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(回答先: 郵政法案、5票差で衆院通過 参院でも難航必至 【朝日新聞】 投稿者 愚民党 日時 2005 年 7 月 06 日 06:07:33)
「ポスト小泉」動き加速 郵政法案、薄氷の可決
小泉首相にすれば、政権5年目にして初めて味わった「危機」だっただろう。わずか5票差で衆院を通過した郵政民営化法案。参院採決への不安だけでなく、アジア外交の行き詰まりも含め、政権の求心力低下を危惧(きぐ)する声は首相周辺にさえある。今回の造反劇で足場を築いた旧橋本、堀内派などを中心に「ポスト小泉」への動きも加速しそうで、首相を取り巻く空気は厳しさを増してきた。(伊藤宏)
●弱まる政権求心力 首相周辺「やりにくくなる」
「きわどい勝負だったねえ。なかなか、票読みは難しいな。予想以上に多かったですね、反対者は」。首相は5日、郵政法案が衆院を通過したあと記者団に語った。
法案作成から修正まで、党執行部が進める反対派との融和策に一貫して応じてきた首相は、票読みも反対派の切り崩しも執行部に任せるほかなかった。
首相周辺が「ボディーブローのように効いてくるだろう。政権運営は確実にやりにくくなる」と漏らすのは、発足以来の数々の政権浮揚策のどれもが神通力を失ったとの危機感からだ。
党内反対派を「抵抗勢力」と名指しし、「摩擦熱」を世論の支持を取り付けるエネルギーにつなげる。そんな手法が、郵政法案の参院採決で通用するとは考えにくい。郵政民営化への国民の関心はなお低く、全面対決で反対派を硬化させれば、「一発勝負」の参院採決では命取りになりかねない。
「宿願」の郵政民営化の実現にこぎつけたとしても、傷ついた党内基盤の修復はそう簡単ではない。もともと自民党内には、郵政を仕上げれば、「06年秋までの残り任期のレームダック(死に体)化は避けられない」との見方があった。首相は政府系金融機関の改革などに取り組む構えだが、どこまで政策遂行に力を保てるか、不安がつきまとう。
自らの靖国神社参拝が引き金となった中韓両国との関係悪化、宙に浮く国連安保理常任理事国入り……。北朝鮮への電撃訪問で見せたような外交面での政権浮揚策も見当たらない。
首相は9月と見られる内閣改造で、改革路線の継承者を重要ポストに起用し、党内ににらみを利かせたい意向と言われてきた。しかし、郵政法案の参院採決を乗り切ったとしても、青木幹雄参院議員会長らに頼った後では、これまでのように首相主導型の人事を貫くのも難しくなりかねない。
首相周辺にさえ、こんな声が上がり始めた。「政権の終わりの始まりじゃないか。今日あすに政局になるとは思わないが、郵政法案の参院採決もこれで見えなくなった」
●「抵抗勢力」巻き返しへ 旧橋本派と堀内派、提携探る
もうひとつ、小泉政権を底辺から脅かす自民党の大きな変化は、これまで「抵抗勢力」と指弾され、影響力を減じてきた派閥の巻き返しだ。
今回の造反劇について閣僚のひとりは言う。
「旧橋本派と、特に堀内派で予想以上の造反が出て、僅差(きんさ)の勝負になった。あとあと、効いてくるかもしれない」
首相と距離を置く両派と亀井派は、総裁選で「反小泉」統一候補を立てられず、イラクへの自衛隊派遣など、幾つかの政権の節目でも、反対勢力を結集できなかった。
旧橋本、堀内両派内には、06年秋の次の総裁選に向け、「二派連合」を軸に多数派づくりを探る考えもあるが、なかなかきっかけを見いだせずにいた。それがここにきて、首相の靖国参拝を契機に中韓両国との関係が険悪化。今回の郵政法案の採決では、「51人」の造反で政権の最重要法案を危うくできることを印象づけた。
