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(回答先: NY原油(25日):最高値更新、暴風雨フロリダ州に接近-終値67.49ドル (ブルームバーグ) 投稿者 愚民党 日時 2005 年 8 月 26 日 05:14:37)
8月26日付・読売社説(2)
[鉱物資源高騰]「異常なのは原油だけではない」
世界の懸念をよそに原油は史上最高値を塗り替えている。そればかりではない。鉄鉱石、非鉄金属など他の鉱物資源も、異様な価格上昇が止まらない。
経済産業省によると、値上がりが始まった2年前に比べ、今年3月現在でバナジウムは6・3倍、モリブデンは7・2倍、インジウムは8・2倍に上昇した。バナジウムは高張力鋼、モリブデンは自動車部品用鋼材、インジウムは液晶パネルに必須の貴重な金属だ。
日本の製造業を支える基礎的な鉱物も原料炭が1・6倍、鉄鉱石が1・9倍、銅が2倍、鉛が2・2倍になった。
価格高騰の背景には、中国の急激な需要増がある。大幅な反落は当分、期待できそうにない。
希少金属(レアメタル)の国家備蓄制度を質量ともに拡充すべきだ。一部の金属で始まったリサイクルを他の金属に広げ、回収率も高めなければならない。
各種鉱物の世界相場は、1979年の第二次石油危機以降、5〜10年に1度短い高騰期が訪れるだけで、長い低迷期が続いた。そのため閉山も相次いだ。
この間、オーストラリアやカナダ、ブラジルなどの大手資源会社は、企業の合併・買収(M&A)で世界の有力鉱山を手に入れた。原料炭では上位5社が世界全体の輸出量の58%を、鉄鉱石では3社が74%を、それぞれ支配する。
寡占化が進む中で、中国の需要が急増した。90年に6900万トンだった中国の粗鋼消費量は、04年には2億5800万トンに、51万トンだった銅地金の消費量は324万トンに増えている。
需要と市場の構造が激変した結果、今は資源会社の値上げ要求を拒めない極端な売り手市場が出現している。
基礎的な鉱物については、日本の商社や鉄鋼、非鉄会社が海外の鉱山に投資しており、供給途絶の不安は少ない。
心配なのは、資源が中国に偏在している一部の希少金属だ。超硬工具に使われるタングステンは国内消費量の87%、プラスチック添加剤となるアンチモンは89%、電子材料に欠かせない希土類は91%を中国からの輸入に依存している。
希土類とタングステンは、中国の輸出制限で供給難に陥った過去がある。
経産省はニッケル、タングステンなど7種類の希少金属を対象とする備蓄制度を、83年に発足させた。しかし、現在の備蓄量は国内消費量の36・7日分で、目標の60日分に及ばない。対象に希土類などを加え、目標達成を急ぐべきだ。
インジウムは、リサイクルが軌道に乗り、安定供給に威力を発揮している。他の金属の需要家も見習う必要がある。
(2005年8月26日1時30分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20050825ig91.htm