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(回答先: 【米経済コラム】30年国債めぐる米財務省の四苦八苦−C・ボーム [ブルームバーグ] 投稿者 あっしら 日時 2005 年 8 月 05 日 02:58:43)
8月5日(ブルームバーグ):30年物米国債の発行再開で誰が勝ち組になるのかを見極めるのは難しくない。投資家は投資対象が広がり、家計にとっては将来のための資産運用に活用できる。米政府は借り入れコストの低減につながる可能性がある。そうしたなかで、少なくとも一人の負け組が出そうだ。それは、日本だ。
日本の国債市場は世界最大の規模だが、国際化の面では世界で最も遅れており、日本国債の約96%は国内で保有されている。日本の当局者は市場の拡大と借り入れコストの低減を目指して欧米で投資家向け説明会を開き始めているが、2006年第1四半期(1−3月)に米国が30年国債の発行を再開すれば、状況は一段と厳しくなりそうだ。
日本も長期国債を発行しているが、世界の準備通貨であるドル建ての米国債市場にはかなわない。米国債の方が日本国債よりも流動性は高く、加えて米国債の格付けはトリプルAだ。
しかし、こんな状況下でも希望の兆しはあるようだ。米国の30年国債復活が、欧州で根を下ろした50年国債の発行という構想を日本に受け入れされるかもしれないからだ。そうなれば、日本の債券市場の国際的地位を押し上げる可能性がある。
欧州に追随
フランスや英国などの国は現在、年金基金など高齢化進展のリスクに対応した運用をしている投資家を支援するため、50年国債を発行している。米国はまだ、こうした欧州の動きに追随していないが、超長期国債の発行開始は時間の問題だろう。
日本は優柔不断で、アジアの先陣を切る機会を逸している。日本では急速に高齢化が進んでおり、公的年金制度の負担が高まっている上に個人投資家による国債購入の普及が進展していない。
日本が超長期国債の発行を留保しているのは、長期借り入れコストの上昇リスクが一因だ。長期国債購入に特有の不確実性を理由に投資家は高い利回りを要求するため、この心配は妥当なものだと言える。だからといって、日本政府当局者はあきらめてはいけない。第一に、需要は問題にはならないのだ。年金基金などのさまざまなファンドが長期の支払い義務に備えたポートフォリオの構成を目指しており、世界に長期債が不足しているのは間違いない。第二に、日本の当局者は国債市場の平穏を維持することに熟練している。
聖杯
日本は国債市場管理の聖杯を見つけたようで、大量の国債を発行しても、通常見られるような金利急騰を招いていない。国内総生産(GDP)に対する国債発行額の比率で見ると、日本は世界の先進国で最も高いが、10年物日本国債の利回りは1.37%にすぎない。10年物米国債利回りが4.30%であることを考えると、日本の当局者の腕の良さは明らかで、市場もそれを承知している。
50年国債の発行は日本の国債市場の国際化に大いに役立つだろう。日本の当局者はかつて、外国人投資家が日本国債を購入すれば日本の財政・金融は外圧に弱くなると考えていたものだが、最近ではその姿勢を転換し、顧客層の拡大を目指している。
ただ、海外投資家による日本国債の購入を拡大することは、言うは易く行うは難しだ。人口の高齢化が進むなか、力強い景気回復が見られなければ、日本の債務は膨らむばかりで、海外投資家を不安にさせかねない。
10年国債に投資する人なら、償還日までに日本経済がデフォルト(債務不履行)に陥ることはないと考えるだろう。だが、小泉純一郎首相の公約に反して日本の債務が今後も膨らんでいけば、50年国債の投資家は不安で落ち着かなくなり、市場で高い金利を要求することになりかねない。そうすれば、日本の財政・金融はかつて経験したことのない方法で監視を受けることになろう。
いずれにせよ、50年国債は世界の債券市場にとって次の一大事だ。国債発行で世界最大の日本が加わらなければ、皮肉なことだろう。日本は米国との競争激化に直面しそうな気配があるだけに、なおさらそうだ。(ウィリアム・ペセック・ジュニア)
(ウィリアム・ペセック・ジュニア氏は、ブルームバーグ・ニュースのコラムニストです。このコラムの内容は同氏自身の見解です)
原題:U.S. Long Bond Returns to Haunt Japan's Debt: William Pesek Jr.(抜粋) {NXTW NSN IKQ6OQ0UQVI9 更新日時 : 2005/08/05 14:43 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/commentary.html