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(回答先: ヨーロッパの一部の地域で住宅ブームとなっている要因 (スペイン大丈夫かな?) 投稿者 hou 日時 2005 年 8 月 14 日 15:49:14)
住宅バブルの原因としてここに列挙されたなかで「旺盛な住宅需要と需給のミスマッチ」は英国でもRICSがよく価格上昇を正当化するのに喧伝している、これまた「チンドン屋」的言説である。
実は歴史的低金利によって発生した過剰流動性が圧倒的な原因で、これは各国の中央銀行によって必然的経緯を装って、実は作為的に演出されているとしか言いようがない。
そもそも不動産・住宅バブルが英米で特にひどい形で発生する構造的な要因は、変動金利の住宅ローンである。これによって消費者は金利低下をはじめとする非常に近視眼的動機で住宅を買う。おまけに金融機関にそそのかされて、簡単にbuy-to-letと言われる賃貸経営を始める人が多いことが大きな原因で、住宅需要は実需というよりはこのように、複数住宅購入者による投機的な運用が大きな原因になっている。おまけにここ数年は英国人のこの投機的運用が南欧・東欧など他の地域にまで進出して現地の不動産価格を押し上げて、迷惑を及ぼしている。
ドイツ・オランダなど北欧地域で比較的住宅バブルが発生しない理由は固定金利による住宅ローンが支配的だからである。
英国人の場合、月収の1ヶ月分くらいの貯蓄しかない人々が不動産をガバガバ買うために、失職したりすると、たちまち困窮して住宅を手放さざるをえない羽目に陥る。こちらでは返済不能になると金融機関が住宅を没収して競売にかけるので(価格下落のリスクが100%住宅購入者にふりかかる日本よりはまだましな制度かもしれない)、バブルが崩壊するとそれが個人消費だけが頼りの経済にブレーキをかけ、後はスパイラルで悪化・下落というシナリオになってしまう。
だから今回のバブルは英米の悪しき経済運営・制度が世界中に迷惑をかけている形なのである。バブルがはじければ(もう既に始まっている)半端な影響ではすまないことになろう。