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(回答先: 経済、具体策見えず イラン大統領に強硬派 【朝日新聞】 投稿者 愚民党 日時 2005 年 6 月 26 日 11:59:23)
【イランの衝撃】(上)改革派への失望 特権層にメス望んだ国民
改革派のハタミ大統領の任期満了に伴うイラン大統領選挙で、七九年のイラン革命の原則に立ち戻ることを主張する強硬保守派のアフマディネジャド・テヘラン市長(49)が大方の予想に反し、大勝した。「イスラムの規範を重視する原理主義者」(同氏陣営の関係者)の登場で、イランは「新しい時代」に突入するのか。(テヘラン 加納洋人)
「今、イランで最も必要なのは貧富の格差を解消し、一般家庭の生活水準を改善することだ。アフマディネジャド氏は、庶民のことを考え、経済構造を抜本的に変えようとしている」
テヘラン市内の公立高校教師、メヘランさん(31)は支持理由を、そう説明した。アフマディネジャド氏の勝利の背景には、メヘランさんのように、現在の生活に不満を抱く多数の人々の支持がある。
保守派候補の圧勝が予想されていた一九九七年の大統領選で、ダークホースのハタミ師が人々の熱狂的な支持を得て当選して以降、改革派は「イラン革命の本来の理念を復活させれば、イスラム体制の枠内で、もっと自由で開かれた社会を実現できる」と訴えてきた。
しかし、ハタミ改革は厳格なイスラム体制の中で、既得権益の維持を目指す保守派の抵抗で失速。その間、貧富の格差はさらに拡大し、インフレ率は年約17%と高騰、二十歳代の失業率が50%を超え、人々の改革派への期待は失望へと変わっていった。
「物価が高く、教師の給与だけでは生活できない。家庭教師などをやって、家族三人がようやく食べていける。改革派の言う改革は理念だけで、服装や生活様式などのうわべを変えるだけで、本当の改革は何もなされなかった」とメヘランさん。
アフマディネジャド氏は、七九年のイラン革命の原則に立ち戻り、政府を人々の手に取り戻す「イスラムの理想」を強調し、「革命の原則から逸脱した面を元に戻す」と訴えた。
同氏はまた、貧富の格差の改善を重視し、一部特権層がイラン経済の大半を支配して、独占的な利益を得ている現状を批判。イスラムの平等原則に基づき、特権層による独占的支配を解消し、利益を再分配すると主張した。人々は、イスラムの教えに厳格な強硬保守派の同氏には本当の改革の実現が可能だと期待を寄せたのだ。
対抗馬となったラフサンジャニ前大統領はイラン革命以来、指導部の中心におり、人々の目からは、「既得権益層」に属する。
さらに、同師は、保守派と改革派の中間に身を置き、各党派間の調整を図る“現実派”だけに、特権層にメスを入れる抜本的な改革は期待できず、不満を抱く多くの人々にとって、同師の再登場は現在の苦境の継続としか映らなかったのだろう。
最高指導者ハメネイ師のもと、保守派のイスラム法学者が統治する現体制下で、改革派はもはや力を発揮できないことがはっきりした。代わって人々が期待を寄せたのは、保守派内でも「イスラムの理想」を強調する強硬派による強力な指導力だった。アフマディネジャド氏が人々の期待に応えて公約を実現するためには、圧倒的な既得権益を握る保守派内の特権層と対峙(たいじ)するしか道はない。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/26int003.htm