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(回答先: 失政重ねた「人災」 ニューオーリンズ 【朝日新聞】 投稿者 愚民党 日時 2005 年 9 月 09 日 12:22:08)
米ハリケーン:混乱続くニューオーリンズ 陸軍同行ルポ
毎日新聞 9月9日18時47分
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20050910k0000m030020000c.html
【ニューオーリンズ(米ルイジアナ州)藤原章生】「おいショーティ(チビ、部隊長の愛称)、何とかしろ」「じゃあ、お前が指揮しろ」。ニューオーリンズでのハリケーン被災者の救出作業に当たる米陸軍に8日同行した。混成部隊による指揮の混乱、段取りの悪さで作業は進まず、軍人たちは半ば本気で怒鳴り合いをしていた。
午前10時、被災と略奪で荒れ果てたニューオーリンズの世界貿易センター前で、米陸軍部隊が朝礼を始めた。辺りは装甲車やパトカーであふれ返っている。「被災者に横柄になるな。相手が黒人なら黒人兵、メキシコ人ならラテン系が対応する細やかさが必要だ」。兵員輸送車8台と約50人の兵員を率いるオーガスト曹長(39)が声を上げた。部隊はテキサス州を基地にする第36歩兵部隊から来ている。
捜索場所の決定に手間取り出発したのは午前11時。だが5分後、部隊は水深50センチほどの一画で止まった。捜索地に別の部隊がいたため場所を変えようと、そこに1時間も待機した。結局、東部の住宅街が選ばれたが、途上でさらに1時間停車。協力を申し出たニューオーリンズ市警がすぐに集まらなかったからだ。
「混声部隊はこれだから面倒だ」とヒューバンクス曹長(44)がこぼす。午後1時に目的地に着くと、作業は早かった。水深1メートルほどの通りを2台ずつに分かれ、「ハロー」「誰かいるか」と叫び、クラクションを鳴らし進んでいく。やせた馬が走り去り、残された犬が家の戸口や室内でほえ続ける。どぶ臭い水を泳いでくる犬もいる。
捜索した通りの家々には壁にスプレー絵の具でマルやバツ印があった。ヒューバンクス曹長が「マルは無人、バツは遺体ありの意味だ」と言うと輸送車に緊張が広がった。すべてバツ印の通りもある。「湖の高波で水が押し寄せおぼれたんだろう」と兵員が話し合う。
だが、土手での昼食時、誤りに気づいた。無線で上官と連絡を取ったオーガスト曹長が「マルもバツも無人のことだ」と伝えにきた。「州兵や軍、各地の警察で使う記号が統一されてないんだ」「大体、ここは捜索済みの通りだ」と兵隊が口々に不平をこぼす。市警職員も「自分たちならうまくやるのに、市警にはボートもトラックもない」と不満を口にする。
各地での救援・復旧作業には6万を超す米軍人、州兵が参加している。ニューオーリンズでは水が引くまで遺体収容もままならず、困難な作業が続く。人海戦術の半面、指揮や交信がうまくいかず、非効率な作業を強いられる部隊も多い。
毎日新聞 2005年9月9日 18時47分