いを込めておられたと、私たちは受け止めています。
残された言葉をかみしめていきたい。かみしめていかなくてはいけないと思っています。(大和修、栗原猛)
http://www.janjan.jp/government/0509/0509212743/1.php
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