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(回答先: すみません前の文章は正確さにかけていました。財政破綻がなぜ起こるのか?(歴史的に) 投稿者 縄文ビト 日時 2005 年 7 月 15 日 10:34:38)
>J超のつかない歴史的と見ています。最初に貨幣を発明した人、それは等価的価値を
>持った(例えば手っ取りばやく言えば金など)品物との交換からだといえます。ただ
>そこでは物と物との交換ですからそれは交換した時点で終了してしまいます。しかし
>そこに貨幣としての要求の一致を満たすキンなどとの交換であれば、価値が失われな
>い限りいつまでも交換が続いていきます。そこには国としての信用が無くても商人同
>士が便利なものとして使っていきます。ただキンという限られたもので有れば増刷と
>いう拡大はしませんから、物としての価値の上下はありますがインフレになるという
>危険性はありえないはずです。
>>A※ 以前書き込みしたことがありますが、「物々交換→貨幣の成立」という見方
>>は、論理的には言えても、歴史的経緯ではないと思っています。
>J上に書いていますので歴史的な経過として見られるのではないですか
物と物の交換に価値が失われない貨幣が使われることが大きな問題だと考えています。
(貨幣の材質は貴金属でも紙切れでもかまわない)
貨幣の本旨が物と物の交換を媒介することにあるのなら、交換が終わった時点で無効化されなければ辻褄が合いません。
逆に言えば、物々交換を円滑にすることが目的なら、価格尺度(価格表示機能)だけあれば済むことで、物理的存在としての貨幣は不要です。(細分化できないものもあるという商品の分割制約の問題は貸借管理(将来の帳尻合わせ)でクリアできます。物々交換経済社会が存在したのならそれに類似する手法が採られたはずです)
物々交換経済と貨幣経済は似て非なるものだと言えます。
(物々交換経済社会自体がほとんど存在しなかっただろうと思っています。余剰生産物の交換であれば相互贈与(互酬)で代替できるからです)
貨幣の本質的機能は、物々交換の仲介手段ではなく、蓄財手段や他者の活動成果の購買手段にあるのではないですか。
Aさんがイ商品を売って貨幣を手に入れ、その貨幣の一部もしくは全部でBさんのロ商品を買いBさんが貨幣を手に入れる。一部しか使われず残った貨幣はとりあえずは蓄蔵される。
(AさんとBさんが物々交換することと、貨幣の獲得と支出を通じて物が移動することとは性格が異なり、物の移動という側面を切り出せば結果的に物々交換だと言えるだけだと思います)
縄文ビトさんが書かれている「国としての信用が無くても商人同士が便利なものとして使っていきます」というのは、まさにそれを意味しているのではないでしょうか。
商人に売ることと商人から買うことを通じての財の移動は、結果的にそのように言えても、物々交換だとは言えません。
貨幣は、物々交換の合理的手段として生まれたのではなく、商人の活動手段として生み出されたと考えています。
「ただキンという限られたもので有れば増刷という拡大はしませんから、物としての価値の上下はありますがインフレになるという危険性はありえないはずです」というのは、いわゆる大航海時代に欧州に大量に流れ込んだ銀・金で生じたインフレは別にして、限られた量の金であっても継続的商取引の結果それがどこかに偏在することで金が集まった国家(共同体)でインフレを引き起こす可能性はあります。
(金の偏在は19世紀の英国を考えればわかります。もちろん、そのために起きる貨幣価値の劣化(=インフレ)を回避するため、英国の金融家・商人は貨幣を国外で必死に運用するという賢明な策を採りました)
不換紙幣に較べれば価値保存性はまちがいなく高いのですが、財の購入手段として使われる貨幣量と財の供給量の関係で物価は変動するという論理が有効なのであって、貴金属貨幣であればインフレにならないというわけではありません。
>Jいえ、貨幣は交換が原則にありますから、交換以外の貨幣を発行するということは
>誰かが退蔵しているわけですから、ただ黙って箪笥に入れているわけではなく金が金
>を生ませるという行為を発生させているわけですから、その金が金を産んでいる卵の
>部分は理論的にもそれだけ国債を発行しなくてはならないと考えます。現在でも市中
>の金を供給が需要を上回るぐらい、だぶつかせているわけですから、何パーセントか
>の人が蓄蔵にまわしているということです、市中の金余り現象を、もしなくせば蓄蔵
>にまわしている人は確かにいるわけですから、その分通貨供給量が減少し、経済が縮
>小する(サラ金等の金利高。または貸し渋りによる購買力の低下)と考えます。ゆえ
>に国債の発行残高が増えることはあっても減ることは無いいえるのではないでしょうか。
この部分の説明はちょっと理解に苦しんでいます。
「交換以外の貨幣を発行するという」というのはどういう意味でしょうか?
「金が金を産んでいる卵の部分は理論的にもそれだけ国債を発行しなくてはならない」というのは、民間向け貸し出しで代替できるときもあるのではないでしょうか?
