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(回答先: 新たな患者へのイレッサ使用に警告 米FDA[毎日]/遺伝子変異で効果を予測 肺がん治療薬のイレッサ[共同] 投稿者 ネオファイト 日時 2005 年 6 月 22 日 12:22:40)
岩波 科学 75巻5号 2005 p563-570
日本の医学医療と薬害
浜 六郎 NPO法人医薬ビジランスセンター
より
ついに全容が判明した「分子標的薬」イレッサの無効と危険性
イレッサは,がん細胞だけを選択的に攻撃する「分子標的薬」と印象付ける宣伝がされ,すでに10万人近くに使用された.しかし実は正常細胞をも標的とする物質であったため,3000人以上の死亡者を出したと推計される.米国では日本より約10ヵ月遅れで承認されたが,承認前後から実施されたプラセボを対照とする臨床試験で,延命効果が証明されなかったことが2004年12月に判明.このため,メーカーは欧州での承認申請を取り下げ,米国でも中止が検討されている.
日本では合計4回の検討会が開催されたが,メーカーが「東洋人では延命効果が示唆された」とする臨床試験(ISELという名の臨床試験)の客観的根拠は提示されないままであった.生存期問に大きく関係する診断からランダム化までの期間(もともとの生存期問の長さを反映する指標)の大きな偏りを調整せずに「延命効果」を主張しているからである.
これまでの議論では,ISEL試験でたとえ寿命延長が証明されなくても,たくさんのデータが集積している「遺伝子変異のある人での腫瘍縮小効果は劇的」であることに望みをつないでいるように見えた.ところが,第3回検討会で提出された資料で,その望みを絶つデータがすでに出ていた.過去に実施された合計2000人超を対象にした延命効果をみる2つの臨床試験(INTACT-1と同-2)の対象になった人の遺伝子解析をして,変異のあった人でイレッサ群とプラセボ群との比較がされ,両群で,生存期問に全く差がなかったのである.
これは決定的なデータである.全体として生存期問に差がなくとも,「遺伝子変異がある人に限れば生存期間が延長する」なら,それらの人に限って使用することで,イレッサを使用する価値はあるかもしれないと,一縷の望みはあった.しかし,それも否定されたことで,イレッサの肺がんへの使用の根拠はもはや全く在くなったといえる.
ようやくそのおかしさが認識され,寿命の延長効果を承認の条件にすべきことを,このほど日本癌学会が意見としてまとめた(「原則として」との条件付で).
URL;
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=Pcml010&BID=495040148
(なぜかつながらない。)
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