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(回答先: 過疎化において、女性の農村での立場についてご意見を聞かせてください。 投稿者 東京音頭 日時 2006 年 4 月 04 日 21:55:54)
東京音頭さん、
こちらも、私はほとんど知らないのですが、
東京音頭さんの問題意識には共鳴します。
林業を、外国人労働者にやってもらう、という話は以前聞いたことがありましたが、
農業についても外国人がやっているというのは知りませんでした。
また、農村男性と結婚する女性が少ないというのは、ほとんど意識になかった、というような次第です。お恥ずかしい限りです。
農業協同組合新聞から、外国人労働に関連する記事を二つ、掲載させていただきます。
少しでも参考になれば幸いです。
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http://www.jacom.or.jp/kensyo/kens101s05070803.htmlより一部抜粋。
農地法の「耕作者主義」は利用集積の妨げではない
梶井功 東京農工大学名誉教授
農地制度を「利用」の観点から、さらに法改正し新制度の導入も行うべきだとの中間報告を日本経済調査協議会の農政改革高木委員会が発表した。農地制度については今国会で農業経営基盤強化促進法の改正が行われたばかり。なぜ、さらに改正が必要なのか。中間報告の狙いと議論の問題点について今回は梶井功東京農工大学名誉教授に指摘してもらった。
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梶井功 東京農工大学名誉教授
かじい・いそし 大正15年新潟県生まれ。昭和25年東京大学農学部卒業。39年鹿児島大学農学部助教授、42年同大学教授、46年東京農工大学教授、平成2年定年退官、7年東京農工大学学長。14年東京農工大名誉教授。著書に『梶井功著作集』(筑波書房)など
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財界の調査機関、日本経済調査協議会が、また「農政改革を実現する」なる提言を発表した。農政改革木委員会中間報告(提言)と副題がついているから、いずれ本報告が出るのだろうけれど、新「基本計画」が閣議決定され、その「基本計画」が1つの目玉的な政策提言とした農地制度改変が、改正農業経営基盤強化促進法として成立した直後を狙って、この農地制度改変に異を唱えるかたちで出てきたものだけに、今後の政策に影響するところが大きいと思われるので、中間報告だがコメントしておくことにしたい。もちろん内容が問題だが、もう1つ木委員会と麗々しく委員会名をつけているのが、私には内容とならんで、あるいはより以上に気になる。元農水省次官、現農林漁業金融公庫総裁の名を冠したこの委員会が、新「基本計画」に基づいて農政当局がとった施策そのものに異を唱えることに違和感を覚えるからである。農地制度は更なる改変を強要されるのだろうか。
「提言」は、新「基本計画」は“極めて不十分”だとし、“農業改革を現実的なものとする”課題提示だと提言を位置づけているが、とくに問題にしているのは農地制度についての新「基本計画」の提議、それに基づいて農水省がとった経営基盤強化促進法改正についてである。
私も新「計画」には不満を持っている。不満どころか、基本法が「計画」改訂に当たって心すべしと規定している視点を踏まえることなしにつくられた新「計画」の実効性には多大の疑問を持っているし、食料自給率は引上げどころか、引下げになるのではないかという危惧を持つ。が、その疑問、危惧は、日経調が問題にしていることとは全く逆に、今、農政が問題にすべきは農地制度などではないのに、そこに問題を押しつけているところに誤りの根源があると私は考えているが、この点については全農林刊『農村と都市を結ぶ』誌6月号の拙稿の一読をお願いしてここでは論じない。以下では、「提言」は農地制度に力点を置いているのだが、農地制度を本当に検討したのか、その問題点をあげておきたい。
(中略)
◆目的は株式会社の利潤追求にありか?
