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Re: 過剰流動性の落とし穴:負債とのバランスで水面下にあるフロー資産
http://www.asyura2.com/0505/hasan42/msg/340.html
投稿者 姫 日時 2005 年 9 月 13 日 02:13:40: yNQo0naya4Ss.
 

(回答先: Re: 生き残りケインジアン生還を果たすか? <−− ”気”も大事では。 投稿者 健奘 日時 2005 年 9 月 12 日 20:52:05)

マネーフライトでおきたキャピタルゲインは消費性向を高めるか?
http://www.chibalab.com/news_otoshiana/documents/050813.htm
千葉邦夫のニュースの落とし穴
郵政法案が「否決」された瞬間、小泉首相は、議会制民主主義制度を無視して、本音を剥き出しにした。小さな政府になるという「構造改革」の、聞えの良い怪しげなスローガンを武器にして、手段を選ばない「弱肉強食」の選挙態勢に強引に突入してしまった。造反議員狩りのために、最初から某広告代理店と組んで計画していたようである。私の予想は外された。

そんなわけで、これで日本はまちがいなく大きく変わる。いままで10%の金持ちと、10%の貧乏人と、残りの80%が中産階級で成り立っていた社会から、小泉・竹中コンビの唱える素敵な「構造改革」の実現で、世界一豊かだった日本の80%の中産階級が完璧に「崩壊」して、おそらく20% ~ 30%くらいに縮小してしまうと思われる。

そのかわりに、年収が280万以下の貧しい階級が一気に増えて、私たち国民の60% ~ 70%くらいを占めることになる。そして残りの10%が、金持ちのままで変化ナシである。素敵なアメリカの社会は、すでにそうなってしまっているから、アメリカ人からしてみれば、日本もそうなって当然なのである。いままでそうならなかったのが、むしろ不思議でしょうがないのである。

いま、世界の全貿易の取引の内訳はこんな感じである。3分の1は同一企業内でおこなわれている。つまり多国籍企業であるナイキとナイキ、マイクロソフトとマイクロソフト、デルとデル、ウォルマートとウォルマート、シェルとシェルといった取引である。もう3分の1は多国籍企業間の取引である。ようするに、 IBM と GE などの多国籍企業同士の取引である。ということは、残りの3分の1だけが本当の意味での国家間の貿易ということになる。ところがこの本当の国家間の貿易の割合のほうは、限りなく減り続けているのである。

多国籍企業は、成長と効率を最優先し、それ以外の価値をすべて排除する力学で動いている。市場経済の目的は、あくまで利潤と富の蓄積であり、それが効率性の証明となる。そして利潤は金融市場を通して素早く投資され、その素早い投資がまた新たな利潤を生むサイクルを再創造することになる。この市場経済の生産性向上の報酬として、社員が受け取ったものはなんと「解雇」だったのである。あらゆる国や地域を移動する多国籍企業の生産性が効率を増す一方で、その社員である労働者は、その忠誠と努力に対して「減収」や「リストラ」をもって報いられるのである。世界的なグローバリズムによってホッブスの言う「万人の万人に対する戦い」が、市場経済という世界的な「目に見えない戦場」で勃発しているのである。

基本に戻って考えるなら、すべての人間は、一生懸命働いてモノやサービスが売れれば、お金が入ってきて豊かになれるはずである。ところが今、日本企業が稼いだ“富”は、自分で自由に使えない仕組みになっている。宗主国アメリカの“属国”のひとつに過ぎない日本の私たち国民は、自分たちの手で稼いだ私たちの“富”を、自分たちの手の届かないところに、まるで魔法のように奪われてしまっているのである。

基本的に経済オンチである小泉首相は、国際金融財閥等のグローバリストたちが日本の経済を意図的に縮小させてダメージを与えるために、政治家、財政学者(御用学者)、マスコミ、官僚等に、日本は500兆円もの借金を抱えてしまっているから、「国はこれ以上の借金を増やせない」という「財政危機ファンタジー」を戦略として吹き込んだのである。最近になって、さすがにあちこちで国際金融財閥たちのインチキがバレはじめている。

小泉・竹中コンビは、国民受けしやすい緊縮財政を断行することで、「小泉構造改革」によって多少痛みを伴うが、みごとに財政再建してみせるというグローバリストたちが考え出した「財政危機ファンタジー」という国民受けしそうな幻想物語を、喜んで演じてみせたのである。 97 年当時、財政当局も、それにしっかりと調子を合わせ“ 500 兆円借金限界説”という「ウソの財政危機」を様々なメディアを通して吹聴して回った。これに日頃から公的部門の非効率に不満を抱いていた国民が呼応して、国際金融財閥たちが企んだ通りに、「財政支出は悪である」という世論のコンセンサスが完全に出来上がってしまったのである。


まず、バブル期の銀行の対応を思い出して貰いたい。金融引き締めとともに銀行の保有する土地の買い手を、恐喝まがいに取り付けていった。週単位で保有名義が入れ替わる資産。それと似た今回のM&Aバブル。毎日のように買収のニュースが踊る。株を担保に借り入れると破たん処理の担保査定で半額が付けられるという。証券など譲渡可能債権を安く買って高く売るのがロックフェラー仕込みの金融論しいては、ケインズ学派なのである。

インフレとデフレを交互に繰り返すことによって、資金流動性を持たせることがケインジアンの掟といっていいくらい、実例が世界に転がっている。

不良債権処理問題をトップアップ方式で、株を買うことにより、減らそうというのが調整インフレ。やはりまた、紙幣をプリントすることによって解決させようとしている。しかし、負債と資産のバランスから見て、戦後、何百倍にもなった土地や株券などの担保資産を借り入れによって支えているのは一目瞭然であり、労働者の給与は上がったが(土地ほどではない)、物価がこれだけあがると、生活さえやっとだ。家計負担は増すばかり。

右肩上がり経済を持続させようと、負債を膨らませて、GDPを押し上げている。イギリスでは若者は賃貸の家さえ借りれず、住民票がないという理由で、職にもつけない。

保険証の切り替えで日本もその道を歩み始めている。

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