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(回答先: 賛成派にも不信感 公明との共闘陰り 【東京新聞】 投稿者 愚民党 日時 2005 年 8 月 09 日 16:58:39)
結党50年が解党元年?
自民党はぶっ壊れたか
郵政民営化関連法案の参議院での否決を受け、小泉首相は衆院解散、総選挙へと突き進んだ。自民党内部の“反小泉”の不満が一気に噴き出た結果だが、小泉首相の「自民党をぶっ壊す」との“公約”通り、選挙で負ければ、結党五十年の今年が、皮肉にも「解党元年」(同党幹部)になる可能性もある。自民党という政党の賞味期限はすでに切れたのか?
参院傍聴席には八日、多くの人が詰めかけた。今の自民党はどう映ったのだろう。
「賛成でも反対でもないが、これだけ騒がれているので関心があって来た」という仙台市の無職、菅野東一さん(61)は「自民党はまだ存在感があると思う。何十年もの歴史があるから、そう簡単に賞味期限は切れない」との見方だ。
民営化反対を掲げた労組の傍聴者を誘導していた東郷愛さん(30)も「小泉さんのやり方に(自民党の)みなさん、かなりうっせきしたものがあると思うが、腹の中では、この先の事を考えているでしょう。そんな簡単に空中分解しないと思う」。
■古い体制の人もういらない
友人と一緒に、朝六時から来ていた関直哉さん(18)は「(自民党は)もう潮時じゃないですか。古い体制の人たちは、もういいですよ。郵政より、他に力を入れることがあるでしょう」と、苦笑まじりで話す。
一方、自民党支持者には、悲観と期待の思いが交錯する。民営化賛成の立場で傍聴した、党員で山形県大石田町町議の奥山克弥さん(50)は「党はもう分解でしょう。今回のことが象徴的だった。分解して再生を期待したいが、必要なのは政官財の癒着を断ち切ること。それが信頼回復する方法です」。
以前は支持者だったという民営化反対の男性会社員(56)も「一から出直しですよ。自民党の賞味期限は、小泉さんの二回目の政権ができた時から切れていますよ」と断言した。
だが、真夏の総選挙に臨む、当の自民党衆院議員は、賞味期限は切れていないと考えているようだ。
先月五日の衆院本会議で同法案に賛成した遠藤利明氏(山形1区)は「小泉さんは民営化反対派という新たな敵をつくった。反対派がいるときは小泉さんは生きる。かえって賞味期限を延ばした」と指摘する。
民営化反対派との分裂選挙については、「もしも(反対派の)応援を得ないと過半数が取れないならば、場合によっては小泉さんを別の人に代えて、政権を取ることがあるかもしれない。そういう意味で党の空中分解はないだろう」と予想し、「ポスト小泉」下での大同団結にも言及。同じく同法案賛成派の鴨下一郎氏(比例代表・東京ブロック)は、今回の解散・総選挙で「解党的改革自民党」が生まれると予言した。
一方、「郵政問題くらいで自民党が分解するのは非常に不幸で、分解するとは信じたくない」と話すのは、郵政民営化法案に反対した城内実氏(静岡7区)だ。党公認は得られない見通しだが、それでも「自民党の賞味期限が切れたとは思わない。政府の法案に問題点があれば、党で議論して修正するのは当然あるべき姿だし、今はそういう政策集団になりつつある。候補者公募など党改革も着々と進んでいる」と強調した。
結党五十年を迎える、自民党という政党の賞味期限は本当に切れたのか。
小泉首相“応援隊”の同党の山本一太参院議員は、テレビ番組で「自民党の賞味期限は二〇〇一年に終わっていた。それを救ったのが小泉首相」と話した。
確かに、前任の森喜朗首相は、当時の派閥力学を反映した“密室”で総裁に選ばれたことで批判を浴び、党の支持率も20%台と低迷。小泉首相の登場がその窮地を救ったのは事実だ。
■党議拘束すら機能を失って
しかし、一方で、党議拘束も派閥的な締め付けもほとんど機能しなくなった。森前首相が郵政民営化法案が否決されたら派閥会長を辞任する、と明言したのもその典型例だ。
「五五年体制的な自民党は森前首相で終わった。独特なキャラクターを持った小泉首相は、危篤状態にあった自民党のいわば“生命維持装置”」と話すのは政治評論家の浅川博忠氏だ。
解散権は首相の専権事項とか「伝家の宝刀」などといわれる。しかし大派閥の領袖たちが実力を誇示していたかつての自民党では、首相でもこの宝刀が抜けなかったことがある。
一九七六年、ロッキード事件で田中角栄前首相が逮捕され、国民に信を問おうとした三木武夫首相(当時)は衆院解散をもくろんだ。しかし小派閥の領袖にすぎなかった三木氏は、党内の「三木おろし」に屈し、解散を阻止された。
■首相の解散権かつては阻む
同じようなケースは九一年、海部俊樹内閣でも起きた。政治改革関連法案が廃案となったことを受け、海部首相(同)は局面打開のため「重大な決意」を表明。解散も辞さない姿勢を表明したが、三木派の流れをくむ河本派という小派閥にいた首相は、解散阻止で一致する大派閥に対抗できず総辞職を余儀なくされた。「数の論理と派閥の力関係が生きていた当時に比べると、現在の派閥は液状化し、解散を阻止する力も失った」と浅川氏は指摘する。
政治評論家の小林吉弥氏も「自民党は野党の敵失でようやくようやく命脈を保ってきた」とみる。
例えば小泉首相は国債発行額を三十兆円以内に抑える公約について、国会答弁で「この程度の約束を守れなかったのは大したことではない」と発言したが、内閣はみじんも揺るがなかった。「派閥のボスが力を持っていたかつての自民党なら、首相のクビが飛んでもおかしくない。閣僚が次々に失言、放言しても内閣はつぶれない。それも野党に政権を託すのは不安だという国民心理があるからで、緊張感を欠いたまま自民党政権が続いてきた」
「自民党をぶっ壊す」との小泉首相の“公約”が、今回の解散で実現するかもしれないが、政治評論家の森田実氏は「ぶっ壊すというなら離党してから言うべきだ。党公認候補として選挙で選ばれ、首相になった小泉氏にどうしてそんなことができるのか」と、自民党解体論そのものを厳しく批判したうえで、「国民の生命、財産にかかわるまじめな営みであるはずの政治が、ますます国民からかけ離れ、悪ふざけに堕落してしまった」と憂慮する。
では、自民党の行く末は−。バーチャル政党「老人党」の提唱者で精神科医のなだいなだ氏は、こう予測した。
「これまで自民党は、内部にさまざまな意見を抱え、決して一枚岩ではなかったが、最後は妥協することで党としての一体性を保ってきた。しかし小泉首相の自殺的な決断によってその自民党の“知恵”もなくなった。いったん生じた党内の亀裂は修復不能なところまでいく可能性がある」
http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20050809/mng_____tokuho__000.shtml
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