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(回答先: 朝日 取材に不十分な点認める [NHK] 投稿者 あっしら 日時 2005 年 10 月 01 日 00:46:47)
旧日本軍の従軍慰安婦問題を扱ったNHK番組の改変報道に関し、朝日新聞は30日、外部の有識者で作った委員会の見解と、これを受けた同社の見解を発表した。また、朝日の詳細な取材内容が月刊誌に流出した問題の責任をとり、幹部の処分も決めた。
朝日新聞は、どこか勘違いをしているのではないか。これが率直な感想だ。事実関係が何ら解明されていないからである。
自民党の安倍晋三幹事長代理や中川昭一経済産業相らがNHK幹部を呼び出したのか。中川氏は放送前に幹部と会っていたのか。関係者の争いになっている点について、朝日新聞は外部委員会の指摘を受けて取材の詰めの甘さは認めた。しかし、「訂正はしないという判断は理解できる」という委員会見解を受け入れ、「ご理解いただいた」などと述べるのみだ。
訂正しない、この件は謝罪しないというのも報道機関として一つの判断だろう。だが、改変問題を朝日が報じてから9カ月近く経過した今、国民が知りたいのは有識者の評価などではない。かねて疑問が寄せられてきた「取材記者はNHKと政治の関係より、本当は安倍氏らの歴史認識を批判したかったのではないか」といった取材意図も含めた事実だ。
この日の記者会見では、関心を集めていた取材テープの存在の有無も相変わらず明らかにせず、取材資料の流出元も「特定に至らなかった」と発表したのみである。
流出問題は、朝日新聞が7月25日朝刊で掲載した検証記事よりもその後、発売された月刊誌の方が取材相手だったNHK幹部との一問一答などはるかに詳しい内容となっていたというものだ。社内の流出元を突き止められないというのは、まず取材のプロとして失格ではなかろうか。しかも、この流出はジャーナリズムの自殺行為にも等しい深刻な問題なのである。
仮に流出元が朝日の取材班の一員だとすれば、その狙いは何だったのか。詳細な報道は自社の紙面では無理だとあきらめたのか、他のメディアを味方につけようとしたのか。本来、自らの紙面で決着をつけるべきであり、言い足りない点があれば記者会見をして広く国民に判断を委ねればいい。メディアに属する人間が匿名で他社にリークするのは邪道である。
取材班と無関係な人間とすれば自社の対応が不満だったのか。混乱を起こそうとしたのか。まさに問われている「朝日の体質」の問題に直結する話ではないか。
取材テープについても同様だ。既に多くの人は、あれだけ詳細なやり取りをメモもとらずに再現できるとすれば、隠しテープをとっていたに違いないと思っているはずだ。それを否定も肯定もできないのは、朝日では「取材内容の録音は相手の了解を得るのが原則」としているからではないのか。つまり組織防衛によるものだとにらんでいるのだ。
どうして、この期に及んでも、すべてを明らかにしないのか。報道機関自らが事実を覆い隠していては次の議論には到底進めない。
毎日新聞 2005年10月1日 0時31分
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20051001k0000m070151000c.html