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(回答先: 障害者自立支援法:衆院厚生労働委で法案可決「毎日新聞」─弱いものいじめ! 投稿者 天木ファン 日時 2005 年 7 月 14 日 20:06:14)
障害者支援法案 就労の拡大こそが先だ '05/7/14
衆院の厚生労働委員会で審議されていた障害者自立支援法案がきのう、自民、公明の賛成多数で可決された。利用する福祉サービスに応じて障害者に原則一割の「定率(応益)負担」を求める内容である。
現在の支援制度の財政窮迫が主な理由だが、支払い能力に応じたこれまでの「応能負担」に比べて大幅に負担が増える。所得の低い障害者の自立を進めていくには、むしろ就労支援などの所得保障を図ることが先なのではないか。
社会的な弱者を支えるこうした制度の改変が、広く国民議論の高まらないまま国会手続きを経ていくことに疑問を感じる。法施行は来年一月に予定されているが、今国会でも参院審議を含め時間はまだある。関係者の切実な声を踏まえて、さらに議論を詰めてほしい。
法案は身体、知的、精神三障害で別々だった福祉サービスの体系を一元化し、市町村が中心になって提供する基盤整備が目的とされる。国と都道府県の財政支出を義務付けて強化する一方、利用者の負担も支払い能力に応じた方式から、受けたサービス量による負担に改める内容だ。
厚生労働省の説明では、背景には障害者の支援費が増え続けている現実がある。二年前に始まった現行の支援制度は、それまで自治体がサービス内容を決めていた仕組みを変えて、障害者が自ら選んで契約できるようにした。使いやすくなった結果、利用者が増えて、二〇〇四年度でも約三百億円の財源が不足している、という。
しかし、障害者の多くは主な収入を月額七〜八万円の障害基礎年金に頼っており、福祉作業所などの給料も一万円程度しかない。所得の少ない障害者にとっては、自立支援法によってサービスごとに支払う仕組みは負荷が大きすぎる。頑張って自立を目指してきた生活が崩れる、との危機感が強いのは当然だろう。
そのうえ、障害者本人が払えない場合は、同居の家族が負担する点も問題が残る。家族がいなければ障害者の生活が成り立たないようになる。自立促進の面からいっても発想が逆ではないか。野党が「自立阻害法」と批判したのもそのためだ。
先日、国会周辺に大勢の障害者や家族らが集まって反対の声を上げた。自立を遮る法案への強い反発だ。とりわけ深刻なのは、親や家族が亡くなった場合に障害者が自分の収入で暮らしていけるか、との強い将来不安である。
こうした自立支援法案に対し、慎重審議を求める意見書が広島市議会など地方議会でも可決されてきた。与党は、就労支援を通じた障害者の所得保障の検討などを盛り込んだ修正案を今月初めに急きょ、提出。それを織り込んだ可決だが、具体的な就労拡大策はあくまで検討事項であり、実現性はなお課題のままだ。
福祉、医療施策などの財源不足は事実であり、相応の負担もやむを得ない場合がある。しかし、最近の政府の手法は対象者に負担を求めすぎる傾向が強まっている。今回も自立支援の名のもとに、障害が重い人ほど負担が増える。財源確保策には、歳出節約や公務員削減など目を向ける点はまだまだある。
http://www.chugoku-np.co.jp/Syasetu/Sh200507140045.html
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