★阿修羅♪ > 国家破産41 > 589.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
(回答先: 人民元切り上げ 産業界は… 小幅ひとまず安堵、情勢次第では明暗 【産経新聞】 投稿者 愚民党 日時 2005 年 7 月 22 日 05:57:16)
丸紅経済研究所顧問・西田健一氏
国際ルールに則った経済促進
このタイミングでの切り上げを中国が選んだことに、最も注目する。中国国民に「外圧ではなく自らの判断で選択した」と十分に理解させることが狙いだろう。
中国の外貨準備高は六月末に七千億ドルを突破し、日本を抜きそうな勢いだ。いつかは人民元を切り上げなければならないのは、誰の目にも明らかだった。だが、いつやるのか、それが中国には一番の問題だった。
九月に胡錦濤国家主席が訪米する。その後の切り上げでは、外圧に屈したとの印象が国民に残る。それを避けるタイミングを慎重に選んだはずだ。自国の判断だけで実施したと国民に印象付けられるのは、今しかなかった。
切り上げ幅については5%前後と予測する向きが多かったが、それはありえないと思っていた。5%にもなると経済に明らかな影響が出る。2%ならば、製造、卸、小売りのビジネスのいずれかの段階で吸収できる。影響の表れ方も緩やかになる。それを狙って選択した数値だ。
中国政府は2%の影響がどう出るか、慎重に見極めるだろう。世界各国との貿易に与える影響、そして国内経済に与える影響を分析する。
制度がありながら使われていなかった「前日比で上下0・3%以内」という変動幅を、おそらく今後は使ってくるだろう。2%切り上げの影響を見た上で変動幅を使うはずなので、そのやり方をみれば、中国の今後の考え方がわかる。じっくり見極めたい。
日中貿易に与える影響は、決して大きいとは思わない。短期的にみれば、中国で製造して輸出する企業は採算が厳しくなる。だが、中国での原材料輸入価格は安くなるから、2%程度なら大丈夫だ。
大きな流れの中で人民元切り上げをみれば、世界経済にいい面もある。中国が「世界の工場」と呼ばれるまでになったのは、安い元のメリットを生かして中国での生産・輸出を促進したから。今度は元切り上げで中国の輸入が促進され、「世界の市場」への変貌(へんぼう)が後押しされる。
強くなった人民元で、中国企業の海外投資は必ず増える。中国企業の経済活動が世界的になれば、世界ルールにのっとったビジネスが促進される。(談)
http://www.sankei.co.jp/news/morning/22kei002.htm