本音は超低賃金外国人農業労働者雇用による農業経営を株式会社ができるようにせよということか。それは御免蒙りたい。
提言の終わりの方に、こういう一節があった。
“アジア諸国とのFTA・EPAの先にはアジア共同体構想さえ議論されている。このような流れの中で農業のあり方を考えるならば、農産物の貿易だけでなく、労働や資本の自由化、援助・技術協力を含むアジア地域内の政策やルールの共有・共通化を視野に入れておくべきだろう。途上国からの農業労働力が利用可能になれば、日本の農業生産構造も変わってくるし、逆に日本の農業技術や資本移転がアジアの農業を変えるかもしれない”
超低賃金外国人農業労働者雇用での営農なら、まさしく今の低迷している農産物価格のもとでも、株式会社は利潤をあげることができよう。農業参入の自由化をしつこくいってきた財界の本音はここにあったのだろうか。それで日本の農業生産構造を変えようというのである。日本人による日本農業はいらないということだが、とんでもない話である。
(2005.7.8)
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http://www.jacom.or.jp/column/kora112/kora112s03111002.htmより。
コラム
つくば山麓 野良だより
農家のプライドと現実
稲穂が黄金色に頭をたれ、いよいよ収穫真っ盛りを迎えた筑波山麓では、今あちこちでコンバインのエンジン音が鳴り響き、荷台にコンテナを乗せた軽トラがならぶ。30キロ以上あるもみ袋を、奥さんや子ども達がせっせと運ぶ風景はすっかり見られなくなった。米農家にとって、田植えから始まり、最後の刈り取り。年に一度の最大のイベントである。それはまた1年に1日か2日しか使われない田植機やコンバインが大活躍する場でもある。収穫の喜びと共に、1ヘクタールや2ヘクタールの田んぼにこんな過剰投資を…?といつも考えさせられる。当地方では昨年に比べ、10アール当たり1〜3俵の減収だと言われている。そしていわゆるヤミ米は1俵数千円の値上がりだとか。
今朝、東北岩手県の友人に電話した。米の収穫見込みは良い人で平年作の5〜6割、ひどい人は皆無か1〜3割だと言う。もう一件の農家の母親も『全然ダメだ!今年は買って食わねばなんねぇ…』と吐き捨てるように言って、早々に電話を切られた。(収穫は場所によってかなり開きがあるので、現状では断定できない。)1番悲しかったことは『米に頼る農家が多いので地域全体がすっかり元気を無くしている。』という話だった。また北海道の友人は、今年農業に見切りをつけて、かなり離農が進むのではないか…と心配しているという。折しも“作物泥棒”の異常発生!何ともやりきれない気持ちになる。
先日、我が“グリーンサミット大和”で、消費税の学習会が開催された。今年から課税売上高が1000万円を超える場合は消費税の課税対象となるからだ。講師はつい数年前まで農家を徴税でいじめていた(?)と自称する「元税務署員の先生」。税理士になってみて初めて、『農家から税金を取るほど農家が儲かっていないことがよく解った!申し訳ないことをした!』と言われた言葉が、いかにも本音らしくて、面白かった。真壁郡一帯は小玉スイカと抑制トマトの一大産地を築いている。あれほど資材や農薬・肥料を投入しながら、消費税の対象農家になっていないことは学習会の後の“飲み会”で酒を酌み交わすほどに…明らかになってくる。『とてもじゃないけど、ホンとはこんなところで酒飲んでる余裕ねんだ!』みんなプライド(?)があるから資材代払えないなんて言わない。今年はスイカもトマトも大幅な減収だ。これが農家の現実だと改めて思う。
一方かつて『白菜御殿』が建った筑波山麓のあっちの地域では、『まるで、外国に来たみたい!』と言われるほど、外国人を雇用しての大規模な農業経営が展開されている。こちらもまた生き残りをかけた壮絶なバトルが日々繰り広げられている。法人化して仲間と組織化したり、出荷組合を新たに作った農家もいる。しかし、彼らは「御殿」に住んでいても、実は大半の農家は、畑で朝も昼も“野良弁”をかき込みながらの生活で、ゆっくり家庭の団らんを楽しむゆとりがない。おそらくサラリーマンの2倍近く働いているのではないんだろうか?これも日本農業の現実である。(茨城県大和村在住 農業) (野沢 博) (2003.11.10)