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(回答先: 3被告に死刑判決 連続リンチ殺人事件で高裁 [産経新聞−共同通信] 投稿者 あっしら 日時 2005 年 10 月 14 日 16:05:49)
1 木曽川事件の事実認定について
被害者の死因は、硬膜下血腫による脳圧迫である可能性が最も高いが、内臓損傷破裂による失血及び全身打撲による外傷性ショックの可能性も完全には排除できない。被告らから7時間弱にも及ぶ長時間にわたって、ビール瓶や鉄パイプ等で頭部等を殴打される強度の暴行を加えられ、ひん死の状態に陥っていた。被告らは、被害者の処置に窮し、その犯行を隠ぺいするため、被害者を木曽川の流水中に投棄しようと企て、河川敷からけ落とし移動させたが、雑木林の中で進めなくなったため、その場に放置した。
ひん死の状態にあった被害者を川に投棄しようとした被告らに殺意があったことは明らかで、堤防上からけ落とすなどした行為は、殺人の実行行為に当たり、被害者の死亡との間には因果関係も認められる。殺人罪が成立し、被告らは殺人罪の共同正犯としての刑事責任を負うべきである。
2 量刑理由について
本件一連の犯行の罪質は極めて悪質で、わずか11日間に19歳から26歳の4人もの青年らの貴い生命が無残にも奪い去られた結果は誠に重大である。
その動機は、特にリンチ殺人事件は、偶然会った被害者らから金品を奪い取り、被害者を意に従わせるため集団で激しい暴行を加えるなどしたもの。自らの理不尽な犯行の刑事責任を免れるため、何ら落ち度もない被害者らの生命を犠牲に自己保身を図ったその動機は、極めて自己中心的で卑劣という他ない。
また、最愛の子息を無残にも奪われた遺族らの被害感情は、いずれもしゅん烈で、異口同音に被告3人の極刑を求めている。
被告3人の関与の程度や果たした役割をみると、被告A=愛知県一宮市生まれの男(30)=は、重大な結果を導く発端をつくるなど、終始主導的立場で、自ら積極的に激しい攻撃を執ように加えるなどして犯行を強力に推進し、最も中心的で際立って重要な役割を果たしている。
被告B=大阪府松原市生まれの男(30)=は、被告3人のうちでは、所属暴力団において一番上位であることの影響力を行使して、被告Aとともに主導的立場で犯行を推進しており、極めて重要な役割を果たしている。
被告C=大阪市西成区生まれの男(29)=は、殺害の動機を形成するに至った暴行等に積極的に加わっている上、被告B、Aから被害者の殺害を暗に促されるや、ためらうことなく賛成し、殺害の早期実行を求め、率先して被害者への攻撃に出るなど、犯行を強力に推進し、重要な役割を果たしている。
一連の犯行は、綿密な計画のもとに周到な準備を尽くして実行されたものではなく、むしろ場当たり的というべきである。被告Aは、一部事件で自首し、生命の貴さと罪の重大さを認識し、遺族に謝罪の手紙を送ったり送金するなど慰謝の措置を執っている。被告Bは、長良川事件の被害者1人を最後には解放し、遺族らに謝罪の手紙を送ったり送金するなど慰謝の措置を執っている。被告Cは、他の被告らに比べ暴力団組織内における序列が低く、事件後接した信仰を通じて、罪の重大性や責任の重さを自覚するに至り、遺族らに謝罪の手紙を送るなど慰謝の措置を講じている。
被告3人は犯行時少年で、生い立ち等被告らのために酌むべき情状をいかに考慮しても、被告3人の刑事責任はいずれもこの上なく重大というべきである。死刑が人の生命そのものを奪い去る冷厳な究極の刑罰であることに改めて思いを致しつつ慎重に検討、熟慮を重ねても、被告3人に対し、死刑を選択するのも、真にやむを得ないところといわざるを得ない。
毎日新聞 2005年10月15日 0時26分
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20051015k0000m040150000c.html