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誤算の連鎖、大量造反 「青木神話」一枚岩の崩壊
朝日新聞 8月9日
http://www.asahi.com/politics/update/0809/006.html
2005年08月09日03時09分
「可否いずれになっても小差」と言われていた郵政民営化法案の参院決戦は、自民党執行部の予想を裏切る「17票差」という大差の否決に終わった。最大の旗印を葬られた小泉首相は、抵抗する閣僚を罷免してまで衆院解散を断行した。自民党内から「自ら望まぬ解散は初めて」との嘆きの声が出る事態になるまでには、いくつもの誤算の連鎖があった。
反対22人、欠席・棄権8人。大量造反は、採決前には「可決まであと2票」との見方さえあった参院執行部に冷水を浴びせた。青木幹雄参院議員会長が強調してやまなかった参院の「一枚岩」も音を立てて崩れた。
採決前に「天命を待つしかない」と語っていた片山虎之助参院幹事長は、大差にも「だいたい私の読み通りだった」。それでも「中間的な人は均衡がちょっと崩れると流れてしまう」と無念さは隠せない。
採決後に開かれた反対派の会合で交わされた言葉も、「思ったより反対が多かったなあ」。造反議員の理由は「法案に納得がいかない」「党内の進め方が民主主義的ではない」と様々だが、説得にあたった参院執行部からはこんな声も漏れる。
「青木さんの神通力も今回は通じなかった」
小泉首相は7月末、知人に「僅差(きんさ)だが可決するだろう。青木さんが必死でまとめてくれるはずだ」と語った。しかし、「もっと時間をかけるべきだ」と渋る青木氏を押し切って法案を国会に提出したのは首相だ。
そんな首相に手を焼きながらも、青木氏は軟着陸を目指して動く。衆院段階で参院側も合意して法案を修正、会期の延長幅も参院の意向を尊重して55日間に決めた。青木氏にすれば、6月中にこの二つを実現させたことで、成立へのレールは敷かれたはずだった。
だが、衆院での薄氷の可決で反対派が勢いづき、目算が狂い出す。青木氏は反対派を個別に食事に誘っては説得を続けたが、首相が「否決なら解散」を強調すればするほど、首相を支える青木氏への批判が足元の旧橋本派内にも広がった。
あの時と話が違うじゃないか――。03年9月の党総裁選で、青木氏は同じ派閥の藤井孝男元運輸相を応援せず、参院旧橋本派を束ねて首相支持に回った。派閥の仲間を説得するのに青木氏はこう説いた。「参院自民党が結束していれば大丈夫。いざとなれば民営化法案の否決だって出来る」。
参院自民党最大の35人を擁する旧橋本派の力を背景に、重要ポストを押さえる。ある族議員は、青木氏からにらまれ、支援団体と関係のない委員会に「配置転換」されそうになった。
そんな青木氏の手法が議員の間にポストの不均衡を生み、「特定の議員ばかりが優遇される」という不満が広がった。
それが、今回の郵政法案で噴き出した。もともと郵政事業は旧橋本派の牙城(がじょう)。「青木チルドレン」と呼ばれていた同派のある議員は、「民営化賛成」を唱え始めた青木氏に反旗を翻し、ついに賛成票を投じなかった。
8日、採決後の記者会見で、青木氏は「否決の責任」に関する質問にこう答えた。「責任うんぬんは筋違い。衆院選を戦ってからだ」
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