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(回答先: 癒やされ くつろぎ 深夜でも安心 女性の空間 (東京新聞) 投稿者 愚民党 日時 2005 年 5 月 03 日 15:28:02)
大手町の銀行員が語るスケッチ上達術
「最初は身近な品など、とにかくたくさん描いてみるといいですよ」と話す武市美香さん=都内で
旅先で出合った美しい風景やおいしい食べ物をサラサラとスケッチに残せたら、どんなに楽しいだろう−。風薫る五月の連休。そんなあこがれを抱く人も少なくないのでは? 東京・大手町の銀行で働く武市(たけいち)美香さん(34)は、スケッチを学び始めてわずか二年で個展を開くまでに上達。いまでは旅行も外食もスケッチブックを片手に出かけ、その場で軽やかにスケッチしてしまう。上達するコツはあるのだろうか、聞いてみた。
「鉛筆などで下書きはしないで、最初からペンを使って線で描くようにします」
武市さんがプランターの草花を題材に早速実演してくれた。「とにかく観察が大事。ひたすらしっかり見て、じっくり頭に入ったら線で描くんです」。それまでさわやかに笑っていたのが、いきなり真顔に。ギュッと見つめて、ひと呼吸おいてからサラサラ描いていく。線画がぐいぐいできあがる。ペンは百円ほどの国産サインペン。けっして高級品ではない。
武市さんのスケッチは色づかいのセンスが評価されている。しかし本人は「線が八割で、色は二割」と、意外な言い方をする。「線があってこその、色なんです。色はだいたいの感じをメモしておいて、後で色づけすればいい。厳密にそのものの色でなくてもいいんです。同じ色に塗ろうとすると、くすんだ色になりがち。それよりは、好きな色で思い切り塗りましょう、っていう“教え”なんです」
線を何より大切にするこの教え。実はすべて、武市さんがカルチャー教室でスケッチの手ほどきを受けた画家・永沢まことさんの指導法なのだという。スケッチというと普通、洋画のデッサンを連想しがち。描いたり消したりを繰り返す下書きから始まるように感じるが、永沢さんは下書きを許さなかった。
最初にこの方法を教わったときの驚きを武市さんはこう振り返る。
「下書きしないでペンで描いたら、一発勝負。間違ったら終わりじゃないかって思いますよね。びっくりしました。でもだからこそ間違えないように慎重に描くようになる。それがスケッチ上達の秘訣(ひけつ)だったんです」
とはいえやはり間違えることはある。その場合はどうするのか。
「間違えてもそのまま突き進んじゃってください」と武市さんは平然と言う。「多少曲がったりしてもそれはその人の絵の味。個性です」
二〇〇〇年秋に永沢さんの教室に通い始めるまで、武市さんは絵なんてほとんど描いたことがなかった。ところが永沢さんの指導法に従って描き続けるうちにメキメキ上達。昨春からは銀行勤めのかたわらカルチャーセンターで教えるほどにまで上達した。
友人と食事に出かけるときも、テーブルに出てくる料理を次々にスケッチ。「冷めないうちに急いで描きます」。武市さんのスケッチの速さは、食べたい気持ちをバネに身につけたものらしい。
大好きな旅行にも必ずスケッチ用具を持参。普通の人ならデジカメに収める風景を、スケッチブックに記録する。サラサラとスケッチできるようになると、やはり風景の見え方も変わってくるのだろうか。そう尋ねると武市さんは「目に風景が焼き付きますね。心に残る強さが全然違います」と笑顔に戻った。
■30日から新宿区で個展
武市さんの個展「東京、京都そしてパリへのスケッチ旅」が30日から6月4日まで、新宿区荒木町の「ゑいじう」=電03(3356)0098=で開かれる。無料。永沢さんの指導法は著書の「永沢まことの自分発見スケッチ術」(草思社刊)でも学べる。
文・東松充憲/写真・圷真一
http://www.tokyo-np.co.jp/00/thatu/20050504/mng_____thatu___000.shtml