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(回答先: 財投残高三百三十三兆円のうち百兆円近くが不良債権化しているとみる 【日本経済新聞】 投稿者 hou 日時 2005 年 8 月 06 日 22:30:27)
脱「金融社会主義」へ郵貯の民営化を(社説)1995/09/14, 日本経済新聞
自民党総裁選での小泉純一郎元郵政相と橋本竜太郎通産相の論争は日本の経済、金融システムの変革にとって重要な意味がある。小泉氏は郵便貯金など郵政三事業の民営化を主張し、橋本氏は財政投融資は必要であり郵貯も必要だと反論する。国家金融の肥大化は日本の金融システムを衰弱させる。郵貯民営化を突破口に財投を改革し、「金融社会主義」から脱出する時である。
政策論争抜きの票集めに終始してきた自民党総裁選で郵貯、財投問題が議論されていることを歓迎したい。しかし、郵政民営化にへたに賛成すると次の選挙で特定郵便局長の支持が得られなくなるという判断が自民党内にあるのは問題だ。公務員である特定郵便局長が特定の政治集団の集票マシンになっている事実があるのなら、それ自体が徹底的に追及されなければならない。
郵貯民営化論は大蔵族の発想で銀行寄りだと決めつけるのも的外れだ。そのように問題をわい小化するのではなく、日本の経済、金融システムをどう改革するかという視点に立って議論してもらいたい。
金融不安の中で郵貯シフトが起きている。郵貯の残高は二百兆円を超え、個人の預貯金の中で三分の一を占める。零細貯金どころかおカネ持ちの資産運用先である。例えば閣僚の資産公開をみても、郵貯が主役の座にあることがわかる。
国家の信用を背景にしながら、金利や商品性の面で優遇されているのは金融の常識に反する。法人税も固定資産税も免除され、預金保険料を積み立てる必要もない。そんな“国営銀行”が巨大化し、民間の金融機関を圧迫するのは異常な姿である。
その郵貯を主な財源として、財政投融資は急拡大した。「第二の予算」どころか、一般会計予算の一般歳出に匹敵する規模に膨らんだ。それが時代の要請をとっくに終えた政策金融をいつまでもはびこらせ、多くの特殊法人を温存させた。最近、政府系金融機関は急速な金利低下に追いつけず、融資先を失い始めた。巨大な国家金融のメカニズムが矛盾に直面したことを示している。
戦後の経済発展を担ってきた政策金融は撤退期を迎えた。日本経済を国家金融依存から脱出させるには、入り口である郵貯を民営化し分割すべきだとわれわれは指摘してきた。それは政府系金融機関など国家金融の出口での行政改革に直結する。
世界に例のない国家金融が日本経済に根を張るかぎり、金融システムは活性化しない。金融の空洞化にも歯止めがかからない。逆に郵貯を民営化すれば、民間銀行に対する護送船団方式も維持できなくなる。金融システムの機能は強化され、日本経済は元気付くだろう。
銀行に不満を持つ人も郵便局には親しみを感じている。しかし日本人の巨大な貯蓄が郵貯に向かうことがおカネの流れをゆがめ金融不安を深刻化させるとしたら、日本の不幸である。どんな制度にも存続に足るそれなりの理屈はある。それにうなずいているだけでは、日本経済を危機に追いやるだろう。