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癒やされ くつろぎ
深夜でも安心 女性の空間
深夜にマッサージに訪れ、癒やされる女性が増えているという=東京都港区六本木の指圧24バリ・リラックスで
女性が二十四時間いつでもくつろげて、癒やされ、さらに美しくなる−そんな“空間”が都心で人気を集めている。例えば自分だけの時間をじっくり楽しめるレンタルスペースがある複合施設。あるいはダーツやネイルサロンを併設するマンガ喫茶。終日営業のマッサージ店も好評だ。深夜でも若い女性たちが足を運び、「安心してリラックスできるのでうれしい」と喜ぶ。背景には、女性の働き方やライフスタイルの多様化があるようだ。
JR恵比寿駅近くにある女性限定・二十四時間営業の複合施設「ラヴィ・ドゥ・ラ・ヴィ恵比寿」。ここには一人でも複数でも借りられるような個室や共用部屋があり、テレビやクッション、リクライニングシートが置かれている。
基本料金は午後八時から午前八時まで初めの三十分は六百円。その後、十五分ごとに二百五十円ずつ加算される。昼間から夕方はやや割安。お得なパック料金の設定もある。全身マッサージのアロマトリートメント、ネイルケアの施術も別料金で受けられ、シャワーや化粧品も完備。ハーブティーやお菓子、モーニングも用意する。
近くの外資系企業で働く管理職の女性は「本社などがある欧米の時間に合わせて電話会議が開かれるので、仕事が終わるのはいつも深夜。だからこそ、何時になっても、くつろぎたいし、エステできれいになりたい」と、こうした店の出現を喜ぶ。
実はこの店、カラオケボックス「ビッグエコー」を運営する第一興商が三月十五日にオープンさせた。全国でカラオケ利用者が伸び悩む中、部屋を時間貸しするカラオケのシステムを応用し、新たな市場を探っている。その中心となったのは二人の女性社員だ。
二人は「女性が遅くまで働き、活躍する社会になってきたことで、深夜でも女性は、癒やされたいと思うようになってきた。なのにマッサージ店は夜九時で閉まり、喫茶店では、酔った男に絡まれることも」と、働く女性に優しいとはいえない現実に表情を曇らせる。
店の評判は口コミで広がり、一日の利用は多いときで約百人。深夜も二十人近い。年代は二十代前後から七十代まで幅広く、デート前に着替えや化粧をする人も少なくないという。
マンガだけでなくネイルケアサービスや日焼けサロン、女性専用個室、シャワーなどがあるのは昨年四月にオープンした新宿区新宿の「メディアカフェ・ポパイ」。店内には静かなジャズが流れる。
「もっと女性に利用してもらおうと都内で初めてネイルサロンを導入。男性にのぞかれないよう個室の壁を高くし、全体をおしゃれな雰囲気にした」と三宅啓介店長。女性に人気の韓国ドラマのDVDもそろえ、ダーツコーナーも設けた。
ネイルケアを受けていた文京区のOL(30)は「(相場の)半額ぐらいの値段なので来ました。最近のマンガ喫茶は、女性も安心して来られる。系列店で夜を明かしたこともあります」。
日曜から木曜の深夜なら個室タイプ五時間で千円。平日の昼間の三時間なら千円など。ネイルサロンは正午から午後九時まで。
訪れる女性は客全体の三割以上。多くは二十代から三十代の働く女性たちで、「休憩のためだけでなく、パソコンを持ち込んで仕事をする人もいる。マンガ喫茶から多目的スペースに進化しつつある」(三宅店長)。
六本木の二十四時間マッサージ店「指圧24バリ・リラックス」は、二〇〇三年十月に改装した。それまでの治療院からリゾート感覚のゆったりとした雰囲気に。すると、女性客がどっと増えた。
平日深夜はクラブなどで踊り終わった学生やフリーター、週末深夜はキャリアウーマンらがやって来る。徳島秀樹店長の目には「眠らない街、六本木では、女性も遅くまで働き、動き回っている。癒やされる場所を求めており、その数は増えているみたいだ」と映る。
昼夜を問わず活動の場を広げる女性たち。都会では、ますます彼女たちに優しい安らぎの“空間”が求められているようだ。
文・沢田一朗/写真・中西祥子、山根勉
http://www.tokyo-np.co.jp/00/thatu/20050503/mng_____thatu___000.shtml