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(回答先: 貧困に喘ぐ日本人(負け組み)の激増 【World Report】 投稿者 愚民党 日時 2005 年 9 月 01 日 17:11:11)
http://blog.livedoor.jp/y_sato310/archives/50027637.html
提言にあたって日本の家計は、企業の人件費抑制の傾向が続くのに加えて、いずれは財政再建のための増税も視野に入れざるを得ない状況です。少子高齢化を支える勤労者世帯の家計の逼迫に鑑み、消費の活力維持に目配りしながら財政再建を進めるためには、引き締めと同時に他で手綱を緩める、天秤のバランス政策が必要でしょう。どこで手綱を緩められるのか、政治の強いリーダーシップによる行政横断的な、トップダウンの創意工夫が、ますます求められる時代になってきました。そこで、「経済政策維新」の一環として、3つの緊急提言をいたします。
その1.「規制緩和なくして、増税なし」
まず、第1弾として、「規制緩和なくして、増税なし」を私は提唱いたします。一段の規制緩和を約束し、消費者に対して基礎的なモノやサービスの価格低下を促す。これが実行されるまでは増税しないというコミットメントです。
規制緩和と増税がなぜ、政策ミックスになるのでしょうか。規制緩和を行うと、これまで規制で守られていた産業に競争圧力が高まる結果、価格引き下げにつながります。電気代やガス料金、固定電話料金など最近の公共料金の値下げが代表例です。公共料金の値下がりは、所得階層に関わらずどの家計にもベネフィット(便益)がもたらされると同時に、料金値下がりによって、家計が一定の可処分所得のなかで、他のモノやサービスに選択的に消費をまわす余地が生まれる効果があります。このため、公共料金の値下げは、いわば減税措置に匹敵するのです。このような値下げを持続させるためには、規制緩和の分野拡大や技術革新のモメンタムを維持していくことが重要になります。規制緩和を組み入れることで、財政再建の家計負担を中立化させるポリシーミックスは、今後の日本にとってまさに重要なポイントです。
次に、公共料金の引き下げによる擬似的な減税効果が、どれだけ増税インパクトを相殺する効果をもつのか、2005年度税制改正の具体例で示します。結論から申しますと、約1兆円あたりまでの増税であれば、公共料金の値下がりが続く限り、家計の増税負担は大方相殺できると考えられます。2005年度税制改正では、およそ1兆円程度の増税が決定されました。実際に報道された増税規模は1兆3000億円弱ですが、定率減税の半減が実際には年度途中の2006年1月からの実施となるため、定率減税半減による年度内の増税額は1850億円程度と小規模にとどまります。このため、国民年金や厚生年金の保険料引き上げ分を入れても、実際の増税額は公表額より小さい1兆円程度になります。
そこで、この1兆円をベースに増税がどれだけ名目消費に影響を及ぼすかを試算しますと、約0.3%程度の押し下げ効果が生まれます。一方、消費者物価に含まれる公共料金は、2005年に入って前年同月比1%台で下落しており、コア消費者物価をおおよそ0.3%ポイント押し下げています。要するに、増税で名目消費は0.3%押し下げられるけれども、公共料金の値下がりで家計の購買力はおおよそ0.3%増える。その結果、消費に対する増税効果はちょうど相殺、すなわち中立化されることになります。
当然、上述の増税効果の中立化はごく平均的家計へのインパクトを表すため、個人差は残りますし、そのなかで所得階層間の再配分も考慮に入れるべきでしょう。そのうえでマクロ経済全体として見ると、規制緩和による公共料金の値下げが、財政再建期における家計の増税負担を中立化する、有力な手段になるわけです。公共料金値下げのベネフィットが家計一般にまんべんなく普及するメリットも考慮すると、「規制緩和なくして、増税なし」が、今後中期的に徹底すべき重要な政策ミックスであるのは明らかだと思います。
その2.「サラリーマンと企業の新たな共存方法」
