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政権かけて権力闘争《追跡 政界流動》(笹費新聞)−−−「中曽根・村上…なぜ出てくる」
http://www.asyura2.com/0505/senkyo11/msg/200.html
投稿者 竹中半兵衛 日時 2005 年 8 月 09 日 07:09:35: 0iYhrg5rK5QpI
 

(回答先: 誤算の連鎖、大量造反 「青木神話」一枚岩の崩壊 (朝日新聞) 投稿者 竹中半兵衛 日時 2005 年 8 月 09 日 03:37:37)

政権かけて権力闘争《追跡 政界流動》

http://www.asahi.com/politics/update/0809/007.html

朝日新聞 2005年08月09日06時09分

 午後3時10分、衆院解散を決める臨時閣議は冒頭から紛糾した。

 「臨時国会で新たに法案を出せばいい。政治的空白はよくない」。麻生総務相が口火を切り、島村農林水産相と中川経済産業相、村上行政改革・規制改革相の計4閣僚が正面切って解散に異を唱えた。

 だが、「首相に万一のことがあったら、改革が頓挫する。自重して頂けないか」と言った村上氏にも、首相は「絶対勝って戻ってきてやる」と譲らない。

 「現時点で反対の人は手を挙げてほしい」。途中で細田官房長官が言うと、中川氏を除く3閣僚が手を挙げ、別室で個別に首相と話すことに。

 島村氏は「反対した議員を裸で放り出すのは、おかしいじゃないか」と約30分間訴えたが、首相は「法案に賛成してくれればよかったんだ」と反論。島村氏は用意していた辞表を出し、「私は辞めました」と他の閣僚にあいさつして官邸を後にした。

 首相は、ほぼ5分間ずつ会った麻生、村上両氏にも「これで古い自民党をぶっ壊せるんだ」と説き続けた。

 頑として譲らぬ首相に3閣僚の1人はこう思った。――ダメだ。抵抗勢力を一掃する権力闘争だと首相は決めている。

 首相は島村氏の辞表を受理せずに罷免とし、自ら農水相を兼務することにした。島村氏を除く全閣僚が解散詔書に署名した時には、開始から1時間25分が経過していた。

■「反対した人とは決別する」

 小泉首相の解散宣言は、権力闘争そのものだった。

 「古い自民党をぶっ壊して、新しい自民党を作る。古い自民党とは手は組まない。反対した人とは決別する」

 郵政民営化法案が17票の大差で否決されてわずか20分後。国会で開いた自民党役員会で首相は迷いもせず言った。

 「反対した者は一人も公認しない。衆院選で勝てば、参院議員たちも自分が間違っていたことがわかるだろう」――「倒閣運動」に出た反対派は許さないという怒りだ。

 直後、首相は国会の別の部屋に移って公明党の神崎代表と向き合った。

 「政治空白は作るべきではない。選挙協力も十分できない」。神崎氏は自民党にとって命綱といえる選挙支援まで持ち出して解散を止めようとした。だが、首相は取り合わない。「反対した人たちは公認しない。徹底的に戦う」。口にしたのは党内抗争だった。

 郵政法案づくりや衆院での修正では妥協も重ねたが、首相は参院採決の直前、「腹は固まっている」としか言わなくなった。自ら吹かせた「解散風」で反対派がひるむならそれもよし。否決なら4年余の政権下で決着を付け損ねた権力闘争に答えを出すだけだ……。そう割り切っていた。

 採決前日。否決必至の票読みを伝えた側近に首相は事も無げに「いいんだ。否決すれば解散するんだから」

■「首相は党を軽んじている」

 「倒閣運動だ」と首相がまなじりを決した相手は、自らの政権下で生じた様々な遺恨を抱いた勢力だったのだろう。

 「首相は党を軽んじている。軽々しく派閥解消だと言うけど、首相を守ってきたのは派閥や参院じゃないか」。森前首相は3日、憤懣(ふんまん)やるかたない様子でそう語った。

 昨年9月の内閣改造のことが脳裏にあった。

 「郵政をやりたいなら、古賀(誠元幹事長)、亀井(静香元政調会長)、堀内(光雄前総務会長)を閣内に入れるべきだ」。森氏は首相にそう進言していた。青木幹雄参院議員会長も「衆院には口出ししないが、できれば野呂田(芳成元防衛庁長官)を使ってほしい」と同じ旧橋本派からの登用を望んだ。

 主要派閥の実力者を取り込むことで安定軌道をめざせ……。事あるごとに森、青木両氏が説いてきたのは、いつか人事上の「遺恨」が爆発しないか、という不安と裏腹のものだった。

 だが、派閥からの制御を嫌う首相がそのとき下したのはゼロ回答。ほぼ1年後、森氏の不安は的中する。亀井、堀内、野呂田各氏は「反小泉」の先頭に立って衆院本会議採決で反対票を投じ、法案否決の流れを加速する担い手となった。

■「中曽根・村上…なぜ出てくる」

 遺恨はまだあった。

 「中曽根、村上、野中……。過去の人がどうして出てくるんだ」。先週末、反対派切り崩しに動いていた自民党参院幹部がうめいた。

 03年総選挙で首相から引退を申し渡された中曽根康弘元首相。長男の弘文・参院亀井派会長の「反対表明」は、造反の動きが雪崩を打つ契機となった。

 今も亀井派に影響力を持つとされる村上正邦元労相。かつては「参院の法皇」と呼ばれたが、青木氏との主導権争いに敗れて、ケーエスデー中小企業経営者福祉事業団(KSD)事件で訴追された。野中広務元幹事長も03年秋の党総裁選で反小泉連合を策したが、参院を首相支持でまとめた青木氏に阻まれ、衆院議員引退に追い込まれた。

 今回、村上氏が、きめ細かく参院の票読みをしているのを目撃した議員は、何人もいる。解散回避を口にしながら、賛成派に全面的に連なろうとしなかった古賀氏の動きに、「師匠」たる野中氏の存在をかぎとった人も少なくない

 「小泉・青木体制」という政権の基盤が揺らいだ末の法案否決。それは政権発足以来の権力闘争が爆発した結果だが、戦いはまだ済んでいない。

 首相も採決直前、「このままでは民主党に勝てない」と解散回避を説く閣僚に「勝てると思ってやっているわけではないさ」と答えた。総選挙でたたきつぶそうとする相手は、野党第1党ではなく、内なる敵なのだ。

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