綿貫民輔郵政事業懇話会会長、堀内光雄前総務会長ら両派の幹部は、5日夜も都内の料理店に集まって、「結束」を誇示した。
綿貫氏は最近、「郵政は負けてもいい。次は党との関係を大事にする内閣を我々がつくる」と漏らす。堀内氏も、採決後に「小泉政権はあと1年だから、こちらも戦う態勢にしなくては。堀内派が中心になって総理総裁を選ぶきっかけにしようというのが今回の行動に含まれていた」。
採決前の堀内派緊急世話人会でも「次にはポスト小泉政局が来る。そちらが大事だ」との声があがった。両派の提携が触媒になって、今後、派閥間の駆け引きが活発化する可能性もある。
ただ、両派とも、今回の採決では、執行部に身を置く議員と反対派とで幹部の足並みが大きく乱れた。堀内派と小里派、河野グループとの「大宏池会」構想の先行きもみえず、旧橋本派には空席の後継会長選出問題が残る。政権と各派閥がそれぞれの「弱点」を抱えての闘いが始まる。
●「自民造反」後押し 民主、不信任案の提出先送り
民主党は、竹中郵政民営化担当相らの不信任決議案の提出を先送りすることで、自民党内の造反の動きを結果的に後押しした。「法案が否決される可能性がかなりある」と判断したためだ。わずかな差での法案可決にも、岡田代表は「事実上の否決。参院でチャンスが広がった」と、廃案への意気込みを強めた。
不信任案は、竹中氏ら関係閣僚5人分が用意され、討論の文面もほぼ決まっていた。東京都議選で議席を伸ばしたことで、党内には徹底抗戦の意見もあったが、5日朝の役員会では「うかれるべきではない。乱発はやめよう」と、竹中氏の不信任案のみか、法案採決にかけるかに絞られた。
党幹部には、自民党の賛成・反対派双方から「勝っても負けても小差」との情報が次々入ってきた。参院幹部が口を開いた。「小差なら、可決されても参院で戦える」。別の幹部の「法案採決にかけてみるべきでは」との提案に、岡田氏も異論を唱えなかった。
郵政法案の審議では、対案も出さず、都議選投開票日直前に委員会採決に応じたことで、党内では国会対応への批判が強まっていた。しかし、反対派が膨らんだ結果に、幹部は「法案採決に焦点をあて、肉薄したことは成果」(鉢呂吉雄国対委員長)「対案を出せばこうはならなかった」(岡田氏)と自画自賛した。
今後は、衆院で指摘してきた竹中氏の政務秘書官の知人と内閣府広報室との随意契約についての疑惑をさらに追及する。
参院でも「自民党でどれだけ青(反対)票がでるかにかかっている」(岡田氏)という戦いには変わりはない。会期延長はできないなか、野党は「竹中カード」や小泉内閣への不信任案の提出が「持ち玉」として温存できた。今後、採決引き延ばし戦術が生きてくる可能性が出てきた。(矢部丈彦)
◇ ◇
◆自民反対派の「賛成」投票者
これまで反対派会合に参加するか、党の関係部会で反対の意思を表明した自民党議員のうち、衆院本会議で賛成票を投じたのは以下の通り。(敬称略。無所属で自民党会派の議員も含む)
【旧橋本派】岩崎忠夫、岡本芳郎、加藤勝信、鴨下一郎、木村隆秀、小坂憲次、佐田玄一郎、笹川尭、田村憲久、竹下亘、津島雄二、仲村正治、西銘恒三郎、萩野浩基、三原朝彦、山口泰明、渡辺博道【堀内派】植竹繁雄、上川陽子、北村誠吾、実川幸夫、寺田稔、平井卓也、二田孝治、増田敏男【亀井派】伊吹文明、宇野治、谷公一、中野清、永岡洋治、西川京子【山崎派】稲葉大和、坂本哲志、平沢勝栄【高村派】伊藤信太郎、河本三郎、砂田圭佑【森派】宮下一郎【小里派】佐藤勉【河野グループ】桜井郁三【二階グループ】江崎鉄磨【無派閥など】秋葉賢也、井上信治、菅原一秀
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