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(回答先: (出来事ニュースを製造する先物市場はぼろもうけ) 生産能力に限界 需要拡大、歯止めかからず 【産経新聞】 投稿者 愚民党 日時 2005 年 6 月 25 日 11:40:51)
原油60ドル時代突入 中国需要「台風の目」
米ニューヨーク市場の原油価格が1年半前の2倍の「60ドル時代」を迎えた。23日、国際指標となる米国産WTI原油の先物価格が、前日終値比1・91ドル高い60ドルちょうどまで一時上昇した。成長著しい中国をはじめ、世界の原油需要は増え続けているのに、産油国の生産体制の強化が間に合うかどうかに不安が高まっているためだ。世界経済への影響も徐々に広がってくる可能性がある。
●増産不安
【ニューヨーク=渡辺知二】ニューヨーク商業取引所の原油市場は24日も早朝の時間外取引で一時60ドルちょうどまで再び上昇。日中の取引開始後は、利ザヤを狙った投資家の売り注文もあり59ドル台半ばで推移している。
原油高の影響は株価も直撃した。24日のニューヨーク株式市場のダウ工業株平均は大幅続落して取引が始まり、午前に一時、前日終値比64・76ドル安い1万0356・68ドルと約1カ月ぶりの1万0300ドル台に下落した。
60ドルに達した後も「需要増・価格上昇の勢いに陰りが見えない」というのが米国の石油アナリストたちの見方だ。
石油輸出国機構(OPEC)のアハマド議長は今週初めから追加増産を協議する意向を示しているが、加盟国の増産余力の乏しさを市場に見透かされ、価格抑制の効果が出ていない。
国際エネルギー機関(IEA)によると、80年代半ばに日量1千万バレルを超えていた世界生産余力はすでに200万バレルを切った。90年代まで原油価格が1バレル=20ドル前後で安定し、石油開発への新規投資が膨らまなかったことも一因だ。
原油価格は01年の同時多発テロ後の中東情勢の混乱を機に一転して上昇基調をたどった。中国経済の急成長に伴って石油需要が急膨張したことも大きな要因だ。市場の注目が改めて構造的な生産力不足に集まり、そこにつけこんだ投機資金が価格上昇の勢いをさらに増幅させている。
●資源買収
原油価格の急騰の裏に、世界の大国の間で激しい石油資源獲得競争がある。競争の「台風の目」が、13億人の巨大市場を抱えて石油をがぶ飲みし始めた中国だ。
「中国政府によるエネルギー資源の買い取りだ」。AP通信などによると、米議会の諮問委員会「米中経済安保検討委員会」のダマト委員長は23日、実質的には中国の国営企業である中国海洋石油(CNOOC)が、米石油会社ユノカルの買収提案をしたことに強い懸念を示した。
ユノカルは4月、米石油大手シェブロンが総額約180億ドル(約1兆9千億円)で買収することで合意しており、CNOOCの提案はそれを奪い取ろうとするものだ。
中国の石油需要は04年に前年比14%増。今年も7%増の見通し。ここ10年で世界で増加した原油需要の4分の1に当たる日量約300万バレル分が中国の需要増加によるものだ。中国は中南米やアフリカでも利権を買い集めている。
91年の湾岸戦争の背景には中東の石油利権を守ろうという米欧の危機感があった。イラク戦争にも同様の見方がある。
●消費懸念 ガソリン・運賃直撃
国内物価への影響も出始めた。日本が主に輸入するドバイ原油の平均価格が昨年から1バレル当たり約20ドル上昇、個人消費への悪影響も懸念される。
石油情報センターによると、6月半ばのガソリンの全国平均価格(消費税込み)は1リットル当たり123円。5月の原油価格が落ち着いたため前月より1円値下がりしたが、昨年5月半ばと比べると15円上昇した。
6月は原油が再び高騰したため、7月のガソリン価格は3円超の上げ幅になる見通しだ。11年ぶりの高値水準になる。
航空燃料高騰の直撃を受ける航空業界では、日本航空が7月1日、全日本空輸が同7日から国際線運賃を引き上げる。燃料高騰による値上げは今年3回目。当初は航空燃料が月平均1バレル=40ドルを下回ったら運賃を元に戻す条件で「緊急避難的措置」(日航)のはずだった。
日航の場合、燃料価格が1ドル上がると燃料費が50億円増え、70ドルなら計画を450億円上回る計算。国内線は値上げせず、経費節減などで乗り切る方針だ。
また、石油を原料とする樹脂の値上がりで、書き込み用のCD−RやDVD−Rなども値上げするメーカーが出ている。
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◆キーワード
〈WTI原油〉 米テキサス州周辺で産出する軽質油ウエスト・テキサス・インターミディエート原油の略称。同原油の先物価格が原油価格の最も有力な国際指標となっている。投資ファンドなど投機資金が入り込む先物取引の規模は産出量の数百倍。日本などアジア市場では中東産ドバイ原油、欧州市場では北海ブレント原油が指標とされているが、取引規模の大きさからWTIが最も強い影響力を持つ。
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