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(回答先: 【プロフィル】イラン大統領に初当選したアフマディネジャド氏(49) 清廉…選挙中したたかな面も 【産経新聞】 投稿者 愚民党 日時 2005 年 6 月 26 日 14:04:36)
【イランの衝撃】(下)「イスラムの価値」 締め付け強化…募る不安
イランの首都テヘランは多様な顔を持つ。高所得者層が住む北部には米国風のファスト・フード店が立ち並び、フランスの高級香水店の看板などが掲げられたショッピング・モールもある。週末の木曜夜ともなると色とりどりの服装をした若い男女が集まってくる。
強硬保守派、アフマディネジャド氏の大統領当選で、こんな開放ムードも後退しかねない。
◆◇◆
「投票には行かない。イスラム体制自体が嫌いだから。誰に入れても一緒でしょ」。大統領選の決選投票日前日の二十三日、着用を義務付けられているスカーフこそ被ってはいるものの、前髪を長く垂らした二十歳代の女性は、そう語った。
洋品店経営の男性(24)は「選挙には行かない。イランを変えられるのは米国だけだ。米国にはもっと圧力をかけてほしい」とまで言っていた。
改革派のハタミ大統領による八年間の改革路線で開放的な空気に接し、欧米流の生活様式に一定程度、慣れ親しんだ若者にはイスラム体制自体を否定する思いが強い。
決選投票の投票率が第一回投票より低い約59%に終わったのは、体制そのものに背を向けた有権者が予想以上に多かったことを物語っている。
自らの棄権のせいもあって、体制不信を抱く人々には最も嫌な人物が登場するはめになったことは皮肉というほかない。
改革派や欧米流の生活に憧れる若者たちが今、心配しているのは、「イスラムの価値」を厳格に重視する同氏の政権下で政治的、社会的な締め付けが再び強まることだ。
体制護持を目的とする革命防衛隊とバシジ(人民動員軍)が今回の選挙戦で組織を挙げて同氏支援で動いたとされることも、今後、これらの組織の発言力が強まることにより政策全般が強硬なものに傾斜していくとの懸念に拍車をかけている。
「バシジの任務は、国を守るとともに伝統文化も守ることだ」。アフマディネジャド氏の当選が決まった二十五日、氏の選挙事務所で働いていたバシジの一員で神学校学生のハムゼ・エマミさん(25)は、そう語った。
ハムゼさんは国を守る気概を持とうと、十一歳でバシジに加わった。そこで軍事訓練に加え、他国からの「文化攻撃」に対処する術を学んだ。
ハムゼさんは「西洋音楽が入ってきてイラン人の心を捉えても、バシジはそれを否定はしない。イランとイスラムの伝統的音楽の魅力を改めて若者らに伝えることで伝統文化を守っていく」としたうえで、「一部メンバーが欧米の生活様式を否定する過激な行動に走っていることは分かっている。だが、それは個人的行動で組織的なものではない。過激な行動は禁じられている」と述べた。
改革派や穏健保守派の間ではしかし、少なくとも改革路線は影を潜めていくとの警戒感が強い。
アフマディネジャド氏は当選前、「若者が改革や自由などを求めているのは理解しているが、次期大統領は一部の若者が求める急激な改革要求をすべて認めるべきではない。次期大統領が若者らの要求に合意できる範囲内での改革にとどめるべきだ」と語っていた。
保守派が従来の立法、司法に加え行政をも押さえ三権を独占した現在、イランの今後の行方は、改革路線がどの程度、強硬な方向に転換されていくのかにかかっている。(テヘラン 加納洋人)
http://www.sankei.co.jp/news/morning/27int003.htm