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(回答先: 6月24日の海外金融・株式・為替市場 (ブルームバーグ) infoseekニュース 投稿者 愚民党 日時 2005 年 6 月 25 日 10:24:08)
生産能力に限界 需要拡大、歯止めかからず
「心理的節目」とされた一バレル=五〇ドルを突破してからわずか九カ月。原油相場はあっさりと六〇ドルの壁を破った。この背景には、原油需給の構造的な逼迫(ひっぱく)がある。経済の好調な米国、中国、インドなどの需要拡大に歯止めがかかる兆しが見えない。他方で生産能力は限界に近づきつつある。これに産油国の政情不安などが供給不安をあおり、投機資金が流入、価格の高騰をあおる悪循環が続いている。石油依存の脆弱(ぜいじゃく)さが改めて浮き彫りになった形で、各国に新エネルギー開発を迫ることになりそうだ。(村山繁)
「一度壁が破られると、次の抵抗線がどこにあるかを試そうとするものだ」。ニューヨークの市場アナリストは、今の相場心理をこう説明する。二十三日に米先物相場で一バレル=六〇ドル台に乗せたのは、米国製油所でのトラブル報道が引き金になった。原油供給がいかに綱渡り状態にあるかを浮き彫りにした。
原油生産量の四割弱を占める石油輸出国機構(OPEC)は今月十五日、価格抑制のため生産枠を七月から一日あたり五十万バレル引き上げ、二千八百万バレルとした。しかし効果はなく、OPECの限界が露呈し裏目に出たとの見方すらある。
OPECはすでに一日あたり二千八百万バレルを生産しており、今回の決定は現状の追認でしかなかった。しかも加盟十カ国の生産能力は二千九百万バレルとされ、その限界に近づきつつある。アルジェリアやリビアはすでに余力ゼロ。対応できるのは事実上、サウジアラビア一国となっている。
生産量拡大には精製設備への投資が不可欠。しかし各国とも将来の需要に確証が持てない中での巨額投資には及び腰で、供給拡大への対応は遅れているのが現実だ。
一方、これをあざ笑うかのように需要は伸びている。世界全体の原油需要は、二〇〇四年で一日あたり八千二百五十万バレル。前年に比べ二百七十万バレル増加した。二〇〇五年も百八十万バレル増える見通し。とくに米国、中国での増加が著しい。百八十万バレルの増加分のうち、中国が五十万バレル、米国が三十万バレルを占める。
中国ではとくに、軽油やナフサに需要が集中。国内の精製設備はすでにフル稼働状態で、輸入に頼らざるをえない。また「政府が石油製品の価格を抑制しているため、原油価格が高騰しても需要抑制のメカニズムが働かない」(日本の石油業界関係者)という。
インドでも軽油、ガソリンの需要が堅調。政府は最近、石油製品の価格引き上げを決めたが、ガソリンでは業界の15%引き上げ要求に対して、政府決定は6・6%にとどまった。
米国でも好調な経済を背景に、ガソリンなどの在庫が夏には減少に転じる見通しだ。
事態の緩和には、需要国の需要抑制努力、産油国の供給拡大努力が欠かせないが、具体的な取り組みはみられない。新エネルギーの開発にも時間はかかる。市場からは「打つ手がない」と悲鳴が上がり始めた。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/25kei003.htm