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(回答先: サラリーマン増税提示 給与・扶養控除を縮小 政府税調報告書 【朝日新聞】 投稿者 愚民党 日時 2005 年 6 月 22 日 09:47:59)
「増税一色」日程は見えず 政府税調報告書、描けぬ全体像
政府税調報告書の各種控除見直し
政府税制調査会(首相の諮問機関)がまとめた個人所得課税の報告書(論点整理)は、各種控除の見直しを網羅した「増税メニュー」一覧となった。ただ、「本命」のはずの消費税増税との関係には全く触れず、増税方針を決めたと取られそうな表現も避けた。個人所得課税を見直す前提条件となる歳出削減をどう求め、税制の全体像と増税へのスケジュールをどう描くのか。報告書からは見えてこない。(丸山玄則)
負担増の総額は17兆円超――給与所得、配偶者、扶養、特定扶養の各控除を全廃した場合、所得税(国税)と個人住民税(地方税)の総増税額を日本総研が試算した結果だ。消費税に換算すると7%分にあたる。
実際には報告書の提言は控除の整理・縮小が中心で、全廃までは想定していない。むしろ目を引くのは、「他税目の見直しとも適切に連携しつつ、また経済情勢も見極めながら、段階的かつ着実に実施していくべきだ」との報告書の結び部分だ。他の税目とは消費税にほかならないが、小泉首相の方針に沿って、報告書には「消費税」は一切出てこない。財務省内でさえ「内容としては中途半端」との声がくすぶる。
わかりにくさに輪をかけたのが、増税色を少しでも薄めるために表現が抽象的になった点だ。報告書は「現行税制は、周囲の環境変化に十分対応しきれていない」「公平・中立・簡素な税制を」と強調、結果として「個人所得課税の本来果たすべき財源調達機能の回復にもつながる」と、税収増はあくまで結果との論法を展開した。
しかし、国の所得税税収が、91年の26・7兆円から今年度予算では14・3兆円と半分近くに落ち込むなか、増税へのかじを一刻も早く切りたいのが政府税調や財務省の本音だ。石弘光・税調会長も21日の会見で「国民負担増なくして少子高齢化は乗り切れない。所得税と消費税が軸となるが、(どちらを選ぶか)国民的な議論が必要だ」と率直に述べた。
報告書は所得税の「欠陥」が生じた理由として、「累次の減税」「諸控除の拡充」「税率の引き下げや各税率の適用区分(ブラケット)の拡大」を列記した。
消費税の導入・増税の見返りにこうしたゆがみを拡大させてきたのは、政府税調や財務省自身の責任も大きいが、報告書にその「総括」はない。歳出見直しについても「国民に負担増を求めることとなる場合には、国・地方を通じた徹底した行財政改革が必要」との一般論にふれただけだ。
04年末の与党税制改正大綱は、来年秋から検討が本格化する07年度改正で「消費税を含む税体系の抜本的改革を実現する」とうたった。政府税調や財務省は、1年後に予定する「税制の中期答申」で、消費税を含む税制全体について提言する考えだが、小泉政権が続いている可能性が高く、どこまで踏み込めるのかは見通せない。
累進課税によって所得再分配機能を持つ所得税と、逆に低所得者への負担が重くなる消費税をどう組み合わせるのか、税制を通じてどんな社会をつくっていくのか。今後の税制論議が問われる。
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