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≪木曽川事件も殺人罪認定≫
大阪、愛知、岐阜の3府県で1994年、11日間に男性4人を死亡させた連続リンチ殺人事件で、強盗殺人などの罪に問われた当時18―19歳の男性3被告の控訴審判決で、名古屋高裁の川原誠(かわはら・まこと)裁判長は14日、3人に死刑を言い渡した。
川原裁判長は、一審判決が傷害致死罪と認定した木曽川事件でも、3被告の殺人罪の成立を認め、一審判決を破棄した。
一審判決は1人に死刑、2人に無期懲役を言い渡し、検察側、被告側双方が控訴した。最高裁に記録が残る66年以降、少年事件で複数の被告に一度に死刑が言い渡されたのは初めて。
3被告は一審で死刑判決の愛知県一宮市生まれのA被告(30)、いずれも無期懲役の大阪府松原市生まれのB被告(30)と大阪市西成区生まれのC被告(29)。
2001年7月の名古屋地裁の一審判決は、被害者3人に対する殺人罪を認定。愛知県尾西市(現一宮市)の木曽川河川敷で遊び仲間の岡田五輪和(おかだ・さわと)さん=当時(22)=を殺害したとする起訴事実は、傷害致死罪とした。
控訴審で検察側は、この事件も死因などから殺人罪の成立は明らかとし、3被告は死刑相当と強調。弁護側はA被告の死刑の減軽とB、C両被告の有期刑を求めた。
一審判決によると、3被告は94年9月28日、大阪市内のビルの一室で林正英(はやし・まさひで)さん=当時(26)=を絞殺。翌日、高知県の山中に遺棄した。
10月7日未明、岡田さんを死亡させた後、同日夜、愛知県稲沢市で男性3人を車に監禁。そのうち渡辺勝利(わたなべ・かつとし)さん=当時(20)=と江崎正史(えざき・まさふみ)さん=当時(19)=を翌8日未明、岐阜県輪之内町の長良川の堤防で金属パイプで殴るなどして殺害し、残る1人を約7時間半後に大阪市内で解放した。(共同)
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「一日だって事件を忘れたことはない。3被告全員の極刑を望む思いも変わらない」。見知らぬ少年たちのリンチで19歳だった長男、正史(まさふみ)さんを失った江崎恭平(えざき・きょうへい)さん(61)=愛知県一宮市=は仏壇の前で声を絞り出した。事件から11年。心の傷は今も癒えない。
江崎さんは一昨年、初めて、長良川河川敷で見つかった正史さんの遺体の写真を見た。変わり果てた無残な息子の姿。言葉を失い、あらためて怒りがこみ上げた。
「これだけのことをして、さらに軽い刑を求めるのか」。控訴した3被告の言葉を一言でも聞き逃すまいと決めた。正史さんの写真を胸のポケットに入れ、全36回開かれた控訴審の法廷に足を運んだ。
控訴審で3被告は傍聴席の遺族に会釈するようになったが、裁判官の心証を良くするための演技に見えた。公判で「私は貴様らが(社会に)出てくることを望んでいない」と意見陳述し、怒りをぶつけた。
何通もの手紙に犯した罪への後悔と反省の言葉が並ぶ。「法廷では責任をなすり付けあい、弁解ばかり。立派な文章となぜこうも違うのか」。江崎さんは3被告が謝罪したとは認めていない。
「料理人になって家族においしいものを作ってあげたい」。正史さんは笑顔で話していた。「優しくてけんかもしない子。立派な大人になっていたはずなのに」。母、テルミさん(60)は涙ぐむ。
「正史君が寂しがるといけないから」。家庭を築いた友人たちは今も遺影に話し掛けに来る。
「息子が帰ってくることはない。せめて天国に良い知らせを届けたい」。江崎さんはつぶやく。(共同)
◇
4人の若者の命を奪った犯罪に、2度目の司法判断が下される。14日午前、名古屋高裁で始まった連続リンチ殺人事件控訴審の判決公判。裁判長が主文言い渡しを後回しにした法廷は緊張感に包まれ、3人の被告は神妙な面持ちで判決理由の朗読に聞き入った。
被告らは青白い顔色で無表情のまま、それぞれ一礼して入廷。一審で死刑判決を受けたA被告(30)は、歩きながら自分を落ち着かせるように「はー」と聞こえる声で大きく息を吐き出した。
背中をもたれかけ深々といすに座るA被告に対し、浅めに腰掛けて朗読を聞くほか2被告。遺族の男性は厳しい表情で唇をかんだまま、裁判長を見つめた。
開廷前には40席分の傍聴券を求めて261人が長い列をつくり、裁判への関心の高さをうかがわせた。
愛知県日進市の女性(56)は「遺族のことを考えると心が痛む。やったことを悔いる被告を見て助けてほしい思いもある」と話した。(共同)
(10/14 15:11)
http://www.sankei.co.jp/news/051014/sha030.htm