財政再建期に家計の税負担増が避けられないなか、企業負担も増やすべきとの疑問は生じて当然です。実際、マクロ経済を巨視的に見れば、ここ数年、目覚しい業績拡大で毎年20〜30兆円の貯蓄を積み上げている国内企業に、財政再建の余資はあると言えます。しかし、こうした企業に直接増税すれば一見税収は増加するように見えるものの、現実には、法人税率は引き上げられない状況にあります。日本の実効法人税率は40%弱と米国を若干下回りますが、イギリス、フランス、ドイツなどの平均30%台半ばと比べるとまだ高く、国際的な減税競争の下ではむしろ一段の引き下げ方向で検討されています。従って、日本だけが税率を引き上げれば、企業は国外逃避して、再び国内空洞化やそれによる雇用懸念も上がるため、現実的な選択肢とは言えません。結果として、財政再建の直接的な税負担が、まず家計に降りかかる構図は今後中期的に避けて通れないでしょう。
勤労者の雇用・所得環境はどうかと言いますと、2004年前半頃からようやくフルタイム雇用に底打ち感が出始め、雇用全体にも明るい増勢基調が出てきています。しかし、当面賃金引き上げについて企業は慎重姿勢を維持しており、勤労者一人ひとりの可処分所得が力強く増加するような状況にはありません。むしろ、少子高齢化の影響から今後は高齢層の貯蓄の切り崩しも進むため、消費全体で見た時に、所得増加による従来の消費押し上げ効果が弱まります。一方で、資産価値の増加による資産効果が所得の補填として今後一段と重要性を増すことになるでしょう。日本のような高齢化した成熟経済では、これは必然的なことでもあります。従って、日本の経済再生期の稼ぎ手となる国内企業の競争力を極力維持しながら、その一方で企業業績に一段とリンクさせた勤労者の報酬体系の設計が重要になります。その取り組みを税制面できっちりと支援することが大事です。
私の言う「サラリーマンと企業の新たな共存方法」とは、具体的に株式の配当支給を主なルートとする企業から一般家計への所得移転関係の構築を意味します。ビジネスモデル上、企業の利益最大化の答えが固定費削減である限り、人件費は今後も抑制傾向が続くでしょう。こうして労働面で企業収益の拡大に貢献する家計にとり、合理的選択とは、企業活動に貢献する一方で、収益を上げそうな企業の株主にもなり、収益が上った企業から非給与所得という形で株主還元を受けることです。企業の配当性向の上昇が見込まれるようになっていることも追い風です。こうして家計は、人件費抑制による負担と配当による受益をマッチさせることが可能になるのです。ボーナス支給も業績連動ではありますが、株式配当による所得移転ルートは、人件費を上げずに所得移転できるため、企業の国際競争性も同時に維持できる、二兎を追えるメリットがあります。経済の稼ぎ手である国内企業は国際競争の生き残りに必死であり、そうした企業とサラリーマンの新たな共存関係において、家計も自らの所得体系をより柔軟に組み立てて行く必要があるのだろうと思います。
残念ながら、現在の金融資産税制はこうした時代の新たなニーズに追いついていません。平成17年度税制改正では、株式譲渡損を株の配当所得や預金利子と合算して課税する、いわゆる損益通算を可能にする金融資産課税一元化が見送られました。この結果、今の税制は一般家計にとり、リスク資産である株式の保有インセンティブを欠いたままです。1400兆円の個人金融資産の僅か5%程度にしか株式の直接保有が及ばないのに対して、ほぼゼロ金利の現金・預金保有は総額の56%に及んでいます。一方、米国の家計では、株式直接保有比率は20%程度と、現金・預金保有の12%を上回っており、日本株などの外国株式の保有も含めて、富裕層のみならず幅広い一般家計に株式投資が浸透しています。最近は国内企業も潤沢なキャッシュフローの株主還元を拡大し始めていますが、国内一般家計の株式保有が浸透していない現状では、国内株式を保有する海外投資家へ配当が流出したり、国内富裕層に限定的な所得移転効果しか起きません。
