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【小泉独裁は、二重の意味で、世論調査の申し子】 選挙予測 つかめぬ世論 「そのつど支持層」 【産経新聞】 
http://www.asyura2.com/0505/senkyo12/msg/776.html
投稿者 愚民党 日時 2005 年 8 月 29 日 05:08:44: ogcGl0q1DMbpk
 

(回答先: 八代氏、出馬へ 自公協力に暗雲 両党、戦略に大きな狂い 【産経新聞】  投稿者 愚民党 日時 2005 年 8 月 29 日 05:03:44)

【深層真相】選挙予測 つかめぬ世論 「そのつど支持層」急増

 分かっているようで、案外その仕組みを知らないのが、世論調査だ。選挙の行方や内閣・政党に対する支持を展望するさいに行われ、ときには内閣の命運さえ左右する。でも、世論調査の結果が選挙などの結果とは一致しないこともある。近年“そのつど支持層”という選挙当日や投票所で投票行動を決める有権者が増えていることも、調査側には、やっかいな問題だ。総選挙の公示を前に、最近の世論調査の内情を「調査」した。(関厚夫)

 ◆真っ青

 今月中旬、東京都内にある大手のテレマーケティング(電話市場・世論調査)会社の幹部は頭を抱えていた。

 八日、政界の常識が覆される形で、衆院が解散され、九月十一日の投票が決まった。ある大手マスコミがこれを受けて、同社に千人単位を対象にした緊急世論調査を依頼したからだ。

 “非常時”ゆえ、大手マスコミは、調査については相当の出費を覚悟しているという。だが、実施時期はお盆だ。果たして、どれほどの有権者が家にいるのだろうか。

 緊急世論調査のためには、近くのビルのフロアを数日間借り切って、数千本の電話回線を引き込み、その倍に当たる数の調査員を確保しなければならない。間の悪いことにNTT側は、「この時期にそんな大規模な工事は短期間では無理」と渋っている…。

 同社は総力を挙げて、必要なだけの有権者、調査員、オフィスの確保に動き、電話回線の緊急工事も何とか間に合った。世論調査は、このように緊急性が求められることが多い。同社の幹部は「今回の経験で、たとえ正月直前に衆院が解散されても、世論調査ができる自信がついた」と苦笑まじりに話す。

 ◆世相の鏡

 戦後、選挙や政治に関する世論調査のやり方は、世相や生活様式を反映しながら変遷してきた、といえる。

 長く「主役」を務めたのは面接調査。学術・調査目的なら閲覧が許可されている住民基本台帳や選挙人名簿をもとに、任意に選んだ対象者に依頼状を送付し、調査員が「協力する」と回答した人たちを訪ねる−というのが一般的なパターンだった。

 だが、面接調査は結果が出るまで数週間かかることが多く、「首相訪朝」「衆院解散」といった電撃的な出来事に対応するのが難しい。さらに日本人の意識が変わり、「面接」を拒否する傾向が強くなってきた。

 このため、元号が平成に変わったころから、報道機関は次第に速報に適し、匿名性の高い電話調査に主軸を移していく。が、ここでも問題に直面した。

 電話調査も選挙人名簿などから回答者を抜き出すという過程は同じ。後は電話帳を利用して電話番号を見つけるのだが、電話帳に名前を記載しない加入者が年々増加、「偏り」が指摘されるようになったのだ。

 ここで注目されたのが、米国生まれのRDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)とよばれるシステムだ。コンピューターで電話番号(通常下四けた)を任意に選ぶ方式で、これなら電話帳にない番号も網にかかる。

 電話に出た家庭に有権者が複数いるときは、年齢順に番号をつけ、「電子サイコロ」で回答者を決める。インターネットによる世論調査が確立していない現在、大手マスコミの大半が「最も有効」な方法としてRDDを採用している。

 ただこの方式でも有効な回答を得られるのは全体の三−五割。調査側は実際には対象人数の二倍から三倍も電話をかけていることになる。

 ◆弱点

 世論調査はどこまで信用できるのだろうか。

 統計学上、理想的な条件で千のサンプルを調査した際に表れる誤差はプラスマイナス3%とされる。

 RDD方式の場合、「ベルシステム24」(本社・東京)や「もしもしホットライン」(同)といった大手テレマーケティング会社やリサーチ会社が業務を代行するケースが多いが、電話調査は研修を受けた調査員が担当し、勤務中は常にスーパーバイザー(監督者)のチェックを受けるという。「数%でも勤務態度のよくない調査員がいれば誤差は格段に拡大する」(ホットライン社の中川純一総合調査部長)からだ。

 だが、調査員の質をいくら高めても、世論調査による選挙予想が“当たる”とはかぎらない。

 なぜなら、ここ十年の間に都市部を中心に、「投票の二−三日前から迷い始め、選挙当日または投票所で支持政党や候補者を決めることも多い“そのつど支持層”」(松本正生・埼玉大教授、政治学)と呼ばれる無党派層が拡大を続け、すでに東京都内では約六割に達しているためだ。

 ならば、投票後に行われる出口調査はどうか。

 わが国では、回収率の悪さからくる偏りが指摘されているが、よりきめ細かな調査を行っている米国でも結果は万全ではない。二〇〇〇年の大統領選で、出口調査をもとにした当確予想が二転三転したことは記憶に新しい。

 また、二〇〇二年にはドイツの総選挙で似たようなことが起きている。結局、選挙をめぐる世論調査は、「接戦」や「無党派層」には弱い、といえそうだ。

 ところで、今回の取材でみえてきたことがひとつある。

 「選挙の最大の争点は郵政民営化法案。賛成か反対かだ」−。こうした小泉純一郎首相の歯切れのよさは、「意見の多様さやきめ細かさよりも速報性や明快さに重点を置く最近の電話世論調査の傾向」(松本教授)とも重なる。また、小泉首相の最大の後ろ盾は世論調査による高支持率だ。

 小泉首相は、二重の意味で、世論調査の申し子なのかもしれない。


http://www.sankei.co.jp/news/morning/29iti001.htm

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