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(回答先: 日本人のデータも、やる気さえあればすぐにでも出せる。現在、無用な人体実験進行中。 投稿者 memento mori 日時 2005 年 6 月 22 日 19:07:33)
前項の書き方では、「ゲフィニチブはやめてしまえ!」と主張していると、誤解を招くと思いますので、補足します。
これ以上、漫然と変異のないケースも含めてゲフィニチブを使い続けることは犯罪的だ、という主張です。
既に、ゲフィニチブの標的分子(EGF受容体 EGFR)の変異が効果と密接に関連する事が明らかである。そして、変異のないケースではほとんど無効であることも確実そうだ。
となれば、ゲフィニチブは副作用の強い薬だから、遺伝子変異のあるケースのみに使う、変異のないケースには使わない、といった指針がはっきりと打ち出される必要がある。
検討会で指摘されてきた、「女性に効き易い、非喫煙者に効き易い」といった性格も遺伝子の変異の現れかたと整合性を持つという観察(光冨徹哉 Mainichi Med. J. 1(3), 294-297, 2005 に解説記事有) で説明される。
スレッドの冒頭の記事は、第3回日本臨床腫瘍学会総会での報告
(http://www.mtz.co.jp/jsmo3/program2-p.html)などによるものと推察される。
有効なはずの変異であっても、さらに別個の変異があると、効果が薄くなる、という主張である。まだ原著を拝読していないが、これが知見が定着すれば、ゲフィニチブを使う前に、これまでチェックしていた変異部位に加えて今回わかった変異部位もチェックする事になる。
科学の成果は、学会発表や論文の形で「こういう方法で、ここを調べたところ、こういうことが判った。皆さんもやってみてくれ。」という形でおこなわれ、急速にすべての人に共有化されてゆく。
実際には臨床の現場に普及させる必要がある。 しかし、追試に必要なPCR-RFLP法自体は簡単な手技で、どこをどのように調べるかさえ判っていれば(これが学会で発表される)、中学生でも出来る。(この手技を中学生に対する体験学習で実施している大学もある。)費用については、まっさらから立ち上げても100万円、既に何らかの遺伝子診断をしている施設なら数千円のプライマーオリゴDNAを用意するだけで、追試可能です。
厚労省の認可をとって保険適用になるまでは検査費用は病院の持ち出し状態で、いくつもハードルを越えていかねばならんのですが、まともな医者ならばたぶん、ゲフィニチブを使う前に「持ち出しでも」検査をしようとするでしょうね。たとえ、特許の網がかけられていても、お金を取らないで(この検査については非営利だからといいわけをしつつ)、検査をしてからゲフィニチブを使うでしょう。
薬剤メーカー(とその子飼いの研究者)に任せっぱなしにすると開発費用の回収のために漫然と適用拡大をしたり、ネガティブなデータを出来るだけ無視しようとする。 私は、こういうところにも医療自体を営利と切り離す必要性があるのだ、と考えております。
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