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(回答先: 原油高による米経済減速懸念で111.61円→111.23円、原油新高値70.85ドル/ニューヨーク外国為替市場概況 投稿者 愚民党 日時 2005 年 8 月 31 日 06:53:48)
原油高でルピア急落――財政赤字拡大懸念が台頭(マーケットウオッチャー)
掲載日:2005/08/27 媒体:日本経済新聞 朝刊,20面
インドネシアの通貨、ルピアが急落している。原油価格の高騰をきっかけに、石油補助金の増大で財政赤字が拡大するとの懸念が台頭。インフレ率も上昇し、中央銀行による利上げやルピア買い介入も目立った効果をみせていない。
▼…二十六日の東京市場でルピア相場は対ドルで一時、一ドル=一万四五〇ルピア前後に下落。約三年七カ月ぶりのルピア安・ドル高水準をつけた。八月に入ってからの下落率は六%を超えている。
ルピア安のきっかけは原油価格の高騰だ。インドネシアは原油輸出国でありながら、国内での石油精製能力が低く、ガソリンなど石油製品の大半を輸入に頼っている。
政府はガソリンなどの価格を抑えるため、多額の石油補助金を負担して石油価格を米国の半分程度に抑え込んでいる。ところが原油高により補助金は今年百三十兆ルピア強に膨らんで財政赤字が拡大。原油高が長引けば百五十兆ルピアに迫るとの試算もある。国民の反発を押し切って補助金カットに踏み込むのも難しい。
自動車の普及で同国のガソリン需要は増加する一方。原油高に加えた輸入増で石油製品の価格も上がり、輸入に伴うドル買い需要が膨らむとの思惑もルピア売り・ドル買いにつながっている。市場では「原油高によるルピア安はかなり構造的な問題で、早急な解決は難しい」(UFJ銀行資金証券為替部の上村彰宏バイスプレジデント)と悲観的な見方が強い。
原油高でインフレ懸念も広がってきた。消費者物価の上昇率は二〇〇四年初には五%程度だったが現在は八%に迫る。中央銀行は八月上旬に政策金利を八・七五%に引き上げたが、ルピア安是正にはつながっていない。
▼…ルピア急落をよそに、タイバーツやフィリピンペソなど他のアジア通貨は落ち着いている。原油高に弱い体質はアジア新興国に共通だが、インドネシアの補助金制度による財政赤字増のような明確な売り材料がないため、海外投資家は冷静に対応している。
一九九七年のアジア通貨危機を教訓に、アジア各国の通貨当局は対外的な資金繰りが苦しくなった国に対し自国が保有する外貨を融通し合う「通貨スワップ協定」を締結。これもアジア通貨の危機を言う声が聞こえない遠因となっている。
▼…ルピア安とインドネシア株安が円相場や日本の株価に与える影響は少なそうだ。米欧の投資家は国際的な資金配分を決める際に、日本と日本以外のアジア新興国(NJ=ノン・ジャパン・アジア)を別々に計画している。
原油高が日本経済にマイナスの影響を及ぼす面はあるものの、当面は「景気回復と小泉純一郎首相の構造改革に対する期待を背景に、円相場と日本株には引き続き上昇圧力がかかる」(バンク・オブ・アメリカ東京支店の熱田龍一為替資金部長)との見方がもっぱらだ。(N)
http://my.reset.jp/~adachihayao/050827R.htm