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(回答先: 高額納税者の公示 公示逃れ問題浮上(古い記事) 投稿者 へなちょこ 日時 2005 年 5 月 17 日 01:40:21)
世相映す番付見納め?
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/ippitsu/at_ip_05051601.htm
高額納税者リスト、いわゆる「長者番付」が今年も16日から全国の税務署で公示される。大金には縁のない庶民にも、他人の懐をのぞく興味を満たしてくれる恒例の番付だが、ひょっとすると、これで見納めになるかもしれない。
財務省は来年から公表をやめることを検討している。
公示制度は戦後間もない1950年に、「番付に載っていない金持ちがいたら、税務署に知らせて欲しい」と、“密告”を奨励するために始まった。その後、制度の趣旨は、税金をたくさん納めた人を顕彰することに変わった。
長者番付は時代の世相を映す鏡である。60年代には、松下幸之助氏(松下電器産業)や石橋正二郎氏(ブリヂストン)、上原正吉氏(大正製薬)ら、戦後に急成長した大企業の創業者やオーナー経営者がベストテンの常連だった。
しかし、70年代の列島改造ブームのころから、土地成り金が目立つようになり、バブル景気の爛熟(らんじゅく)期の92年には土地長者や株長者が上位100人のうちの95人を占めた。
最近は再び、事業所得や給与所得を稼いだ「本業組」が増えているが、かつてのような大物経済人はまず見当たらなくなった。上位には消費者金融、パチンコ、美容・健康業界などの関係者が並ぶ。顔ぶれが小粒になった感は否めない。
番付公表に伴う弊害も無視できなくなった。氏名、住所、納税額が公表されると、その人のもとには高額商品の案内や投資の勧誘、寄付の要請などが相次ぐそうだ。警視庁は今年1月、名簿業者から購入したリストをもとに「振り込め詐欺」を繰り返していたグループの逮捕を発表した。悪くすれば、空き巣や押し入り強盗の標的にもなる。
このため、お金持ちの間に公示逃れの裏技が広まっている。番付は、3月31日までの所得税の確定申告をもとに作成されることから、わざと少なめの所得を申告しておき、4月以降に修正申告するのだという。過少申告加算税などのペナルティーを払うのも覚悟の上だ。
世界の主要国でも、高額納税者の名前と住所を一般に公開している国は日本しかない。個人情報保護法が4月から全面施行されるなど、プライバシーの保護が重んじられる時代になり、従来の公示制度を続けることが難しくなってきた。
ただし、芸能人やスポーツ選手の場合は、長者番付が「人気と実力のバロメーター」にもなっている。本人の努力と才覚でお金を稼いだ高額納税者は、称賛されてしかるべきだ。番付が廃止されて、ジャパニーズ・ドリームの体現者に拍手を送る機会がなくなるのは、さびしい気がする。(編集委員・松田陽三)
(2005年5月16日読売新聞)