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(回答先: 衆院比例区投票、自民29%、民主13% 本社世論調査(朝日新聞)---ゲッペルス:知らしめず寄らしむためのニセ数字 投稿者 竹中半兵衛 日時 2005 年 8 月 25 日 11:38:11)
五十嵐仁の転成仁語
http://sp.mt.tama.hosei.ac.jp/users/igajin/home2.htm
8月23日(火)
小泉支持の高さはどのような「世論」を反映しているのか
小泉内閣の支持率が上がっています。衆院の解散以降、2回の調査で上昇を続け、中には50%を越えたものもあります。
内閣支持率は、一時は40%を切っていましたから、急速な上昇です。このような世論調査の数字は、実際の世論をどれほど反映しているのでしょうか。
これらの調査のほとんどは、電話での調査です。ということは、この数字は、調査のためにかけてくる電話に出ることのできる人々の意識を反映しているということになります。
全ての人々が電話に出ることができるという条件の下で、無作為に抽出した対象に対する調査であれば、この数字はかなり正確なものだといえます。しかし、このような前提はあり得ません。
平日であれば、多くの成人男性は働いています。休日も、出かけたりしているかもしれません。早くもこの点で、ほとんどいつも家にいる人(たとえば専業主婦や高齢者世帯)が対象になっているという「偏り」が生まれます。
電話での調査には、基本的に携帯電話は含まれません。家庭にある固定式の電話です。
このような電話は、青年の一人住まいや若者夫婦の家庭では減少してきています。携帯電話で十分に用が足りるからです。
この点から、調査の対象には若者が少ないという「偏り」が生ずるでしょう。固定式の電話を利用している中高年の意見が強く反映されることになります。
つまり、電話での世論調査では、若者や働く成人男性の意見は反映されにくく、専業主婦や中高年齢者の意見が反映されやすいという「偏り」が生じます。これもまた「世論」には違いありませんが、それは階層的に偏った世論だというべきでしょう。
このような「偏り」は、一般的に、自民党支持を過大に、民主党支持を過少にカウントさせることになります。自民党支持は女性と高齢者が多く、民主党は若者や男性に人気があるからです。
「最近の世論調査は当たらない」という声があります。それは特に選挙予測で著しく、事前の調査よりも選挙結果の方が民主党に有利に出ます。
これは、以上に述べた調査対象者の「偏り」のせいだと思われます。電話での調査に答えられない働く人々が、実際の選挙では自民党よりも民主党の方に多く投票するからだと考えられます。
さて、今回はどうでしょうか。小泉さんはテレビを通じて様々なパフォーマンスを展開しました。
缶ビール片手に小泉さんとの決別を語った森さんのテレビ映像が話題を呼びましたが、あれは小泉さんとの打ち合わせの上で行った「ヤラセ」だというではありませんか。「小泉マジック」がいかに周到に準備されたものであるか、この事実が象徴しています。
その後の小泉さんの記者会見、「刺客」騒動など、「ワイドショー政治」の材料には事欠きません。家庭のテレビでそれを見ている人々は、かかってきた電話での調査に出ることのできる人々です。
そのような人たちが小泉支持と答えたからといって、何の不思議もないでしょう。テレビなどのマスコミによって最も影響されやすい人々が、この間の小泉支持の急上昇を生みだしていると考えられます。それは、郵政民営化についての広報のターゲットとして狙われた人々でもあります。
しかし、今回、小泉支持に転じた人々の全てが、このようなマスコミによって影響された人たちだとは言えないでしょう。改革に向けた小泉さんの決然たる決意に感じ入った人たちもいるからです。
私の友人で、「小泉内閣の最初の2年間は期待した。次の2年間は裏切られたと思った。そして今回、小泉はやっぱり本気なのだと感動した」と言った人がいました。かつて、小泉改革に期待し、「小泉ブーム」を作り出した人々の一部が、「決然たる改革者」としての姿に魅せられて回帰したということでしょうか。
今回の支持率の上昇には、調査対象の一定の偏り、マスコミによって作り出された虚像、「小泉マジック」による「小泉ブーム」の部分的再現という複合的な要因が考えられます。
したがって、それに対する対応も一筋縄ではいきません。小泉支持における「虚像」と「実像」とを腑分けした上で、「虚像」を引き剥がすためのマスコミ対策と「実像」を論破するための緻密な政策と論戦が必要になるということです。
なお、夏休み中の「宿題」の一つを書き終えました。「『思い込み・無理やり解散』総選挙で問われるもの」という表題で、旬報社から刊行されている『賃金と社会保障』の9月上旬号に掲載される予定です。
投票日前ギリギリに刊行されるということです。興味のある方は、ご笑覧いただければ幸いです。
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