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(回答先: 日本ポスト銀行(仮)株式会社を設立しただけで、金融行政、市場金利の意味が明確になる。 投稿者 hou 日時 2005 年 8 月 27 日 16:11:59)
houさん、どうもです。
一言で言えば、houさんの論は一般会計の赤字補填のための国債発行が30兆円を超えている状況では無効の論です。
なぜなら、郵政金融事業に流れ込む資金は良くて横バイであり、公的年金資金も単年度でとんとんという段階になっているので新規積み増しは少なく、30兆円超の赤字国債を買い入れることさえできないからです。
郵政資金・公的年金資金に加え日銀にバックアップされた民間銀行の資金があって、普通国債さえようやく消化できるという金融状況です。
>それを、総務省が監視している上でおこなうというのと、金融庁が監視しているとい
>うのでは大きくポートフォリオの変更をせざるおえないという意味です。
>すくなくとも、財投債に出すお金はさらに少なくなるとおもいますし。
金融システムの保全のために金融機関を監視指導する金融庁が財投国債を買うことをどうして減らすと思われるのですか?
安全性を考慮して財投国債の積み増しはまずいという判断は、政府の一機構である金融庁が、政府の債務履行能力を否定することになってしまいます。
郵政金融事業を金融庁が監視対象にしたとしても、ポートフォリオに関して口出しするのは、元本さえ十全には回収できないリスクがある私的企業や個人に対する貸し出し・為替差損のリスクが付きまとう対外債券投資・梃子の原理で損失が巨大化しかねないデリバティブ取り引きであって、自国政府が発行する債券ではないはずです。
また、金融庁が郵政資金の運用益が少ないということを理由にして、より利得が大きい民間向け運用をしろと命じれば、それで生じる損失は政府が補填しなければならないことになります。
>財投機関債にいったては、金利リスクの上昇が大きくなるために、今までのように手
>が出ないのではとおもいます。
どれだけの金利差が付いているかは別として、金利リスクの上昇は、財投機関債も普通国債も同じだし、民間向け貸し出しや民間発行債券もまったく同じです。
政府は、必要と考える財投機関債は政府保証を付けてでも消化を図ります。
(新しい資金が必要というだけではなく、特殊法人がこれまでの債務を履行するための資金も必要だからです。そうでないと、一般会計から補填して「財投資金」の穴埋めをしなければならなくなります)
>郵貯民営化で金利面による、特別会計に与える影響も相当大きなものだとおもいます。
>しかも、その影響で各地の産業構造に大きな変化を与えるのは目に見えています。
>地方での建設業の再編や銀行の再編などもっと加速度がついて行われるとおもいます。
>というかするでしょう。
「郵貯民営化」が地方での建設業の再編や銀行の再編などを促す論理をお示しください。
>では、いつこのようなリスク企業を倒産させるべきなのでしょうか?
ある産業で歴史的に過剰になった人員は経済状況に応じて転換を図るべきです。
景気が良く人手不足のときはスピーディに行えますが、300万人以上の失業者がいる状況ではじんわりゆっくりと進めていくしかありません。
(現実にもそのような政策が採られていると思っています)
>いま、0金利を維持する必要性に、地元の銀行への地方雇用の持続が盛られているの
>は明確です。
ゼロ金利政策の主要目的は、短期国債をきちんと消化することです。
地方銀行も貸し出し残高が減少し預貸率が低下しているのですから、ゼロ金利が地方雇用の維持に貢献しているとは言えません。
中央・地方の財政支出が地方の雇用を支えていることは認めます。
>それは、これ以上日本が雇用保険を払えない(特別会計も限界)ということも示唆し
>ています。
雇用保険を払えなくなるということは、一般会計の社会保障関連費がその負担をするということです。
雇用保険制度を維持するためにも、失業者を減らす必要があります。
(財政支出で雇用を維持すればいいと主張したいわけではありません)
>少しでも市場原理が働く資本主義制度のなかで、雇用を守れる限界がきているとおも
>われます。
言いたいことは分かりますが、失業者を殺すわけにはいかないのですから、失業者が多くいればそれだけ雇用保険給付もしくは財政支出が増大することになります。
各企業は、自分の生き残りを賭けて余剰人員を削減する強い衝動を持っています。
そして、それが国民経済全体の需要縮小を招き、企業の倒産やさらなる人員の余剰化につながります。
思い切って失業者は見殺しにする政策を採っても、それにより国民経済の需要が減少するわけですから、やはり、各企業の倒産やさらなる人員の余剰化につながります
>ですから、この制度を日本国民が享受する以上、政治的な駆け引き(市場の力ではな
>く政治の力で世界一の金融システムの社会主義から資本主義への移行が行われる)で
>産業構造の変革が行われないといけないとおもいます。
「資本の論理」の豊穣は、直前に書いたように連関的論理で「資本の論理」に敵対するものになるという理解が欠けています。
私的企業や個人はそうなりがちですが、自己の利益のみを考えた判断は、自己の利益さえも少なくしたり自己の損失を招く愚かな行為です。
自己の利益が増加する論理的由来をきちんと理解することが、現実の自己の利益を増大させることにつながります。