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(回答先: 日銀総裁:長期国債買い入れ、当面は規模を維持との考え [毎日新聞] 投稿者 あっしら 日時 2005 年 10 月 21 日 02:07:09)
2005年 10月 20日 木曜日 19:58 JST
[東京 20日 ロイター] 福井日銀総裁は、参議院財政金融委員会における日銀半期報告(通貨および金融の調節に関する報告書)質疑のなかで、日本の長期金利は非常に低い水準にあるとの認識を示した。また、量的緩和を解除する際の長期国債買い切りオペの取り扱いについては、「長い方向性としては当然減らしていくことになる」としたうえで、できるだけスムーズな調整を図っていく意向を示した。
こうした福井総裁の発言を受けて、金融市場では、長期金利が一時1.545%に急上昇した。
<円安/ドル高は日米金利差が影響>
福井総裁は、長期金利の動向に関して、「現在、世界的に長期金利は低い。日本の市場においても、長期国債の金利は非常に低い水準にある。今、直ちに国民の財政規律に対する不信感がなく、リスクプレミアムが非常に小さい状況になっていると思う」と述べた。
今後、景気がさらに回復しデフレから脱却した段階においても、「国債についてリスクプレミアムを発生させないように、財政規律がさらに強められていくことが非常に大事なポイントだ」と語り、財政規律の重要さに言及した。
1ドル=115円台で推移している為替円安の背景について、白川理事は、「米国では原油価格の高騰や相次ぐハリケーンの来襲があり、インフレ方向でのリスクが意識され、金融政策面では緩やかな利上げが続いている。こうしたなかで、米国の金利の先高観が強まっていることが、日本経済が回復を続け株価も上昇しているにもかかわらず、円安が進行しているということの背景」と分析。「今後とも、為替市場の動向やその実体経済面への影響については良くみていきたい」と述べた。
<国債買い切りオペ減額はスムーズに、市場に予見可能性>
福井総裁は「(量的緩和の)枠組み修正の過程、あるいは修正が終わった後、金利レジーム枠組みに戻った後の金融調節の具体的な中身をどうするかは、まだまったくオープンだ。そこまで先行して詰める必要はまったくない。その時の金融情勢と合わせて、円滑に金融調節を進められるようなアジャストメントをしたい、ということに尽きる」と述べた。
そのうえで、月1兆2000億円の規模となっている国債買い切りオペの取り扱いについては、「将来を見渡したとき、長い方向性としては当然減らしていくことになると思うが、これもまた一瀉(いっしゃ)千里に早めに調整することが本当に市場に対して円滑な調整になるかどうか、やはり市場条件を大事にしながら、われわれとしてはできるだけスムーズな調整を図っていきたい」とした。
さらに、総裁は、「市場関係者に十分予見可能性を与えながら、この調整を進めていくことがわれわれの責任」と語った。
また、償還国債の再乗り換えについて、武藤副総裁は、「今後、どうなるかは、年度ごとに政策委員会で決定するもの。国債償還の集中に対応して実施するものであり、こうした取り扱いを常態化させるつもりはない」と語った。
<量的緩和解除は金融引き締めへの転換点にあらず>
福井総裁は、量的緩和の枠組み修正について、「いつかという議論が少し先行して世の中に走りすぎているという感じを持っている」とし、具体的な解除の方法についても、「時期が特定しておらず、具体的な解除の仕方は政策委員会であえて議論を進めていない。これから、客観情勢がきちんと解除の条件に向かってさらに進んで行く過程の中で、政策委員会の中できちんと議論をして、煮詰めていかなければいけない課題」と位置付けた。
ただ、緩和解除については、「日銀は金融引き締め過程にまっしぐらに入るかといえば、われわれはそういう感覚を全く持っていないことを、まずご理解いただきたい」と言う点を繰り返し強調した。
総裁は、量的緩和政策を「日本経済の非常事態に適応した異常な金融政策の枠組み」と位置付け、「経済がある程度正常な姿に戻ってきた一つの通過点を示す(もの)。その通過点において、あまりにも異常な金融政策の枠組みを、通常の枠組みに戻すという時点を単に示している」と説明した。
また、「経済・物価の情勢が正常化すればするほど、(量的緩和政策は)実態にそぐわない政策になってくる。金融政策で一番いけないことは、実態から離れた政策をいつまでもやること。それは、後からツケが非常に大きくなる」と述べ、金融政策が後手に回ることのデメリットを指摘した。
量的緩和解除に当たっては、景気回復の足取りの確認やユニットレーバーコスト・需給などを点検し、「そう簡単に物価が再びマイナスになることがない、という判断をしたうえで行う」とした。
<超過準備抱える間は、ゼロ金利近傍で推移>
量的緩和解除時点の短期金利の動きは、「その時の経済情勢いかんにもよる。今から具体的な数字で予測することはできない」とした。
さらには、「量的緩和政策の枠組み修正後は、名目でも実質でもゼロ金利で再スタートする。将来(金利政策を)どう展開するかは今後の経済、物価情勢次第だ」と語った。
ただ、量的緩和の枠組みは、1)所要準備を上回る資金の供給、2)CPIコミットメントの2つからなっているとし、「日一日経過するごとに、時間軸効果は短くなっていく。実態はゼロ金利そのものに刻々と近付いている。量的緩和の枠組み修正の時点になれば、時間軸効果はほぼゼロになり、残っているのはゼロ金利」と解除の過程を説明。そのうえで、所要準備額を大きく上回る超過準備を抱えている限り、「短期金利はゼロないしそれに非常に近いところに収れんする圧力が常に働く」との認識を示した。
どの程度のテンポで超過準備を圧縮するかは、「最終的には技術的な問題」としながらも、「市場に摩擦を起こさせないで、過剰準備の状況に慣れた金融機関の資金担当者が戸惑うことがないように、スムーズに流動性の調節ができれば一番理想的だ」と述べた。
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