後半部分は、ただ黙って箪笥に入れているわけではなければ、ある個人は蓄蔵しているつもりでも一概に通貨供給量の減少につながるとは言えないのではないですか?
なんとなくこういうことを言いたいのかなという推測はできるだけなので、まともなレスは書けません。
>ただ世界の歴史を見ても国もしくは政府が新しく貨幣を発行し、やがて一段落すると、
>新たな領土侵略でもしない限り、財政破綻を起こしているのではないですか、永久に
>拡大、もしくは安定した国は無いといえます。アメリカでさえ財政破綻を起こしてい
>るわけですから。なぜその国は永久に安定的継続が出来ないのか、なぜ最終的にイン
>フレを起こさなくてはならないのか。そこに交換から外れた貨幣の秘密が隠されてい
>ます。
永久に拡大もしくは安定した国はないという見方は共有できますが、領土と財政との関係性は見えません。
「最終的にインフレを起こさなくてはならないのか」というのも、そんなことが果たして言えるのだろうかという疑念を抱いています。
>J 本来、交換が原則にありますから、その交換されるもの以上の貨幣が発行された
>なら、貨幣の量にならって物の価値が高くなります。つまり貨幣価値が下がります。
> 国際はある一部の人間によって蓄蔵された貨幣を循環させるために国債を発行し
>て吸い上げているわけですから、実際は物との交換に回らない部分だといえます。過
>去形の話でしたらその政府は借金のために政権が変わっているか、貨幣価値が下がっ
>たためインフレという現象に弱者が苦しめられた物として、人間の歴史のなかにはは
>数多くみられます。
「交換されるもの以上の貨幣」という表現はなんとなくはわかりますが、交換されるものの“量”をどう見ているのかや、発行される貨幣量がそのまま購買手段の量なのかという疑問を提示することができます。
「一部の人間によって蓄蔵された貨幣を循環させるために国債を発行して吸い上げているわけですから、実際は物との交換に回らない部分だといえます」というのは、少し間違った説明だと思われます。政府が吸い上げて(税ではないので「借り入れて」が的確)財の購買手段として使う(物との交換に回す)ために国債を発行しているという側面もあるのではないですか?
インフレが弱者を苦しめる現象とは一概には言えません。(インフレ率以上に可処分所得が増加すれば以前ほどは経済的に苦しまないという意味)
>ハイパーインフレの話としては、発行された国債に見合った額だけ『物』が無ければ
>そのものに合わせて貨幣価値が下がり続けるわけです。現在の段階では将来多くの人
>が紙幣が紙切れになる前に物に替える動きをとります。それがハイパワーインフレだ
>といえます。
発行された国債が過去に発行した国債の償還や利払いのために使われるのなら、貨幣価値が下がるということはあまり考えられません。
将来紙幣が紙切れ同然になるとしても、保有ないし稼ぐお金以上に物を買うことはできないので、国債発行や紙幣増刷がそのままインフレにつながるとは言えません。
インフレになるためには、国債発行によるばらまき財政支出なのか賃上げの結果なのかは別にして、供給量の落ち込みがないのなら、そうなるにふさわしいだけの可処分所得の増加が総家計でなされることが必要です。
>>A 貨幣の信用が失われたとき急激な物との交換が起きるといったような“超常現
>>象”は起きません。
>J 私は戦後の混乱期を経験した年代です。あまりにも戦中の貨幣の発行しすぎか
>ら、貨幣の量に合う形のすざましいいインフレが起きました。
貨幣の信用が失われたからではなく、貨幣の大量に発行し復員兵家族などに渡したからインフレが起きたということです。
「貨幣の信用が失われた」というのはハイパーインフレに対する“文学的表現”もしくはハイパーインフレという結果からの評価でしかありません。
>J あっしらさん一つだけ質問させてください。どのような政権・どのような国にお
>いても、歴史の中で財政破綻を起こしています。江戸幕府も最終的にはそうでしたし、
>エジプトにおいてもそうでした、またローマにもいえます。つまり財政破綻が次の新
>しい歴史を作り出していくといっても過言ではないといえます。ではなぜ財政破綻が
>起こるのですか。
財政破綻は歳入を超える歳出を続けることで起き得ることですから、原因は様々が考えられますが、結局のところ政府が行使できる方策では返済できない借り入れが過多が原因です。
国家が貨幣発行権を持っているなら、新規鋳造量と税収を合わせた金額を超える財政支出を続けることが借り入れ過多につながります。
多くの財政破綻は、戦争や対外的緊張関係にともなう財政支出が直接の要因だったと思っています。
借り入れをしなければ財政破綻はありませんが、そのために、国家運営がうまくいかなったり戦争に負けてしまい支配層が放逐されてしまうこともあります。
金属貨幣であれば、借り入れを返済するためには金属貨幣を手に入れなければなりません。それが不能であれば、債務は踏み倒すとしても新規の借り入れができないので政府(支配層)の政治力は大きく劣化することになります。
財政破綻が新しい歴史を作り出すのか、新しい歴史に移行していくような状況になっために財政破綻に陥ったのかは個別に判断しなければならないでしょう。