しかし、配当所得は増税インパクトの中立化に向けて、やはり重要です。国内上場企業の配当総額は3兆5000億円程度あり、企業が利益に対しどれだけ配当を支払ったかを表す配当性向はまだ20%前後ですが、今後は一層の株主重視経営の必要性から、より業績連動型の配当支給が広がるとの見方が一般的です。仮に配当性向が今後米国並みの30%以上に10%ポイント引き上がったとすると、配当の増額のうち国内個人投資家に渡るのは、現状ではおよそ2500億円程度となる計算です。2005度税制改正で定率減税の半減による同年度内の増税額が1850億円ですから、一般家計が幅広く株式を保有していれば、可処分所得に対する増税インパクトを十分相殺できる規模になり得るわけです。
中国などの躍進による新たな国際競争の下で、日本企業はビジネスモデルの変革を余儀なくされており、家計も自らの新たな所得体系を模索して行かざるを得ない時代にあります。企業の業績拡大に貢献し最後に配当として株主還元を受けるという所得移転ルートが残されている限り、リスクをとって株式投資する家計には税制できっちりと優遇する、一般家計向けの「株式投資優遇税制」の再設計が急務でしょう。
その3.「第3次ベビーブームの実現へ」
ベビーブーマーに孫たちを。これが私のモットーです。
企業の雇用体系も変わって終身雇用も過去のものとなった現在、夫婦共働きで家計所得の水準の維持や安定化を図る必要性が増しています。しかし、女性が社会進出して働くということは、子供を保育所やベビーシッターに預けるための預託費用を支払ってのことであり、パート雇用では受け取る所得に対し費用が出超してしまう現実、またフルタイム雇用でも子供の預託費で稼ぎの多くが出費されるのが現状です。
すなわち、女性の社会進出や就業の機会の場を提供するまでには至ったけれども、子供をもつ家計の経済的豊かさにはつながっていないのです。そのため、将来的な雇用所得環境に不安を抱けば、共働きの経済的必然性が優先され、子供は養育費が高いからとつくらない選択をすることになります。また、職場で女性が責任あるポジションに就くようになると、仕事上重要な時期には育児休暇もとりにくくなり、また産休をとれそうな時とそうでない時などの事前考慮も必要になってまいります。このため、託児所に待機児童があっていつ受け入れてもらえるか分からない、或いは空きのある託児所を探して、その地区に一家ともどもあらかじめ引越しておかなければ出産にこぎつけられないような現状では、仕事をしているうちに出産時期を逃してしまうことにもなるでしょう。
未婚化・晩婚化という結婚観の変化があるなかで、「子どもを生み、育てにくい社会」となっている日本の社会制度の問題もあり、不作為に放置しておけば少子化がこれまで以上に進行し、経済成長の鈍化、税や社会保障における負担の増大、地域社会の活力低下などを引き起こします。向こう20年で、社会、経済、地域の持続可能性が基盤から揺らぐ事態にも発展しかねません。第2次ベビーブーム世代が、出産・子育ての時期に入った今こそ少子化対策はまさに緊急課題になっています。政府は200416年に少子化社会対策大綱を取りまとめ、日本の人口が転換期を迎える今後5年程度を集中対応期として、国、地方自治体のみならず、職域、地域、家庭、個人など社会をあげての積極的な取り組みの推進を定めました。この流れに沿い、以下の具体策を提唱したいと思います。
◎駅前と大型オフィスビルにおける託児所・保育所設置の義務化
共働きの親がオフィスまで子供と共に出勤し、朝夕保育所への子供の送り迎え時間を軽減します。駅前託児所・保育所も、自治体の人口動態など実情に合わせて設置の義務化を図ります。
◎時間外労働の多い企業における企業内託児所設置の義務化
早朝出勤や残業など時間外勤務の多い一定雇用者数以上の企業には、企業内託児所を設け、保育所の開園前と閉園後の勤務時間帯の社内ベビーシッター制度を設置します。
◎外国籍保育士の資格制度の設置
外国籍保育士の日本語・その他の対応レベル別資格制度を設置し、安心して預けられる保育士のプールを拡充します。2004年に対フィリピンFTA交渉で看護師・介護士の受け入れに日本が合意したばかりですが、この枠を保育士にも早急に広げます。
◎児童手当の拡充
児童手当の支給対象年齢を小学校3年生から小学校6年生終了までに引き上げ、第2子、第3子への支給額の拡充を図ります。
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