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(回答先: Re:【生命保険協会】は良くても庶民がハゲタカファンドに流れる 投稿者 なおみん 日時 2005 年 6 月 14 日 20:25:22)
金融の将来像を話し合ってきた柳沢伯夫金融担当相の私的な勉強会が三日、最終会合を開いた。十二日に発表する報告書は、銀行貸し出しに偏った間接金融の枠組みからの転換を訴える。そのために銀行業の収益力回復や公的金融の縮小、資本市場の活性化などを挙げている。ただ不良債権などの現実は厳しく、未来図との開きは大きい。
会合を開いたのは「日本型金融システムと行政の将来ビジョン懇話会」（座長・蝋山昌一高岡短期大学長）。報告書が最も力を入れたのは、銀行業の変革に関する部分だ。三日、記者会見した蝋山座長は「日本の銀行の行動はおかしい、というところにまで触れた」と強調した。
▼貸出金利の引き上げが必要。消費者金融のノウハウを取り入れ個人向け営業を積極化する
▼休眠口座、通帳発行、残高照会など無料が当たり前とされてきたサービスを見直す
▼収益への貢献を行員の報酬に反映させる
報告書にちりばめられた記述は銀行が抱える問題点を映し出す。貸出金利の引き上げについては「これまでの低利の銀行貸し出しとかなり高利の商工ローンの空白を埋める」姿を描写する。
借り手からの反発も予想されるが、リスクに応じて金利を求めるなら、むしろ貸し出し可能な対象企業が広がるという。
公的資金を注入した銀行に貸し出し目標を設定するなどの中小企業に配慮する政策については「必ずしも市場原理とは整合的ではない」などと指摘、行政の関与を抑えるよう促している。
■証券化は米がモデル
銀行業務の見直しと並んで課題に挙げているのが、証券化ビジネスの発展だ。
従来の銀行業の基盤は、元本割れの心配がない預金で大量の資金を集めて貸し出しに回すという間接金融。一方、直接金融は元本割れの可能性がある株式や投資信託などへの投資が中心。銀行が直接金融の世界に踏み込むには、貸出債権をひとまとめにして証券化し、機関投資家などに転売する米国の市場がモデルになるとみている。
銀行、証券という業態を分けて規制してきた行政が「証券化商品の発展にとって障害になってきた」とも指摘。株式優遇税制の必要性にも触れ、資本市場に資金を政策的に誘導する方向性を打ち出している。
■公的金融見直し急務
報告書は郵便貯金などを資金の入り口にし、政府系金融機関による融資を出口とする公的金融について「見直しは不可欠」と断言。郵貯は二〇〇三年に郵政公社に移行しても「民間金融機関への収益圧迫や市場の価格メカニズムの阻害という問題が本質的に改善されない」と厳しい。一千万円の預入限度額の引き下げを求める意見も紹介している。
政府系金融機関については貸出金利の引き上げが必要な点を強調。融資よりも、民間で証券化した商品を購入する「受け皿」としての機能に期待している。
報告書は「金融業は成長産業。税収を生み出す産業として、国際的活躍が望まれる」と唱える。ただ体力をすり減らす金融界の現状からみると、理想はほど遠い。
金融庁は今回の報告書をもとに「金融中期ビジョン」を作成する方針だが、「実現性のある部分を選ぶ」（幹部）。その分、中身が薄まる恐れもある。
【図・写真】記者会見する蝋山座長（３日午後、東京・霞が関）
【懇話会報告書の骨子】
○市場機能を中核とする金融システムを指向
○一つの窓口で預金、保険、株式、債券、投資信託など多様な商品を入手しうる姿が望ましい
○郵便貯金は税や預金保険料を民間並みに負担すべきだ。情報開示の徹底も必要
○政策金融の金利の見直しに直ちに取り組むべきだ
○アジア域内の取引を一括する証券決済システムが有効
○不良債権問題の解決にはデフレ克服が欠かせず。金融政策を中心にマクロ経済政策が先決
○再生可能な銀行への資本注入や整理回収機構の不良債権買い取り支援などで公的資金の活用を促す提案
○銀行は貸出先のリスクに応じた金利設定が必要
○利子、配当などの所得をまとめて投資の損失と相殺する税制が一つの方向。株式投資を明確に優遇する税制もあり得る
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。